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2008年01月31日

賃貸借の更新料

消費者契約法による無効を主張し、
賃貸借契約時に支払った更新料などの返金を求めた訴訟で、
返金を認めない判断がなされました。

更新料は法律に定めるものではないので、
当事者間の合意(特約)が必要です。
他方、消費者契約法には、
消費者の利益を一方的に害するものは無効とする条文があり、
更新料を定める契約(特約)が有効か無効かも、
個々の契約の具体的な事情のもとで判断されます。
一般的には、更新料に関する特約が存在し、
更新料は賃料と契約期間に照らして過大でなければ
有効性が認められる方向にあると捉えています。
本判決でも同様の判断がなされたようですが、
控訴審の判断も興味のあるところです。

2007年11月14日

原状回復

賃貸物件の解約に伴う原状回復の問題は紛争が生じがちです。
「原状回復にかかるガイドライン」(国土交通省住宅局)を基準に検討します。
このガイドラインでは、よく問題となる、床・壁・建具・鍵などの
取り換え費用について、賃借人・賃貸人のどちらがどの程度
負担するかについて指摘されています。

・・・最後は、ケースバイケースの判断をせざるを得ないのでしょうね。

2007年09月07日

賃料の増額

税金の増加、土地や建物の価格の上昇、近隣相場と比較して、
不相当となったなど、事情が変わったという場合は、
地代や家賃の増額を求めることができます。
事情の変更があったかどうかはこれらを総合的に考慮して
判断されます。
賃料増額の申し入れについて、賃借人が応じればそれで解決しますが、
賃借人が応じない場合は、賃料増額調停を申し立てて、
そこで話し合いをします。
調停でも話し合いがつかなければ、裁判を起こすことになります。
事情の変更があったのかどうかの判断には、
不動産鑑定士による鑑定が重視されます。

正当な賃料が定まるまでは、
賃借人は相当と認める賃料を支払えばよいのですが、
増額を認める裁判が確定したときは、増額分を清算することになり、
加えて年1割の利息を支払うこととされています。

2007年03月01日

高齢者向け賃貸借契約

高齢化社会では、高齢者の住宅確保も課題となりますが、
高齢者向け賃貸借契約として、以下のようなものがあります。

終身建物賃貸借契約は、
賃借人の終身にわたって賃貸する内容の契約で、
死亡したときに終了しますから、借地借家法の特則になります。

これに借地借家法上の定期借家契約を合わせた
期間付死亡時終了建物賃貸契約もあります。
これは、一定の期間を定めて、その期間が満了するか、
あるいは賃借人が死亡すれば、賃貸借が終了する内容のものです。

これらの契約では更新や契約の承継がないということになるのですが、
同居者(配偶者や60歳以上の親族)が、
死亡の事実を知ったときから1ヵ月以内に申し出たときは、
同一条件の賃貸借契約を締結することができるようにして、
同居人の保護をはかっています
(ただし、この間に、期間付死亡時終了建物賃貸契約の期間が満了した場合は
できません)。

いずれの契約も、公正証書などの書面の作成が必須ですし、
この事業を行う前提として、都道府県知事の認可が必要です。

2006年10月16日

賃貸借契約の保証金

敷金は、借主の一切の債務(賃料支払い義務その他の債務)を
担保する目的で、貸主に交付される金銭です。
賃貸借契約が終了し、借主が賃借物を返還したときに、
その借主に賃料の不払いなどの債務不履行があれば、それを差し引いた残額を
返還する約定のものです(債務不履行があれば、残額全額を返還します)。

仮に「保証金」という名称が使用されていても、
その金銭が交付された目的が上記と同じであれば
敷金としての性質を有していると判断されます。

これに対し、敷金とは別に賃料と比べて高額な保証金が授受され、
建物の建設協力金的な性質を有する場合には、
貸主・借主間の金銭消費貸借の性質を有すると考えられます。

この保証金の返還は、長期分割弁済とされたり、
据え置き期間を10年~20年と定めることが多いです。
このため、賃貸借契約が中途で解約された場合の
保証金返還方法については紛争が生じることがあります。
つまり、借主としては、契約が終了したのだからすぐにでも返してほしい、
貸主としては、賃貸借契約が長期にわたることを予定していたのだから、
すぐに返してほしいと言われても困る、というものです。

このような紛争を回避すべく、中途解約の場面を想定した
保証金の返還義務に関する条項を契約書に盛り込んでおく必要があります。

2006年09月17日

定期借家契約の事前通知

定期借家契約の期間が満了した際、再契約せずに、
そのまま家賃をもらい続けている場合は、どのような契約関係になるでしょうか。

定期借家契約においては、
賃貸人から賃借人へ、「終了の通知」をしなければ、
賃貸人は「契約の終了」を対抗することはできません。
この通知は、契約期間が1年未満の場合は必要ありませんが、
契約期間が1年以上の場合は
期間満了の1年前から6か月前までの間に行うことが必要です。

ただし、この期間経過後に通知した場合には、
その通知の日から6か月間は
賃借人は建物を引き続き使用することができるとされています。
しかし、その後は、再契約が整わなければ、
賃借人は建物から退去しなければなりません。

なお、この通知に、「再契約の意思があること」を明記するなどして、
賃貸人側から再契約を促すことも考えられますし、
双方の合意があれば、もちろん、賃貸借を継続することができます。
ただし、定期借家契約はいったん終了しますので、
その後の契約を定期借家契約として成立させるためには、
全く新しく定期借家契約を締結するのと同じように
書面を整え、説明を行うことが必要です。
定期借家には、更新という概念がないからです。

では、定期借家契約で再契約もせず、賃料をもらい続けている場合、
この契約は、従前からの賃貸借契約なのか、定期借家契約なのか、
どちらの状態にあるのでしょうか。
法律上は、契約期間満了後も、賃貸人から通知を行えば、
その6ヶ月後に契約が終了すると規定されています。
この通知ができる期間について、規定はされていないため、
永久に定期借家契約が継続した状態と考えることも可能です。

しかし、その通知が、2年も3年もたってからなされた場合であっても、
賃貸人が通知さえすれば、賃借人は6ヶ月後には退去しなければならないと
捉えることは、借地借家法の趣旨に照らして、妥当でない場合がありうる、
と考えられます。

そこで、賃借人が、「これからもずっと住み続けたい」と願い、
私が賃借人の代理人だとすれば、
定期借家契約の期間満了後、相当な期間が経過した場合は、
「賃貸人はこの契約が定期借家契約であることを理由として、
契約の終了を主張することは、信義則上できないはずだ」と
主張することになると思います。
この主張が認められた場合、賃貸人が契約を終了させたくなったときは、
従前からの賃貸借契約のルールに従うことになります。
つまり、契約終了に際しては、賃借人保護の観点から「正当な理由」が必要とされ、
結果的に定期借家契約を締結したメリットが失われます。

したがって、今後の賃貸借契約を「定期借家契約」として維持したい場合は、
期間満了の通知を行い、賃借人との間で再契約を手続をとるべきです。

2006年09月06日

定期借家契約の継続

平成12年に始まった定期借家制度。
建物の賃貸借契約は、一度契約すると更新が原則であり、
「正当事由」がないと終了することができません。
これが賃貸人(家主)の負担になってしまうことから、
契約の更新がない建物賃貸借制度として、定期借家制度ができました。

昨日の日経新聞によれば、
オフィスビルでは、定期賃貸借の期間を5年と設定しているものについて
契約の終了時期が来ており、再契約に際して、賃貸人が強気の交渉をしているとのこと。
(つまり、賃料値上げの傾向)

定期借家では、賃貸借期間が満了すると、更新なく終了しますので、
これを継続するには、「再契約」となるわけです。

定期借家契約は、書面でなされることを要します。
再契約の場合も書面を作成しなければ、
従前の(更新拒絶に際し正当事由が必要な)賃貸借契約となりますので、
注意が必要です。

2006年07月27日

敷引の有効性

賃貸借契約に伴う敷引特約の有効性については、
ケースによって裁判所の判断も分かれています。
7月26日、大阪高裁の上告審判決がありました
(1審が簡易裁判所で扱われたため、
堺簡裁→大阪地裁→大阪高裁と移ってきています)

このケースは、月額賃料8万3千円のマンションの賃貸借契約について、
保証金から50万円(賃料の6ヶ月分超)が差し引かれるというものだったそうです。
二審の大阪地裁は、
敷引特約については有効と認めた上で、
敷引金が賃料の6カ月分以上に及んでおり、本来の趣旨を逸脱していると判断し、
この賃貸借に関する敷引特約を無効と判断しており、
この判断が是認されたことになります。

2006年04月28日

敷金と保証金

敷金とは、
不動産の賃貸借において、
賃借人が賃料を支払わない場合や、不動産を毀損した場合の
損害賠償義務の担保ととして、賃貸人に預け入れられるものです。

保証金とは、本来、
不動産の建築資金に充当される「金融」的な意味合いが強く、
つまり、「金銭消費貸借」と位置づけられるものです。
しかし、「保証金」と称されていても、内容は敷金と同じように扱われている
場合も多いでしょう。

敷金も保証金も、契約終了時には全額返してもらえるのが原則です。
未払賃料などがある場合は、その分差し引かれます。

ただし、敷引(しきびき)と言って、一部(全部のこともあります)が
当然に差し引かれるという特約が設けられている場合が多く、
この敷引特約の有効性については、近時、
たくさんの訴訟の中で争われています。

2006年02月23日

賃貸借媒介の報酬

宅地建物取引業者が賃貸物件の媒介をして
得ることのできる報酬は、
貸主+借主≦賃料の1か月分
と定められています。

賃貸物件が成約したとき、
借主が手数料として1が月分支払うことが
多いのですが、

居住用建物の賃貸借の媒介の場合、
当該依頼者の承諾あるときを除き、
依頼者の一方から
1か月の借賃の2分の1を超える報酬を受け取ることは
できません。(建設省告示

2006年01月11日

所有者の変更と賃貸借

賃貸中の不動産が売却された場合、
その物件を借りている人の地位は変わるのでしょうか。
つまり、新所有者に「出て行け」と言われたら、
対抗できないのでしょうか。

不動産が売却された場合、
その所有者が負担していた「賃貸人たる地位」は
新所有者にそのまま引き継がれますので、
「出て行け」に応じる必要はありません。
(賃料不払いなどの債務不履行があれば別)

ただし、賃料の支払先が異なるなど、
変更点は出てきますので、よく確認して下さい。

なお、不動産に抵当権が設定されていて、
この抵当権の実行(競売)で所有権が第三者に移る場合は、
これとは異なります。
抵当権の設定との先後関係で決まってしまうので、
新所有者に賃借権を対抗することができないケースが
多いといえます。

2006年01月09日

定期借地権

定期借地権は、50年以上の賃貸期間を設定し、
その間、借地人は賃料(地代)を支払い、
期間満了後は、土地上の建物を取り壊して、
土地を返還するものです。

賃貸借契約の開始時に、地主に保証金を
預け入れるのが通常です。

これまで、いったん土地を貸すと、
その返還を受けるのが困難な場合も多く、
土地の所有者にとっては悩みのタネだったのですが、
定期借地契約では、期間満了により確実に
賃貸借契約を終了させることができ、更新がないことから、
この制度の創設により土地を貸しやすくなったといえまう。

なお、期間満了時に建物を取り壊すのが原則ですが、
取り壊し費用も相応にかかります。
そこで、建物がまだ使用できる場合は、
取り壊しせず、そのまま地主に引き渡してもよいと
いう契約を結ぶ場合もあり、

地主は再利用でき、借地人は取り壊し費用を免れる
というように双方にメリットが認められます。

2005年12月21日

サブリース

サブリースとは、
地主が建物を建築し、その建物を不動産会社に
一括賃貸して、不動産会社がテナントに
賃貸(転貸)するシステムです。

一括賃貸のため、地主には賃料が保証されます。
その賃料を、建築費の返済などに見込んでいたのですが、
地価の下落やテナントの退去によって、
不動産会社が賃料の値下げを要求するようになったことから、
このような減額請求が認められるのかが
訴訟で争われていました。

最高裁では、
サブリースにも借地借家法が適用され、
賃借人(不動産会社)にも
賃料を減額請求する権利があるとしました。

このたび、東京高裁で、
地主と賃借人との間で和解が成立しましたが、
適正な賃料額の算定については、
近隣の賃料相場のみならず、
地主が銀行から融資を受けた際の
返済計画なども考慮されて定められたようです。

2005年07月11日

賃料の増額・減額はどんなときに可能か

借家の賃料を増額したい、あるいは、
減額してもらいたい
という場合、どのような手続を経るのでしょうか。

借地・借家については、
借地借家法が
そのルールを定めています。

土地や建物に対する租税等の負担が増減して、
価格が上昇あるいは低下するなどの経済事情の変動により、
あるいは、
近隣・同種の建物の賃料と比較して、不相当となったときは、

定められた契約の条件にかかわらず、
「契約の当事者」は、
「将来に向かって」
賃料の増減を請求することができます。

つまり、
家主からは、賃料の「増額」を、
借主からは、賃料の「減額」を求めることができます。

ただし、
過去にさかのぼることはできず、
今後の賃料について増額・減額を求めることになります。

重要なのは、
賃料の増減額を求めためには、
一定の基礎事情が必要とされる点です。

なお、
一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、
その定めに従わなければなりません。

一定の基礎事情がある場合、
どのような手続で進めていくのかについては、また次回に。

2005年06月18日

借家でのペットの飼育

最近は、
犬や猫といったペットが
OKのマンションも増えてきましたが、

犬や猫の飼育が禁止されているのに、
内緒で飼っている場合、
契約を解除されてしまうでしょうか。

賃貸借契約上、
ペット禁止となっており、
そのペットの飼育によって、
家屋が通常以上に損耗することが
否定できないときは、
契約の解除されてもやむを得ないでしょう。

犬の場合は、
近隣からの苦情により、飼育が発覚することもあり、
そうした場合には、
契約解除の可能性は非常に高くなります。

この場合には、

ペットを手放して、
マンションに居住できるよう賃貸人と
話し合いをするか、
ペットともに転居するか、

いずれかとなります。

また、
ペットを飼育したことにより、
壁紙が破れたり、
桟に傷がついたり、
といったことがあれば、
賃貸人からは、
原状回復費用の支払を求められ、
敷金を納めている場合は、
ここから差し引かれることになります。

2005年05月23日

賃貸借契約(解除事由)

賃貸借契約は、

賃貸人は「貸す」義務を負い、
賃借人は「賃料を支払う」義務を負います。

この基本的な不履行以外については、
当事者間の合意によります。

そこで、賃貸人として、
どういうときに、賃貸借契約を解除すべきかを
想定して、契約書を作成すべきです。

例えば、テナントビルの場合、
賃料もちゃんと支払われているけれど、
実はマルボウ関係者であったことが分かった、
というような場合は、
賃貸人としては、他のテナントへの影響もあって、
契約を解除して出て行ってもらいたいと
考える場合が多いでしょう。

入居時の契約で、
「反社会的団体等であることが判明した場合は
直ちに賃貸借契約を解除することができる」などと
定めていれば、解除権を行使することができ、
明渡の達成も無い場合に比べ、多少スムーズとなります。

「多少」というのは、
どうしても、相手次第ということがあるためで、
そういった属性の相手の場合は、
最終的には裁判で解決という場合も出てくるでしょう。

「貸すことによって生じる可能性のあるリスク」
「起こると困るのはどんなことか」を
拾い上げて、
契約書の内容を確定すべきですね。

2005年04月28日

転貸借

明日からゴールデンウィークですね。
皆さんは、どのように過ごされるのでしょう。

今日は、転貸借について。

転貸借とは、
賃貸人→賃借人→転借人
というように、賃借人との間でさらに賃貸借契約を
締結することです。

転貸は、民法上、賃貸借契約の解除事由とされ、
住居の賃貸借契約書でも、ほとんどの場合、
禁止条項として記載されています。

ただし、社会的にみて相当性を逸脱せず、
賃貸人・賃借人間の信頼関係が破壊されないような転貸、
つまり、親子間の転貸などは、解除事由とはならない場合が
多いでしょう。

ここにいう信頼関係とは、たとえ使用者が変わったとしても
賃貸人の利益が害されないような場合、
つまり、賃料をちゃんと払ってもらえるか、
使用状況は適切か、などをもとに判断されます。

では、転貸が許される場合、
転借人は、賃借人に賃料を払っていれば安心でしょうか。

答えはノーです。
もともとの賃貸借契約上、債務不履行があれば、
いかに転借人が債務不履行を起こしていなくても、
賃貸人は、賃貸借契約を解除することができ、
「親亀」の上に乗っているだけの「子亀」はその権利を失います。

転貸借契約は、テナントやオフィスなどでは、
よくあることですが、
転貸借契約を締結するときは、
もともとの契約上、転貸が禁止されていないか、
賃借人(転貸人)が信頼できるのか
(ちゃんと賃料を賃貸人に支払うか)などを、
しっかりと吟味しましょう。

2005年04月17日

賃料の滞納

今日もよいお天気でしたね。
近所にしだれ桜があり、ほかの桜より1週間ほど
見頃が遅いので、今週末が満開でした。
散歩帰りの小太郎も大満足。

20050417.jpg

さて、家主さんたちを悩ます、賃料滞納住人。
私たちのところへは、
だいたい10か月くらいたまってから、
ご相談にみえることが多いです。

通常、賃貸借契約書には、2か月程度の滞納が、
「解除事由」とされていますが、
賃貸借契約は、生活や事業の基盤であることから、
判例上は、特段の事情がない限り、
3か月程度の滞納がないと、賃貸借契約の
解除が認められません。

10か月も滞納していれば、賃貸借契約の解除は認められますが、
果たして、滞納賃料は支払ってもらえるでしょうか。

結論を申し上げますと、それは非常に困難です。
理由は、「払うお金がないから」。
残念ながら、開き直りの世界です。

しかし、ここでさらなる問題は、賃料を払わないにもかかわらず、
出て行かない人が非常に多いと言うこと。
強制的に荷物を放り出すこともできないので、
裁判→勝訴判決→強制執行、という手続を経なければなりません。
かなりの費用がかかります。

したがって、どうせ賃料を支払ってもらえないなら、
せめて、スムーズに出て行ってもらわなければなりません。
たとえば、ある時期に、
どうしてもその賃借人に出て行ってもらう必要がある場合は、
早急に契約解除の通知を行うとともに、滞納賃料の支払催告を
内容証明郵便等により行わなければなりません
(通知をしたという証拠が残るよう)。
そして、明渡交渉の過程では明渡時期をきっちりと決めること。

場合によっては、明け渡せば、賃料を相当額免除してあげるなどの、
措置を講じることもあります。
→このような特例措置(家主さんだけが一方的に妥協する)は、
あくまで、賃料を払わないし、明け渡しもしないような
住人に対する処置です。

賃料を支払うというのは、賃借人の義務ですが、
賃料の滞納が重なるとかなりの金額となり、
賃借人としても一括で支払うことができなくなり、
さらに滞納してしまう、という悪循環でもあります。
したがって、家主さんとしては、賃料の滞納が重ならないよう、
適宜、請求を行うことにより、その義務の履行を促しておくべきでしょう。

残念ながら、権利者側もただ、支払を待っているだけでは、
回収が難しい世の中になっているのかもしれません。


2005年04月07日

原状回復

今日は、蒸し暑い一日でした。
イチロー選手は、やっぱりすごいですね!

さて、住居やテナントを退去するときには、原状回復の問題が
発生します。
あらかじめ差し入れている敷金から、退去時に差し引かれる
敷引きを超えて、「原状回復」のための費用が
請求されることがあります。

では、そもそも「原状回復」とはどのような状態を指すのでしょうか?

賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、
賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、
その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を
復旧することであり、
もともとの状態を復元することとは異なります。

原状回復に関するトラブルが多発したため、
国土交通省は、原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
という冊子を発行しています。

これは、賃貸借契約締結時において、契約内容のあるべき姿を
解説したもので、すでに契約済みのものについて、原状回復の
定めの有効・無効を決するものではありません。
すなわち、
賃貸借契約も契約である以上、当事者が合意した契約内容
(契約書の内容)に従って処理するのが原則です。
ただ、契約書に、クロスの張り替え費用、建具の取り替え費用を
何の限定もなく、一切借主負担とすると規定されているときなどは、
ガイドラインを参考に協議することもあり得るでしょう。

たとえば、クロスの張り替え費用について考えてみますと、
喫煙可の条件で借りていたのに
「タバコのヤニでクロスが汚れたので、張り替え費用を請求する」
というのは認められない場合が出てくると思われます。

なお、ガイドラインは一般の民間住宅を念頭においています。
テナントの賃貸借については、当事者が合意した契約内容に従って
処理されるのが大原則ですから、契約締結時に、しっかりと
契約内容を確認し、不利な条項については、締結前に
見直しのための協議を行うべきでしょう。

他方、大家さん側においても、借家人に対して、
無理な原状回復請求をせずに済むよう、
敷引きの定め方を検討するなど、ガイドラインを参考にした
見直しが必要かも知れません。