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2005年04月28日

転貸借

明日からゴールデンウィークですね。
皆さんは、どのように過ごされるのでしょう。

今日は、転貸借について。

転貸借とは、
賃貸人→賃借人→転借人
というように、賃借人との間でさらに賃貸借契約を
締結することです。

転貸は、民法上、賃貸借契約の解除事由とされ、
住居の賃貸借契約書でも、ほとんどの場合、
禁止条項として記載されています。

ただし、社会的にみて相当性を逸脱せず、
賃貸人・賃借人間の信頼関係が破壊されないような転貸、
つまり、親子間の転貸などは、解除事由とはならない場合が
多いでしょう。

ここにいう信頼関係とは、たとえ使用者が変わったとしても
賃貸人の利益が害されないような場合、
つまり、賃料をちゃんと払ってもらえるか、
使用状況は適切か、などをもとに判断されます。

では、転貸が許される場合、
転借人は、賃借人に賃料を払っていれば安心でしょうか。

答えはノーです。
もともとの賃貸借契約上、債務不履行があれば、
いかに転借人が債務不履行を起こしていなくても、
賃貸人は、賃貸借契約を解除することができ、
「親亀」の上に乗っているだけの「子亀」はその権利を失います。

転貸借契約は、テナントやオフィスなどでは、
よくあることですが、
転貸借契約を締結するときは、
もともとの契約上、転貸が禁止されていないか、
賃借人(転貸人)が信頼できるのか
(ちゃんと賃料を賃貸人に支払うか)などを、
しっかりと吟味しましょう。

2005年04月26日

手付金

JR福知山線の脱線事故は大惨事になり、
JRの安全管理責任を追及する声が高まってきました。

さて、今日は、手付金について。

手付金とは、契約成立の際に授受される金銭であり、通常、
代金の一部に充当されるものです。

手付金には、証約手付、解約手付、違約手付という3種類の
性質があります。

まず、契約成立の証拠として授受されるのが証約手付ですが、
それ単独の意味しか有しないものは希です。

むしろ、解約権の留保として授受される解約手付と併せて
利用されることが通常です。
すなわち、特段の合意等が内限り、手付は解約手付と推定され、
相手方が履行に着手するまでは、
手付金を受け取った側は手付金の倍額を返還することにより、
また、
手付金を支払った側は手付金を放棄して、
契約を解除することができます。
前者を手付倍返し、後者を手付流しと言っています。

違約手付とは、手付を支払った側に債務不履行があった場合に、
違約金として受領した手付を没収するものです。

手付が用いられる代表的なものとして、不動産売買契約があります。

なお、住宅ローンを利用して、自宅を購入するような場合は、
住宅ローン特約
(住宅ローンの審査が通らなかった場合は、白紙解約となる)が
付されているのが通常であり、そのような特約がある場合は、
住宅ローンが通らず、不動産を購入できない場合でも、
手付は戻ってきます。

手付と似て非なるものとして、「内金」があります。
内金は、単に、代金の一部を先払いするものにすぎず、
手付流し等による解除はできないのですが、
実際は「手付」と「内金」の区別は曖昧ですので、
契約時になされる「金銭の授受」が
どのような意味を有するのかを確認すべきです。

2005年04月25日

尼崎の列車事故

とてもひどい事故が発生してしまいました。
うちのS弁護士は、福知山線を利用しているため、
朝から、「先生は大丈夫ですか」という電話がたくさん
かかってきました。

たまたま朝一番で神戸方面の裁判所に事件が入っていたため、
いつもと違うルートを利用し、事故には遭わずに済んだの
ですが、まさにこの電車も利用することがあると、
後で聞き、改めて恐怖を感じました。

事故で安否を尋ねる電話をわざわざ掛けてもらえるような関係が
築けているのは、本当にすばらしいと思いました。

今日の夕方、Tさんが「ちょっと近くに来たので」と事務所をのぞいて
下さいました。ちょくちょく、いろんな方が訪ねて下さる
のですが、そうして気に掛けてもらえるコジマは、
本当に幸せ者だと感謝しています。

私なりにもっと人間性を高めていきたいし、
気持ちの上でも恩返しをしていきたいと思いました。

いつもありがとうございます。
今日は、とても日記風。たまにはこういう感じもいいでしょうか。

2005年04月24日

ショートケーキ

今日は、日曜出勤。
交渉相手との面談終了後、阪急百貨店B1の御影高杉で
ショートケーキを買っちゃいました。

20050424.jpg

生クリームが若干苦手なので、
ショートケーキってあまり手を出したことが
なかったのですが、数週間前の
日経新聞土曜版の
ショートケーキランキング1位だったので、
一度食べてみたかったんですよね。
ショートケーキって、
三角形のイメージですけど、
こちらは正方形です。

ボリューム満点で、苺と薄めの苺ジャムの甘さが
絶妙で、なかなかおしいかったです。

2005年04月23日

解雇のルール

突然ですが、納豆のはなし。
私は納豆が全然ダメだったのですが、司法修習生のときに入っていた
寮のごはん(お米)が、あまりおいしくなかったのがきっかけで
納豆に手を出すことになり、それ以来、
納豆を単独で(ご飯の上にのせることなく)食べるのが、
割と好きです(納豆巻きとかは未だに無理)。

たぶん、新製品だと思うのですが、
ミツカンの「金のつぶ」シリーズの「梅風味黒酢だれ」は
納豆独特の臭みもなくてとても食べやすいのでちょっとはまっています。
納豆好きの人はものたりないかもしれませんが、
初心者にはグッド!(これ、今日も買っちゃいました)。

今日は、労働問題です。

会社に意見したら急に解雇された人がいまして
自分で裁判をおこしたいとの事です。
簡単で良いのでどういった手続きをしたら良いか
教えてもらえませんか。

というお問い合わせ。

まず、何を求めるか、です。
つまり、解雇の無効を争い、
従業員としての地位の回復を求めるのか、それとも、
そんな職場は辞めてもいい、ということで、
(おそらく)未払いになっている解雇予告手当を求めるのか。

客観的に合理的な理由のない解雇は、解雇権の濫用と解され無効です。
労働契約を継続しがたいような
やむを得ない事由のあるときに認められる解雇を普通解雇といい、
労働能力に問題があったり、勤務態度が不良といった事由に基づいて、
解雇する場合がこれにあたります。
もっとも、一応のこれらに該当する事由があったとしても、
すぐに解雇の理由となるわけではありません。

判例でも、「普通解雇事由がある場合においても、
使用者は常に解雇しうるものではなく、
当該具体的な事情のもとにおいて、
解雇に処することが著しく不合理であり、
社会通念上相当なものとして是認することができないときには、
当該解雇の意思表示は、解雇権の濫用として無効」とされています。

解雇事由に当たるかどうか、主観的でなく客観的に判断できるのか、
ということですね。

労働者としては、労働基準監督署等に相談するなどして、
会社側の適正な対応を求めるべきでしょう。

会社がこれに応じないときは、地方裁判所に
「地位保全の仮処分」を申請します。
労働者としての地位を仮に保全することができるもので、
2か月あまりで、結論がでることが多いようです。
手続的には、仮処分の申請書を地方裁判所に提出、
その後、裁判所が双方の言い分を聞く、
最終的に、「仮処分の決定」をする。

これにより、仮に地位が回復します。
会社側が争うときは、本訴で最終的な判断が出ますが、
その期間は、仮処分の手続よりも長期(1年弱)となります。

他方、解雇理由の存在自体はあえて争わず、
金銭的な解決を問題とするならば、
適正な解雇手続に則って解決することになります。

使用者は、労働者を解雇する場合は、
原則として、少なくとも30日前に解雇の予告をするか、
30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません
(解雇予告手当)。

少なくとも解雇しようとする日の30日前に解雇日を特定すべきです。
30日前の予告であっても、
解雇日が不確定な予告や条件付の解雇予告は、
適法な解雇予告とはいえません。

解雇予告されてから解雇に至るまでの間は
これまでどおりの雇用契約関係が継続され、
労働者は通常の労務を提供し、
使用者はその分の賃金を支払うこととなります
(解雇予告手当なしなら、30日間です)。 続きを読む

2005年04月22日

いやがらせと傷害

SAYコミュニケーションズで主催している英語塾の講師を
お願いしてるダライラ先生とは、一応3ヶ月契約だったのですが、
めでたく続投して頂けることになりました(パチパチパチ!)

ダライラがクラスで、WOW!(ワァォウ)と言うのをまねしているうちに、
「そうなんや?!」の代わりに、つい「ワァォウ」と言ったりして。

さて、自治体の無料法律相談に行くと、
離婚や金銭問題もさることながら、近隣関係の相談も
結構多いです。
しかも、最近は、近隣の嫌がらせ被害に関する相談が増えている
という印象です。

ついこの間も、騒音により隣人が精神的にかなりの苦痛を生じた
ケースがあったようですが、
騒音により、ノイローゼ等精神的に支障が生じ、
ある程度治療が必要となる場合は、傷害罪が成立します。

傷害というと、まさに「キズ」をイメージするかも知れませんが、
たとえば、飲み物に下剤を入れて下痢をさせるとか、
湖に突き落として失神させるなどを含め、
「生理的機能の侵害」が傷害なのです。
PTSDも傷害として警察が取り扱うようになっています。

嫌がらせの態様はさまざまで、
目に見えるような形(汚物等を投げ入れる)だけでなく、
事実無根の悪口を言うとか、始終観察されているとか。

こういう場合は、警察に相談に行っても、
「うちでは無理だから弁護士さんのところに行って」と
言われるらしいです(泣)。
しかし、残念ながら身体に支障を来すような被害が出ない限りは、
なかなか法的な解決は難しいです。
ご近所さんの話は、弁護士が入ることで、一層もめるということも
あり得るので、弁護士としても慎重になります・・・。

2005年04月21日

個人情報の取扱(教育現場)

今日、友人から「無事子どもが生まれたよ」と連絡を
もらいました。少し前に、体調を崩していたので、とても
心配していましたが、本当にうれしかったです。

さて、今月1日から完全施行された個人情報保護法。
個人情報に関連しては、いろいろと問題がでてきているようです。

私は、大阪弁護士会の子どもの権利委員会に所属しているのですが、
子どもに関連して問題提起されているのが、
「卒業アルバム」「緊急連絡網」

卒業アルバムは、写真と名前がセットでのりますが、
何か事件が起これば、卒業アルバムからの写真が報道で
利用されることもあり、最近は、みなさんとても敏感になっています。
慎重にしようとすると、写真を撮る際に、
「アルバムに載せます」と同意をとることになりますし、
アルバム作成業者に渡すのは、第三者への提供にあたるとして、
その点に対する同意も必要になってきます。

さらに、連絡網を無断で作って良いのかという問題もあります。
学校が関与せず、作成をPTAに任せているところもあるというのですが、
管理者がいないため、むしろその方が無断使用に対する
規制が行き届かない可能性もでてきます。

アルバムに関して言えば、末尾の名簿等については、やはり
掲載の可否について保護者の判断を要すると考えますが、
主要部分である写真・名前については、ある程度同意があると
捉えるべきなのではないかと考えます。

また、緊急連絡網に関しても、非常時のものであるとの考え方から、
学校が主体となって取扱のルールを徹底した上で、
作成・交付すべきではないかと思います。
その情報に対する保護者の意識を高めることが重要のはずですから。

2005年04月20日

契約書作成の意義

小太郎は、玄関のチャイムがなる直前に
「誰かが来た」ことに気づいて、吠えて私に知らせるのですが、
今日は、ご飯(ドッグフード)を食べている途中で
気がついて、「ばふっ、わん、ばふっ、わん」と
かろうじて吠えていました。
吠えるのも、食べるのも、彼にとっては大事だったらしい。

今日は、契約書の意義について。

通常の契約は契約書がなくても、双方の合意によって成立します。
契約書は、契約内容について双方が合意したという事実を
証拠として残すためのものです。

つまり、当事者間で争いにならないようなことは、
契約書に盛り込まなくてもいいのです。
大事なのは、将来、問題になりそうなことをしっかりと
証拠化しておくことです。

先日の相談では、民法に照らせば、数百万円の金銭の支払いを
しなければならないところ、契約書に支払わなくてもよいと
記載していたことから、「助かった」といえる事案でした。

もちろん、先方が契約書の効力を争ってくる可能性はありますが、
少なくとも、法律上当然に「支払うべき」とはされず、
こちらも十分争えることとなります。

相談者である顧問先の担当者さんは、
「前に、(小島から)大事なことはしっかりと記載しておくようにと
言われたので、いろいろ考えて入れておいたんです」とのこと。
うれしい一言でした。

たびたび、契約書についてお話しするのですが、
常に、「何が争いになるのか」を意識して、契約書をチェックする
ことが必要だといえるでしょう。

2005年04月19日

イベント成功のカギ

今日開催のSAYコミュニケーションズのセミナーでは、
イベント企画会社社長にお話をお聞きしました。

イベントは、A-I-D-M-Aを考えるということでした。
AはAttention (注意)
IはInterest (興味)
DはDesire (欲求)
MはMemory (記憶)
AはAction (行動)

なるほど。

感覚的に訴えること(鰻ならば「におい」を、
ステーキなら「ジューッ」という音をいかに伝えるか)も重要。

失敗したイベントはどれも「独りよがり」が原因だとも
おっしゃっていました。
新しい企画などを立ち上げるために、
日頃から、情報を集めて引き出しにストックしておくこと、
(もちろん、どの引き出しにしまってあるかは、記憶しておかなければ
なりませんが)

そして、新鮮な感覚を生むために、
1 人に会う
2 本を読む
3 旅に出る
ことが重要だそうです。

3は、なかなか難しいけれど(我が家には小太郎くんがいるので)、
1,2はこれからも実践していきたいです。

2005年04月18日

冒頭陳述

今日は、10時30分に奈良地裁で事件が入っていました。
奈良女児誘拐殺人事件の開廷から30分遅れ。
奈良地裁は改築中で、現在はプレハブ庁舎なのですが、
その玄関の前には、多数のカメラマンがいました。
30分ずれててよかったです~。
法廷がすごく小さいので、入れない報道記者もたっぷり廊下に
並んでいました。

奈良地裁のまわりは、鹿がたくさんいるのですが、
鹿もさぞかしびっくりしたことでしょう。
(嘘みたいですけど、フツーにたくさん鹿がいるんですよ)

刑事事件で、「検察官の冒頭陳述」とよく耳にすると思います。

冒頭陳述とは、警察官が証拠により立証しようとする事実を
述べるものです。
証拠調べの前に、検察官が事件の概要を述べて、
証拠によって証明すべき事実を明らかにすることです。
これにより、検察官の組み立てるストーリーが明らかとなり、
審理の対象が明確になります。

被告人の身上経歴、動機、犯行に至る経緯、
犯行態様、情状などが述べられますが、
特に犯行に至る経緯や犯行態様などは、短編小説のように
具体的に述べられることも多いのではないでしょうか。

検察官の冒頭陳述がなされたのち、
被告人側からの冒頭陳述がなされる場合もあります(ごく少数です)。

2005年04月17日

賃料の滞納

今日もよいお天気でしたね。
近所にしだれ桜があり、ほかの桜より1週間ほど
見頃が遅いので、今週末が満開でした。
散歩帰りの小太郎も大満足。

20050417.jpg

さて、家主さんたちを悩ます、賃料滞納住人。
私たちのところへは、
だいたい10か月くらいたまってから、
ご相談にみえることが多いです。

通常、賃貸借契約書には、2か月程度の滞納が、
「解除事由」とされていますが、
賃貸借契約は、生活や事業の基盤であることから、
判例上は、特段の事情がない限り、
3か月程度の滞納がないと、賃貸借契約の
解除が認められません。

10か月も滞納していれば、賃貸借契約の解除は認められますが、
果たして、滞納賃料は支払ってもらえるでしょうか。

結論を申し上げますと、それは非常に困難です。
理由は、「払うお金がないから」。
残念ながら、開き直りの世界です。

しかし、ここでさらなる問題は、賃料を払わないにもかかわらず、
出て行かない人が非常に多いと言うこと。
強制的に荷物を放り出すこともできないので、
裁判→勝訴判決→強制執行、という手続を経なければなりません。
かなりの費用がかかります。

したがって、どうせ賃料を支払ってもらえないなら、
せめて、スムーズに出て行ってもらわなければなりません。
たとえば、ある時期に、
どうしてもその賃借人に出て行ってもらう必要がある場合は、
早急に契約解除の通知を行うとともに、滞納賃料の支払催告を
内容証明郵便等により行わなければなりません
(通知をしたという証拠が残るよう)。
そして、明渡交渉の過程では明渡時期をきっちりと決めること。

場合によっては、明け渡せば、賃料を相当額免除してあげるなどの、
措置を講じることもあります。
→このような特例措置(家主さんだけが一方的に妥協する)は、
あくまで、賃料を払わないし、明け渡しもしないような
住人に対する処置です。

賃料を支払うというのは、賃借人の義務ですが、
賃料の滞納が重なるとかなりの金額となり、
賃借人としても一括で支払うことができなくなり、
さらに滞納してしまう、という悪循環でもあります。
したがって、家主さんとしては、賃料の滞納が重ならないよう、
適宜、請求を行うことにより、その義務の履行を促しておくべきでしょう。

残念ながら、権利者側もただ、支払を待っているだけでは、
回収が難しい世の中になっているのかもしれません。


2005年04月16日

偽造キャッシュカード被害

今、個人のホームページ立ち上げを準備しています。
伝えたいことを改めて考えるのがこれほど難しいとは・・・

さて、今日は、
キャッシュカード偽造による不正払戻の事案について。

今のキャッシュカードは、カード自体には暗証番号などの
情報は入っていないので、
何らかの手段で暗証番号を入手しなければ、
払戻はできません。
(10数年前のものは、カード自体に情報が入っているようです。
年代物のカードを残している方は、念のためご注意下さい)

少し前、ゴルフ場で暗証番号が盗まれていたという事実が
発覚しましたね。
ゴルフ場には貴重品ボックスがあり、暗証番号がキー代わりです。
私の少ない経験の中でも、4桁ばかりです。
というわけで、ボックスの暗証番号をキャッシュカードの
暗証番号と同じにしている人が多いところに、
ゴルフ場の関係者が目をつけたようです。

まず、暗証番号を入力するキーボード付近に
小型カメラを取り付けるなどして、暗証番号を盗み見る。
客がゴルフをしている間に、暗証番号と利用してボックスを開け、
キャッシュカードを盗み出す。
そのカードに入っている情報を生カードにインプットした上で、
キャッシュカードは元に戻す。
その生カード(偽造カード)と盗み見た暗証番号とで
ATMで払戻を行う。

こういうことを考える頭脳にははっきり言って感心ですね。

そのほかに、暗証番号を入手する方法としては、
銀行のATM端末から発信される情報を傍受して
暗証番号と入手する、コンビニのATMで後ろから覗き込む
といったことがあるようです。

これまで、このような偽造カードを用いた払い戻しについて、
銀行は補償してきませんでした。
しかし、このままでは預金保護に対する不安が広がりかねない
ことから、偽造カード事案については、補償する方向を
打ち出しています。

そもそも、銀行の預金約款では、
通帳による払い戻しについては、通帳+印鑑
ATMでは、カード+暗証番号で払い戻したものについては、
たとえ、払い戻しした人物が払い戻し権限のない人物であっても、
支払は有効とされています(銀行は免責される)。

今回、銀行はその約款の見直しをしようとしています。
しかし、ピッキング盗などによる被害については、
通帳・カードとも含まない方針です。
現在は、国会議員が盗難カード事案についても、
補償の対象とする議員立法を模索しています。
いずれも、盗難通帳による被害は除外される見通しです。
しかし、被害件数・被害金額からすると、平成11年以後に多発した
圧倒的に盗難通帳による被害の方が格段に大きく、
それを放置し続けたという点からすると、
抜本的対策は遅きに失した感があります。

被害事例に見る教訓としては、
◇平成13年ころまで用いられていた副印鑑
(通帳を開いた箇所に押してある銀行印)によって、
偽造印が作られることから、副印鑑をはがす、などの処置をする。
◇郵便貯金に関しては、偽造を困難にするシールを
用意しているので、その処置をする。
◇キャッシュカードについては、
保険証や免許証等、生年月日などの個人情報が記載されたものと
一緒に保管されていることが多いので、
暗証番号に生年月日、車のナンバー、電話番号等は
用いない。

といったところでしょうか。
ご注意下さい。

2005年04月14日

ビデオリンク方式

今日は、甲子園の阪神-巨人戦に連れて行ってもらいました。
20台前半まで、かなりのトラキチ(死語?)だった私。

今日、球場に着いたときには1-5で、
その後、清原選手・小久保選手のアベックホームラン(死語?)が出て、
がっくりです。
上原投手に完敗でした。
せっかく「勝つ」サンド買っていったのに。

さて、今日最高裁判決で、
合憲のお墨付きが出た「ビデオリンク」について。

ビデオリンク方式とは、
多くは、性犯罪の刑事事件において、被害者女性等の証人尋問が
必要となった場合、被害者は被告人のいる法廷とは別室で、
モニター画面を通じて、尋問を受ける方式を指します。
被害者が証言に立つことによって二次被害を受けないよう、
配慮する規定で、平成13年に導入されました。

この画像が映し出されるモニターと被告人及び傍聴人との間に
ついたてが置かれる「遮へい措置」も併用されることが
多いです。

ビデオリンク方式については、
被告人に十分な証人尋問の機会が与えられない、あるいは、
憲法に定められた「裁判の公開」に反するとして、
その合憲性が争われていましたが、
最高裁は、その合憲性を認めました。

新聞によれば、昨年末までに542人がビデオリンク方式により
証言したということです。

私自身は、このビデオリンク方式を利用した裁判を経験したことは
ないですが、モニターは裁判官の手元でズームなどもでき、
法廷で行われる証人尋問で窺える表情の変化なども、
ほぼ感じ取れると聞いています。

かつては、裁判での二次被害の不安もあって、
被害申告(告訴)できなかった被害者もたくさんおられました。
それをできる限り軽減させるという意義は大きいと思います。

ただ、性犯罪が増えているように思われることが、深刻ですね。

2005年04月13日

仮差押と仮処分

今日は、お昼に某所でプチ講演をしました。
テーマは、弁護士の賢い使い方。
講演の前に、弁護士会の人口分布を調べて、改めてびっくりしたのは、
約21,000人の弁護士のうち、10,000人以上が東京にいることです。
ちなみに大阪は、2,800人あまりでした。

さて、債権回収方法について、少し。
例えば、取引先が売掛金を支払わない場合、
裁判により、勝訴の判決をとっても、
それ以前に取引先が財産を処分してしまい、手元に財産がなくなれば、
債権の回収ができず、裁判が無駄になってしまいます。
そこで、債務者(取引先)が財産を保有しているのが分かれば、
その財産処分を防止し、財産を確保しておく必要があります。
その手続を保全処分といいます。

保全処分には、仮差押と仮処分があります。

仮差押は、金銭債権(売掛金等)の回収を目的とするもので、
将来勝訴判決をとったときに、強制執行の対象となる財産を
確保するための手続です。
仮差押の対象となるのは、不動産や取引先が「他社」に対して有する
売掛債権などで、例えば、売掛債権の場合は、「他社」に対して、
「取引先に支払ってはならない」旨の命令が出ることになります。
その命令を受けた「他社」は、取引先に支払うことはできないので、
供託という手続をとることが多いです。

これに対し、仮処分とは、売掛金などの金銭債権以外の債権の執行を
保全するものです。
例えば、「不動産の登記を移転してもらう権利」を有しているが、
売主がこれに協力しないので、裁判で登記の移転を求めたいといった場合、
仮に売主がその不動産が勝手に他に売却して、
第三者の登記名義に移転されてしまうと、
たとえ、裁判で「不動産の登記を移転してもらう権利」が
認められたとしても、それを実現することはできなくなります。
そこで、この場合は、「不動産の処分禁止の仮処分」を申請する
ことになります。

ライブドアvsフジテレビの争いの中で、ライブドアが
「新株予約権発行差し止めの仮処分」を申請し、
これが認められましたが、これも仮処分の一種です。
ストーカーに対する接近禁止等の仮処分も同じく。
仮処分は、「金銭債権以外の債権」の執行保全を目的とするため、
仮差押に比べ、非常にバリエーションのあるものです。

2005年04月12日

連帯保証人

今日は、冷たい雨の一日でした。

自治体などに出向いて行う法律相談で、1件は出てくるのが、
保証人の問題。

保証には、単なる保証と連帯保証がありますが、
その大きな違いは、連帯保証の場合には、
「まず、主債務者に催告して下さい」
「まず、主債務者の財産から回収して下さい」という
主張ができないことです。
つまり、連帯保証人は、主たる債務者と同等の責任を
負うことになるのです。

一般的に債務の担保として用いられるのは、連帯保証です。

このように連帯保証人は非常に重い責任を負いますが、
その責任が現実化するのは、主たる債務者に支払能力が
なくなったときです。
主たる債務者は、「月々いくら」で行っていた弁済が遅滞し、
債権者から一括払いの請求を受けるに至ります。
そして、連帯保証人に対し突然、一括払いの請求がくるわけです。

連帯保証人には、まさに青天の霹靂です。
連帯保証人になったことすら忘れている人もいます。
「わたし、連帯保証などした記憶はありません」と言いつつ、
契約書を見ると、自筆で署名され、実印も押してあるなどという
ことがよくあります。

連帯保証人になって欲しいと依頼する側(主債務者)は、
連帯保証人を窮地に陥らせることのないよう覚悟が必要です。
返済の見込みがほとんどないにもかかわらず、
連帯保証を依頼して借り入れをするということは
連帯保証人に対する裏切り行為であることを肝に銘じるべきです。
それ以上行くと、完全な破綻に至ります。
依頼を受ける側も、きっぱりと断る勇気が必要で、その言葉が、
主たる債務者の完全な破綻を防ぐことにもなると思います。

ちなみに、私は小さい頃から、
「人にお金を貸すときは、あげたものと思いなさい」
「絶対に人の保証人になってはならない」と
教えられてきました(私はこれを家訓と言っています)
・・・随分、裏切られた経験があるのでしょうね(涙)

2005年04月11日

下請法(親事業者の禁止事項)

今度は千葉で地震です。
日本のあちこちで、地震が頻発していますね。
我が家では、ペットボトルの水だけは常にストックしています。
地震のたびに、
いらないスニーカーを持ってきて、事務所に「おき靴」をしようと
思うのですが、すぐに忘れてしまいます。

さて、下請法の続きです。
(ちなみに、「おやじぎょうしゃ」と打つと、
まずは「親父」業者と出て、おかしいです)

親事業者は、下請事業者の利益を不当に害する行為を
してはなりません。
法は具体的に規定しており、

◇受領拒否の禁止
下請業者に責任がないにもかかわらず、注文した物品等の
受領を拒んではならない。

◇下請代金の減額の禁止
下請業者に責任がないにもかかわらず、あらかじめ定めた
下請代金を減額してはならない。

◇返品の禁止
下請事業者に責任がないにもかかわらず、受け取ったものを
返品してはならない。

◇買いたたきの禁止
類似品等の価格あるいは市価に比べて、著しく低い
下請代金を不当に定めてはならない。

◇購入・利用強制の禁止
指定の物品や役務を強制的に購入させてはならない。

◇不当な経済上の利益提供要請の禁止
下請事業者から不当に金銭・役務の提供をさせては
ならない。

◇不当な給付内容の変更・不当なやり直しの禁止
下請事業者に責任がないにもかかわらず、費用を負担することなく、
不当に注文内容を変更しまたは受領後にやり直しをさせては
ならない。

◇割引困難な手形交付の禁止
下請事業者に一般の金融機関で割引を受けることが
困難な手形を渡してはならない。

◇原材料等の早期決済の禁止
下請事業者が給付するために必要な原材料等を、
親事業者が有償で支給している場合、
下請事業者に責任がないにもかかわらず、
この有償で支給した原材料等の対価を、下請代金の決済よりも
早期に相殺したり、支払わせたりしてはならない。

◇報復措置の禁止
下請法違反を公正取引委員会等に知らせたことを理由として、
その下請事業者に対して取引数量の削減・取引停止等の
不利益な取扱いをしてはならない。

親事業者に禁止される項目は以上の通りです。

そして、下請法に違反する親事業者には、
公正取引委員会から勧告措置がなされるほか、
罰則も用意されています。

【罰則】
書面の交付義務、書類の作成・保存義務に違反したときは、
50万円以下の罰金

仮に、下請法違反の実態があったとしても、
下請事業者から指摘していくのは困難とも思われます。
下請法の適用対象になる取引分野ごとに問題点が異なりますが、
いずれの分野でも、
親事業者自身のコンプライアンス意識が試されることになるのでは
ないでしょうか。

2005年04月10日

下請法(対象と義務)

今日は、今年一番の暖かさだったようです。

小太郎の狂犬病の注射のため、獣医さんを訪ねました。
(狂犬病の注射はこの時期に自治体から案内がくるようです)

2年ほど前まで、私の自宅近くで勤務していたのですが、
隣の市で独立されました。
小太郎が我が家に来た数日後に、初めて訪ねて以来
診てもらっていたので、少し遠くでも、わざわざ行ってしまうんです。
とても親身なので、安心できるからでしょうか。
今日もいろいろ相談できてよかったです。

さて、先日相談のあった、下請関係のルールについて。

下請事業者を保護する法律として、「下請法」があります。
正式には、下請代金支払遅延等防止法です。

下請法は、親事業者が優越的な地位を利用して、
下請事業者の利益を害することを防止しようとするものです。

下請法の規制を受ける業種は、
もともと、製造業だけでしたが、改正により、
ソフト作成分野及びサービス分野にも広がりました。
すなわち、物品等の製造・修理を委託する取引、情報成果物
(ゲームソフトのプログラム、広告制作等)の作成委託、
役務委託(運送業務の委託等)の取引が該当します。

ただし、下請法は、親事業者がその優越的地位を濫用することを
防止しようとするものなので、そのような関係になりうる場合のみを
規制の対象とし、資本金により、法律の適否を区分しています。

【下請法の適用のある取引関係】
◇物品の製造・修理委託及び情報成果物作成委託・役務提供委託
(プログラム作成、運送、物品の倉庫における保管
及び情報処理に係るもの)の場合
親事業者の資本金が3億円超の場合-
      下請事業者は資本金3億円以下(個人を含む) 
親事業者の資本金が1千万円超3億円以下-
      下請事業者は資本金1千万円以下(個人を含む)

◇上記以外の情報成果物作成・役務提供委託の場合
親事業者の資本金が5千万円超-
      下請事業者は資本金5千万円以下(個人を含む)
親事業者の資本金が1千万円超5千万円以下-
      下請事業者は資本金1千万円以下(個人を含む)

以上のような取引関係にあたる場合、
親事業者には次のような義務が課されます。

◇書面交付義務
発注の際、給付の内容、給付の受領場所、支払代金、支払期日等
を記載した書面を直ちに交付しなければならない。

◇書類の保存義務
製造委託、修理委託、情報成果物作成委託
又は役務提供委託をした場合は、
給付の内容、下請代金の額等について記載した書類を作成し、
これを2年間保存しなければならない。

◇支払期日の定め
物品等を受領した日
(役務提供委託の場合は、下請事業者が役務の提供をした日)
から起算して60日以内のできる限り短い期間内において、
下請事業者との合意の下に
下請代金を支払う期日を定めること。

◇遅延利息の支払い
下請代金の支払いが遅延した場合、給付を受領した日から起算して
60日を経過した日からその日数に応じて年14.6%の遅延利息を
支払うこと。

これらの義務のほか、親事業者は下請業者の利益を
不当に害する行為をしてはならないとされています。
それら親事業者の禁止事項については、また改めて。

2005年04月09日

お花見

今日は本当によいお天気でした。
私は、家ではFM802を聞いていることが多いのですが、
ラジオから「花見」「さくら」という言葉が
何度も流れてくるので、何となく焦って(笑)、
近くの公園や河川沿いにお花見に出かけましたが、
どこもすごい人。

残念ながら、ゆっくり桜を楽しむという感じではなかったです。
結局、桜を眺めながら小太郎の散歩をして
帰ってきました。

20050409.jpg

お花見に犬連れの人も多かったです。

SAYコミュニケーションズで主催している
英語塾の前回のテーマは
「ペット産業の発展(特に旅行業界)」
(traveling pet)だったんですが、
日本もアメリカも同じように
ペット産業が伸びているようです。
確かに昔は、「家族の旅行中は犬は家でお留守番」
だったのに、今はどこへ行くのも一緒ですもんね。

2005年04月08日

独禁法(不当廉売)

日中はさわやかなお天気でした。
明日はお花見日和のようで・・・

さて、今日は、独占禁止法について少し・・・

独占禁止法は、公正かつ自由な競争を維持・促進する目的で
企業活動の規律を定めています。

独占禁止法は、
私的独占(企業支配)、カルテル(例えば入札談合)のほか、
不公正な取引方法として具体的な取引態様を禁止しています。

その「不公正な取引方法」の中の不当廉売が問題になりました。

不当廉売とは、
正当な理由がないのに、商品又は役務を、
その供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給し、
その他不当に商品又は役務を低い対価で供給し、
他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれのあること、と
定義されています。

企業が商品を不当に安い価格である程度継続して販売し、
競争企業等の事業活動を困難にさせる行為を指します。

具体的には、廉売の態様、競争への影響、正当な理由
の三つの観点から捉えます。

◇廉売の態様
不当に低い対価に当たる場合。
市場価格を下回り、かつ、原価を下回る価格であるかどうか
が目安となります。

◇競争への影響
廉売によって、他の事業者の事業活動を困難に
させるおそれがあること

◇正当な理由
不当廉売に正当な理由があるかどうか。
例えば生鮮食料品や季節商品の見切り販売、傷物の廉売は
不当廉売にあたりません。

安ければ安いほど消費者にとっては良いとも思われるのですが、
独占禁止法は、
事業者が創意工夫により良質・廉価な商品を供給しようとする
努力を助長することにより、消費者の利益に沿うことを
目的としているわけです。

なお、不当廉売規制の目的はあくまで公正な競争秩序を維持すること
であって、良質・廉価な商品を供給し得ない、企業の効率性に
おいて劣る事業者を保護するものではありません。

2005年04月07日

原状回復

今日は、蒸し暑い一日でした。
イチロー選手は、やっぱりすごいですね!

さて、住居やテナントを退去するときには、原状回復の問題が
発生します。
あらかじめ差し入れている敷金から、退去時に差し引かれる
敷引きを超えて、「原状回復」のための費用が
請求されることがあります。

では、そもそも「原状回復」とはどのような状態を指すのでしょうか?

賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、
賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、
その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を
復旧することであり、
もともとの状態を復元することとは異なります。

原状回復に関するトラブルが多発したため、
国土交通省は、原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
という冊子を発行しています。

これは、賃貸借契約締結時において、契約内容のあるべき姿を
解説したもので、すでに契約済みのものについて、原状回復の
定めの有効・無効を決するものではありません。
すなわち、
賃貸借契約も契約である以上、当事者が合意した契約内容
(契約書の内容)に従って処理するのが原則です。
ただ、契約書に、クロスの張り替え費用、建具の取り替え費用を
何の限定もなく、一切借主負担とすると規定されているときなどは、
ガイドラインを参考に協議することもあり得るでしょう。

たとえば、クロスの張り替え費用について考えてみますと、
喫煙可の条件で借りていたのに
「タバコのヤニでクロスが汚れたので、張り替え費用を請求する」
というのは認められない場合が出てくると思われます。

なお、ガイドラインは一般の民間住宅を念頭においています。
テナントの賃貸借については、当事者が合意した契約内容に従って
処理されるのが大原則ですから、契約締結時に、しっかりと
契約内容を確認し、不利な条項については、締結前に
見直しのための協議を行うべきでしょう。

他方、大家さん側においても、借家人に対して、
無理な原状回復請求をせずに済むよう、
敷引きの定め方を検討するなど、ガイドラインを参考にした
見直しが必要かも知れません。

損害賠償請求

今日、メンバーとなっている、
大阪府内某市の児童虐待防止ネットワーク会議に
参加しました。

これまで主に児童相談所で扱ってきた
家庭や児童に関する相談業務が
4月1日から、市町村の業務ともされたため、
そのシステムの検討が主な議題でした。

今日は、児童虐待に関するリーフレットが配布されました。
児童虐待の意味や相談先の電話番号が印刷された
三つ折りのものでしたが、隅っこに、
「この印刷物は8,000部印刷し、1部あたり15.08円です」
といった感じのことが印刷されていました。
行政の印刷物ではもう常識なのかどうかはわかりませんが、
私はなんだか急にこのリーフレットが貴重なものに感じました。

さて、今日は損害賠償請求の金額の決まり方について少し。

損害賠償の対象となるのは、積極的損害、消極的損害の
2種類に大別されます。

積極的損害は、現実に実損として生じているもの、
消極的損害は、損害を生じさせた行為により得られなかった利益
を指します。

つまり、事故で重傷を負い、後遺症が生じた場合、
治療費は積極的損害、
将来にわたって労働能力が低下して、得られるべきであった収入が
得られないという逸失利益は、消極的損害です。

交通事故に関しては、件数も多く、これまでの裁判等の蓄積から
作成された損害賠償算定基準に従って、解決されることが多いです。
このような処理が適切かどうかは非常に争いのあるところですが、
この基準を大きく上回るような判決は得られにくいのが現状です。

しかし、こういった事故の場面だけでなく、
企業が不法行為により損害を被るということも、もちろん生じます。
企業に生じた実損はともかく、
消極的損害については、算定や立証が非常に難しいです。

例えば、「あの店はつぶれるらしい」という噂を悪意で流された
場合、これにより売り上げが減少したとして、減少分の
損害賠償請求をしたいとしましょう。
そういう噂がなかった場合に比べて、売り上げがどれだけ
下がったかを正確に算定することは不可能と言えます。
昨年同期の売り上げと比較して下がっているといっても、
この噂によるものなのか、単に不振によるものなのか、
判断はつかないことも多いです。

弁護士としては、損害賠償請求の訴訟において、
いかにこの損害を立証していくかが課題になります。

2005年04月06日

押印は慎重に

おやしらずの痛みに耐えながらの一日でした。
というわけで、今日も噛まなくて済むように
プリンを買ってしまいました。
今日は、アルションの黒豆きなこプリン!
しばらく、プリンにはまって、楽しい治療生活を
目指します。

さて、私が月1ペースで法律相談を担当している
「あきない・えーど」でも多いのですが、
「この契約書って、印鑑が押してないので、
契約は成立していないですよね」、あるいは、
「実印でないと契約は成立しないのでは」というご相談。
しかし、契約自体は、基本的に意思と意思の合致で成立します。
よって、大半の契約は、契約書に押印がなくても、さらに、
契約書自体が存在しなくても、成立してしまいます。

ここで、少し「印」の話を。

イマドキは、100円ショップでも手軽に印鑑が購入できます。
しかし、いったん裁判になれば、
契約書に真正な印鑑が押してあるだけで、
真正な文書と推定されることになります。
もちろん、三文判でも同じです。
昔ながらの、印鑑=本人の確認、
という観念が残っているわけです。

証拠がすべてである裁判においては、契約書などの
客観的な証拠が重視されます。

契約書には、押印してもらうことを忘れずに・・・
契約書に押印するときは、
本当にその文書に押印して良いかどうかをもう一度確認して・・・

2005年04月05日

有限会社はどうなる?

今朝、おやしらずを抜きました。
「心の準備はしてきてもらいました?」って緊張を増長するような
こと言わないで~先生。

ちなみに、「痛かったら左手を挙げて下さいね」と言われたので、
3回ほどあげてしまいました。
これって、どのくらい痛かったら挙げていいものなのでしょう?

おやしらずってこんなに大きいの?というくらい大きくて、
「これくらいあれば、たぶん腫れると思います」ということでした。
今のところ、まだ腫れは出ていませんが、噛むことができません。
噛むと、うっすら涙が出るくらい痛いです。
なので、お昼はモロゾフのプリン、晩はお豆腐しか食べていません。
食べると言うより、飲み込むといった感じ・・・。
復活したら、おいしいもん、いっぱい食べたいです(泣)。

さて、最近よく「有限会社ってなくなるのですか」と質問を受けます。

今国会で通過見込みの「会社法」(平成18年4月1日施行予定)では、
有限会社が廃止され、株式会社に一本化されます。
施行以後は、有限会社を設立することはできません。

もっとも、現行法の下で設立された有限会社は、
新法施行後も、現行の有限会社法の下で、
有限会社として存続できますし、株式会社にすることもできます。

なお、株式会社についても、最低資本金制度がなくなり、
「1円会社」が恒久的なものとなります。
また、機関構成の選択の幅が広がり、小規模な会社については、
取締役会を設置しないことも認められます(取締役は1人でもよい)。

家族経営の会社などでは、これにより、
形式的に親族を取締役に引き入れたりする必要はなくなります。

また、これまで2年だった取締役の任期も、10年以内とされますが、
家族経営以外の会社では、10年というと
やはり長すぎる感じがしますね。
定款で、より短期に定めるところが多いのではないでしょうか。

これからは、「定款」で会社独自のルール作りがより柔軟に
できるようになります。
そのあたりは、またお話ししたいと思います。

2005年04月04日

競業避止特約

今朝は、少し冷えましたね。
桜が楽しめるまで、あと一歩という感じです。

さて、最近の起業ブームも相まって、
社内で積んだキャリアを糧に、独立する場合に関連する
問題です。

せっかく確立したノウハウを持って独立されたら、
たまったものではない、ということで、
従業員との間に競業避止特約を盛り込んでいる会社も多いでしょう。
この競業避止特約に関しては、たくさんの裁判例があります。

在職中は基本的に有効とされていますが、
退職後は、職務専念義務もないため、原則として無効とされる場合が<