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2007年06月29日

買収防衛策・裁判所の判断

ブルドックソースの買収防衛策(新株予約権の発行)の差し止めを
求めた仮処分事件について、東京地裁は買収防衛策を容認する判断を下しました。

○新株予約権の発行により持株比率の低下という不利益を受けるとしても、
債権者関係者(スティールパートナーズ側)の有する株式の数に応じて
適正な対価が交付され、株主としての経済的利益が平等に確保されていると
一応認められる。

○株主総会は買収者による経営支配権の取得が企業価値を損なうおそれがあると
判断する場合には、株主全体の利益保護の観点から、
相当な対抗手段を採ることが許容されるというべきである。

○対抗手段の必要性の判断については原則として株主総会に委ねられる
べきであり、株主総会の判断が明らかに合理性を欠く場合に限って、
対抗手段の必要性が否定される(本件では明らかに合理性を欠くとは言えない)。

2007年04月11日

解任と解職

経営統合の断念、というニュースが多いですね。
ペンタックスは代表取締役を解職し、HOYAとの統合は検討するが、
合併は断念したとのこと。

平成19年4月11日付日本経済新聞では、
解任と解職の区別について解説がありました。
商法時代は、代表取締役の「選任」「解任」と表記されていましたが、
会社法では、代表取締役については「選定」「解職」
取締役については「選任」「解任」として、区別されています。

多くの人の中から選ぶことを「選任(逆は解任)」
限られた人数の中から選ぶことを「選定(逆は解職)」であると
解説されています。
まだ「選任・解任」と言ってしまうのですが、まあそのうち慣れますね。

2007年03月06日

共同代表取締役制度の廃止

株式会社に複数の代表取締役が定められることがあります。
その代表取締役は、それぞれが単独で会社を代表し、
その行為の効果は会社に帰属します。

従来は、共同代表取締役という制度がありました。
これは、複数の代表取締役が共同してのみ会社を代表するという制度で、
それぞれが矛盾した行為をすることを防止することが目的でしたが、
利用されることが少なかったので、会社法には盛り込まれず、
廃止されました。

2006年10月26日

合同会社の活用

5月に施行された会社法で創設された合同会社。
10月25日付日経新聞(夕刊)によれば、
設立社数が1000社を超えているそうです。

合同会社は、出資者全員の合意に基づいて組織運営がなされます。
煩雑な手続から解放され、事業に専念できる、
また、出資会社の意向に縛られない事業運営が可能、というのが、
活用のポイントのようです。

合同会社では、
必ずしも出資額に比例せずに利益配分も決めることができるため、
出資が少なくても、事業に貢献すればそれに応じて利益配分を受ける
ことができるため、研究開発型の創業に向いていると言われますが、
これに限らず、複数の企業が共同出資して新ビジネスに着手する場合に
利用されるケースが多いようです。

2006年07月04日

発行可能株式数

会社が発行できる株式の数は、定款で定められるため、
これを増やすためには定款変更が必要です。
新株を発行すると、既存株式の1株あたりの価値が低下するおそれがあり、
株主に理解を得るためには、
現行の発行枠を拡大する必要性(現行枠の大部分を発行済み等)、
具体的な資金調達の必要性(設備投資資金を新株発行で調達する等)
などの説明を行うことになります。

会社からの提案であっても否決されることが珍しくなくなり、
経営陣からの説明義務は一層重要になったようです。

2006年06月07日

特別取締役

会社法では、特別取締役の規定が設けられました。

①取締役の数が6人以上で、
②取締役のうち1人が社外取締役である場合に、

Ⅰ重要な財産の処分・譲り受け
Ⅱ多額の借財

については、
予め選定した3人以上の取締役において決議できる旨を
定めることができるというもので、取締役会の決議要件の特則です。

なお、特別取締役会においては、書面決議は認められません。
業務執行の機動性を高める規定であり、
すぐに招集可能な取締役を選任することになります。

2006年06月06日

監査役について

昨日は、組織法研究会に参加してきました。
さまざまな経験談も聞くことができて、大変貴重でした。
議論になったのは、監査役の位置づけ。

新会社法では、取締役会を設置しない会社では監査役は不要です。
監査役を置かないということは、
株主自身が監督をしていくということです。
逆に、監査役が相応の意義を持つことを弁護士としては説明しなければならない
はずです。

監査役は大きな責任を伴う(損害賠償請求を受ける立場)のであり、
もっとシビアに考えていかなければならないのでは?
親族や知人に頼み込んで(多くは無償に近い形で)、
監査役に就任してもらうことの弊害は?
会計監査と業務監査を適切に行える人材とは?

などなど、議論はより実務的なところへ入っていきましたが、
今後も興味深い話になりそうです。

2006年05月18日

種類株式

同一の会社で、権利の異なる複数の種類の株式が発行される場合があります。
これを「種類株式」といいます。

会社法では、次のような「異なる種類の株式」を規定しています(108条)。

配当
残余財産の分配
議決権
譲渡制限
取得請求権付株式
取得条項付株式
全部取得条項付株式
拒否権付株式
取締役等の選任・解任権付株式

拒否権付株式は「いわゆる黄金株」です。
種類株式を発行するには、定款で定めるなどの要件ががあります。

2006年05月15日

取締役会の決議の省略

6月の定時株主総会での定款変更について、
新聞でもよく取り上げられています。

取締役会の機動性を高めるための方策の一つが、ネットや書面を活用した決議。
参集しなければ取締役会決議を得ることができない、という不便を解消できます。
会社法では、
取締役の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき
(ただし、監査役設置会社において監査役の異議がないときに限る)は、
提案を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなす旨を
定款で定めることができるとされました。
この制度を活用する方向での定款変更も多く見られるでしょう。

2006年05月11日

株主代表訴訟に関する見直し

会社法では、
株主から取締役を相手に損害賠償の訴えを起こすよう求められたにもかかわらず、
提訴しない場合、
その理由を株主に書面等で通知しなければならなくなりました。

通知する内容は、
調査の内容や資料、取締役の賠償責任の有無の判断理由など、
法務省令で具体的に示されています。

他方、株主が不正な利益を図り、または、会社に損害を与えることを
目的とする場合は、代表訴訟の提起は制限されることが
条文に明記されました。

2006年05月10日

株主代表訴訟

取締役の過失で、会社に損害が発生した場合、
6ヶ月以上株式を保有している株主は、会社に対して、
取締役に対する損害賠償請求訴訟を提起するよう請求することができます。

会社が60日以内に提訴しなければ、
株主が会社に代わって、損害賠償請求を起こすことができます。

これが株主代表訴訟です。
会社法ではこの制度の見直しも盛り込まれました。

2006年05月01日

会社法、今日施行

新会社法は、今日、施行されます。

新しく株式会社を設立する場合の添付書類としてこれまで必要とされていた
「払込保管証明書」は、残高証明書の提出でよくなります(発起設立の場合)。
これまで、「払込金保管証明書」の発行に時間が掛かっていたのですが、
残高証明書の提出で足りるため、定款の認証を経て、
新法施行日の今日、株式会社を設立させることも可能なようです。

2006年03月04日

定款が変わる

会社の定款は、会社の基本的なルールを定めるものですが、
これまでは定型的に作成されることが多かったといえます。

(新)会社法は、
これまで商法で細かく定めていた事柄を
定款に委ねることとし、会社ごとに、
合致する経営スタイルを取り入れることができます。

例えば、
取締役の解任を普通決議で可能としましたが、
これを定款の定めにより、
従前通り特別決議(より多くの賛成が必要)と
することもできます。
→取締役を解任しにくくするということです。

定款の変更には、
株主総会で特別決議を経る必要がありますが、
多くの会社で定款変更が行われるものと思われます。

2006年02月08日

社外取締役選任に際しての情報開示(新会社法)

会社法の法務省令では、社外取締役の
選任に際しての情報開示も義務づけられます。

社外取締役が単なる飾り物でなく、
独立性を有する、
いわば会社のお目付役として機能する人材かどうかを
株主が判断するに足りる材料を
提示させようとするものです。

社外取締役と会社の利害関係を開示させるほか、

他社の業務執行取締役、執行役かどうか、
その他社との取引関係、
兼任状況、
役員や大口取引先役員などの三親等内の親族かどうか、

など、他社とのなれ合いを抑制しようと
する項目も多く見受けられます。

2006年02月07日

新会社法の情報開示(買収防衛策)

新会社法の法務省令では、
買収防衛策の内容について、株主への事前開示が
義務づけられます。

会社の株主構成のついての基本方針
(支配株主や株主構成についての考え方)、
方針に沿わない買収者が出現した場合の対応策
について、
株主に提出する事業報告への記載が必要となり、

会社として、防衛策が会社の価値を損ねないこと、
役員の保身を目的としないこと
を説明し、
株主に判断材料を提供することになります。

このような事前開示を行わずに、
株の買い占めが発覚してから、
敵対的買収者への対抗策を発動した場合は、
会社は不利な立場に立つこととなるため、
今後はさらに防衛策を導入する企業が増えるでしょう。