TOPページ » 2005年 5月

2005年 5月

2005.05.31

特許権者は、
業として、特許権を実施する権利を
専有する
と規定されています。
「業として」なので、
例えば、特許権として登録されている発明を
家庭で個人的に利用しても、
特許権侵害にはなりません。
「特許権を実施する」の意義は、
発明ごとに異なります。
物を発明したと言う場合は、
その物の生産や使用、譲渡、賃貸が、
方法の発明の場合は、
その方法を使用する行為を指します。
「専有」するとは、
「業として特許発明の実施をする」という権利を
独占し、他者の実施行為を禁止することができる
ことを指します。
「専有」は、
特許権者が、第三者に対し、
「専用実施権」を設定した場合には失われ、
専用実施権者から許しを得ない限り、
特許権者自身も、特許発明を実施できないことになります。

2005.05.30

特許権の権利の主体は、
発明者、または、
発明者から特許を受ける権利を承継した者
です。
発明者は、自然人(人)に限られます。
特許を受ける権利を共有する場合は、
全員が共同で出願することになります。
では、従業者が発明をした場合は、
どうなるのでしょうか。
従業者の発明は、職務発明とそれ以外のものに
分かれます。
職務発明は、
従業者の発明であること、
使用者の業務範囲に属する発明であること、
従業者の現在または過去の職務に属する発明であること
を要件とします。
職務発明とされる場合、
使用者等は、法律上当然に、通常実施権を
取得します。
つまり、必ずしも独占はできないが、
法律上当然に
その発明を利用して、生産等ができることになります。
さらに、従業者との間で、
事前または事後に特許権の承継について
取り決めをしている場合は、
特許を受ける権利自体の承継を受けることができます。
多くの場合、職務発明規定に基づいて、
使用者は特許を受ける権利の承継を受けています。
もっとも、これは無償(タダ)とはいきません。
従業者が職務発明についての特許を受ける権利を
使用者に承継した場合は、
従業者は、相当な対価の支払いを受ける権利を有します。
この「相当な対価」の算定を客観的に行うのは難しく、
近時、裁判になるケースが増えているのですね。

2005.05.29

同一の発明については、
先に発明した人ではなく、
先に出願した人が特許を取得できる
という制度を「先願主義」といい、
特許法は、先願主義を採用しています。
ただし、これは、お互い独立して発明した場合の
優先関係を決めるものであって、
発明した人から、発明を盗んで出願した者は、
権利を取得できません(特許詐欺)。
その優先順位は、「日」により決せられるので、
万一、同じ日に出願した場合は、
両者で協議の上、どちらが権利取得できるかを
決することになります。
これが決まらなければ、
両者とも出願が拒否されます。

2005.05.28

両親と血のつながりがないことが判明し、
46年前の東京都立の産院での取り違えを理由に、
都に対して、損害賠償請求を求めた訴訟の
判決がありました。
東京地裁は、
新生児の取り違えを認定しましたが、
損害賠償請求については、
不法行為があった時から20年以上が経過したため、
除斥期間により請求権が消滅している
として棄却しました。
「除斥期間」とは、
いわば、権利が失権する期間のことで、
その当時、権利が存在していても、
その後一定期間を経過することにより、
権利の行使が認められなくなることです。
この制度は、ある一定期間の経過により、
法律関係を確定させようとするものです。
消滅時効に似ていますが、
援用や時効の中断が認められない点で、
大きく異なります。
本件のような民法上の不法行為については、
損害及び加害者を知った時から
三年間行使しないときは、時効によって消滅する。
不法行為の時から二十年を経過したとき(除斥期間)も、
消滅する。
とされています(民法724条)。
したがって、
ある不法行為が存在したことを、
随分あとになって知ったとしても、
20年を経過したとして、損害賠償請求が認められない
と認定されうることになります。
この「除斥期間」は
公害訴訟等でもよく争点になっていますね。

2005.05.27

特許として保護されるものは、「発明」
でなければなりません。
特許法によれば、
発明とは、
自然法則を利用した技術的思想の創作のうち、
高度のもの
と定義されています。
ここに出てくる自然法則とは、
自然界の原理原則を指し、
人工的なルールはこれに含まれません。
また、自然法則自体は、発明ではないので、
その発見は発明ではありません。
(ある物質とある物質とを混ぜると、□□□が発生する、
というのは、発明ではなく、
それを利用するとこんないいことが起こる、
というのが発明です。)
次に、発明は、考え方(思想)であって、
物そのものではありません(「技術的思想」)。
さらに、それが「創作」といえるもの、
つまり、以前にはなかったものであることが必要です。
このような「発明」であっても、
特許がとれるためには、さらなる要件を満たす必要があります。
すなわち、
産業上の利用可能性があること
新規性があること
進歩性があること
が必要です。
産業上の利用可能性について、
最近は、ビジネスモデル特許など、
これまでの農業・工業的分野のほか、
金融業界等にも特許の利用が拡がりました。
新規性とは、
公知のものでないこと
進歩性とは、
出願当時、
その分野の技術者をもってしても、
容易に考えつくことのできないものであること
を指します。
このようなものだからこそ、
特許には、発明者に独占権を与えるという
強い権利性を有することになるのです。

2005.05.26

今日は、弁護士5人で担当している訴訟の
証人尋問でした。
今日の争点は医療過誤の分野で、
4時間近くにわたり、医師の証人尋問がありました。
弁護士がチームを組んで取り組む場合、
弁護団と言ったりします。
それぞれが、意見を言ったり、もらったりしながら、
よりよい結果を目指そうというものです。
単独でなく、チームを組む場合のデメリットは、
ともすれば
他人任せで、無責任になるおそれがある、
ということでしょう。
しかし、私は、この弁護団から、
得られたものが、とても多いです。
今日も、尋問の仕方、まとめかたなど、
とても勉強になりました。
これで、最後に勝訴すれば、最高なんですけど。

2005.05.26

知的財産権は、おおむね、
特許権、実用新案権、意匠権、商標権、
著作権、不正競争に対する保護
を指すとされています。
上段の4つは、特許庁の行政処分による発生するものであり、
工業所有権と称されることもあります。
それぞれに特別法が存在し、
特許法は、
産業上利用できる「発明」を保護するもの
実用新案法は、
発明よりもレベルの低いとされる「考案」を保護するもの
意匠法は、
工業的「デザイン」を保護するもの
商標法は、
商品やサービスの出所を識別する機能を果たす
「商標」を保護するもの
著作権法は、
文化的創作活動により生み出された「表現」を保護するものです。
そして、不正競争防止法は、
各法律の隙間を保護しようとするものです。
国は、2002年に「知的財産戦略大綱」を策定し、
知的財産をもとに、製品やサービスの高付加価値化をすすめ、
経済・社会の活性化を図るという
「知財立国」を目指すとしました。
具体的には、
知的財産の創造・保護・活用・人的基盤の整備を行う
というもので、
その「保護」の一つが、
知的財産権に関する訴訟を専門的に扱う、
知財高裁の創設(東京、大阪)でした。
これから引き続き、知的財産権のポイントなどを
研究してみたいと思います。

2005.05.25

今日は東京出張。
月1~2ペースになっていて、
今後もしばらく続きそうです。
行きのタクシーの運転手さんが、
「今日はええ天気やなあ。出張日和や」と。
うーん、確かに雨よりはいいかな。
新幹線の中では、だいたい、
書類を読んだり、書いたり、考えたり。
夕方大阪で打ち合わせが
入ったので、
まさにとんぼ返りでした。
今日は、
反省すべき出来事もありましたので、
これからちょっと、考えます。
明日は、知的財産権について☆研究しようと
思います。

2005.05.24

「鍵がない」事件は、なぜか好評です。
今までのブログで、1番!との評価も。
そうなのかぁ。
ちなみに、
私の救世主である、警備員のおじさんとは、
今日も3回顔を合わせ、
もはや
目と目で「こんにちは」と通じてるんじゃないかと
思うくらいです(笑)。

2005.05.24

判決が確定した後、
同じ相手に、同じ内容の訴えを
起こすことはできるでしょうか。
確定判決には、「既判力」という効力があります。
既判力とは、
裁判所は、
前訴の確定判決の判断と抵触する判断を下すことはできず、
当事者は、
これに反する主張をしてこの判断を争うことが許されない、
ということを意味します。
ただし、この効力は、あくまで、
前訴の口頭弁論終結時(審理の最終時)
までに生じた事実についてのものです。
つまり、前訴の口頭弁論終結後に生じた事情は、
後訴で、主張することは許されます。
結局、
前訴で敗訴したにもかかわらず、
もう一度同じような裁判を起こした場合、
このような訴訟であっても、
裁判所の受付段階で判断することはできませんから、
裁判を起こすこと自体は可能です。
しかし、
訴えを起こした人は、
前訴で主張した事実をひっくりかえして、
これと異なる主張をすることは許されません。
また、裁判官が違うからと言って、
全く同じ内容の訴訟について、
異なる判決が出ることはないことになります。
しかし、
裁判所によって異なる判断が出た、というのは
よくありますよね。
同じような内容であっても、
全く同じ事案というのはほとんどなく、
それぞれ異なる事情を有しています。
既判力は、判決主文について生じるものであり、
判決理由中の判断には生じません。
つまり、裁判所がどうしてそのような結論に
至ったかという理由については、
既判力がないのです。
したがって、よく似た事案でも、
少し事情が違うだけで、
全く異なる判断が出ることが、あるのです。

このページの先頭へ