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2010年09月02日

原稿から~訴訟への対応

【訴訟への対応】

今回は、何らかの理由で、訴訟を起こされ、被告となったときの対応について
考えてみたいと思います。

何の前触れもなく、突然、裁判が起こされるというのは比較的まれで、
それまでに、何らかの交渉が行われるのが一般的です。

しかし、交渉の決裂に際して、「○月○日を目処に訴訟を起こすから」等と
宣言されることはほとんどないので、
裁判が提起されたという知らせである「訴状」というものは、
突然送られてくることになります。

この「訴状」を受け取ったら、無視はできません。
何の対応もせず、裁判期日にも欠席したら、
訴状に書いてあることを認めたと捉えられ、
欠席のまま、敗訴の判決が下される可能性があるためです。

たとえ、訴状に記載された内容が不当であっても、
そう考える理由を説明しながら、
その請求が認められるべきではないことを主張しなければなりません。

具体的には、第1回口頭弁論期日までに、「答弁書」を提出します。
答弁書には、
訴状に記載された内容に対する認否(正しいか、まちがっているか)を
記載します。

その後は、双方の主張と立証を繰り返して、審理が進んでいくこととなります。

多くの訴訟では、弁護士に委任をしなくても、自ら進めていくことはできますが、
実際に裁判所で発言をしたり、裁判官からの質問に答えたり、
証拠に基づいて主張や反論をしたりするのは、なかなか厄介なことでもあります。

訴訟を弁護士に委任されるのであれば、
答弁書の作成段階から依頼するほうがよいので、
訴状が送られてきたら、なるべく早期に相談されるのがよいと思います。

2008年06月02日

取締役選任の否決

先週、かつら業界大手のA社では、
取締役7人の再任が否決され、
社外取締役2人のみの選任が可決されました。

この場合、会社法の規定によれば、
任期満了を迎える取締役は、
臨時株主総会で後任の取締役が選任されるまで、
引き続き会社を運営することになります。

2007年10月03日

下請トラブルの紛争処理機関

平成19年10月3日付日経新聞によれば、
中小企業庁が下請取引でのトラブルを処理する
紛争処理機関を2008年度に全国に設置する方針であるとのこと。
裁判以外の紛争解決(ADR=Alternative Dispute Resolution)である
仲裁やあっせんによって、
取引関係を維持しつつ、早期の紛争解決を試みるようです。

2007年07月23日

時効の利益の放棄

一定期間、権利を行使しないことによりその権利を失うのが、消滅時効です。
時効が完成する前に、
「時効が完成しても、時効による利益を受けない(権利が消滅したと主張しない)」
として、「時効の利益を放棄」することはできません。
これを認めると、時効制度の趣旨が失われるから、あるいは、
債権者が債務者に対して、「時効の利益の放棄」を迫るなどの
不利益があるから、と説明されています。

しかし、時効完成後に、時効の利益を放棄することは自由であり、
消滅時効の期間が経過していても、弁済すればその弁済は有効です。

2007年06月12日

同族会社株の相続

例えば、会社経営者の父が亡くなり、複数の子どもたちが相続人となる場合、
後継者とされた子ども以外の子どもが権利主張することで、
後継者が事業用の資産を十分に承継できない場合も多く見られます。
また、父が有していた会社の株式も相続財産となりますが、
その評価が高い場合には相続税の負担が大きく、
この点も、事業承継のハードルになってしまいます。

同族会社での事業承継をバックアップするための制度が模索されており、
平成19年6月12日付日本経済新聞によれば、
同族会社株の相続税を大幅に減税する内容の法案が提出されるとの
ことです。

2007年05月08日

取締役の解任

取締役を任期途中で解任することは可能です。
取締役は株主総会の決議によって解任することができます。
ただし、任期途中で解任する場合、解任に「正当な理由」がない限り、
会社は、解任によって生じた損害を賠償しなければなりません。
損害とは、具体的には残存任期期間中に得られたであろう報酬など
を指します。
この「正当な理由」は、法令違反行為の存在など重大なものと解されています。

会社法では、非公開会社は定款の定めにより取締役の任期を
最長10年とすることができます。
ただ、任期が長いと、その分上記の負担も重くなり、
取締役の解任が躊躇される結果となります。
特に家族経営型でない会社で、任期を伸長する際には、
この点を十分意識しておく必要があります。

2007年04月17日

消費者団体訴訟制度

平成19年6月7日に施行される改正消費者契約法に規定される
新しい制度、消費者団体訴訟制度による差止請求。

消費者団体訴訟制度とは、内閣総理大臣から認定された
「適格消費者団体」が事業者等に対して、不当な勧誘行為や
不当契約条項の使用について、裁判上・裁判外の差止請求を行うことを
認める制度です。

個々の契約によって被害を受けても、その額が少額にとどまることから、
法的責任の追及を躊躇せざるを得ないケースが多く、
消費者保護が十分でないとされてきました。
そこで、「消費者全体の利益のために」消費者団体が差止請求を行い、
被害の発生や拡大を防止しようというものです。

2007年03月29日

広告を消費者がチェック

平成19年3月29日付日本経済新聞によれば、
金融商品のちらし広告に不当表示があったとして、
公正取引委員会から排除命令を受けた新生銀行は、
広告に問題点がないかどうかを消費者にチェックしてもらい、
消費者からの指摘についても原則として広告作製に生かしていくとのことです。

商品の仕組みが複雑になればリスク開示の重要性も高まります。
受け手の視点を取り入れることは大切な取り組みだと思います。

2007年02月16日

特別決議

2月16日付け日本経済新聞によれば、
双方の経営陣が合意している
東京鋼鉄が、株式交換により、大阪製鉄の完全子会社になるという議案が
東京鋼鉄の株主総会で否決される見通しが強くなったとのこと。

株式交換については、株主総会の承認が必要ですが、
その決議は、原則として特別決議です。
特別決議は、その株主総会で議決権を行使することができる株主の
議決権の過半数を有する株主が出席し、
出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成が必要なものです。

完全子会社になる会社(今回は東京鋼鉄)の株主は、
完全親会社(今回は大阪製鉄)の株式を取得するのですが、
今回は、その交換比率が低すぎるという主張を支持する株主が
すでに31%超存在し、
当日の出席株主の議決権の3分の1以上の反対が見込まれるということです。

2006年12月19日

商業登記簿謄本の取得

会社法の施行で、資本金1円から株式会社の設立が可能となりました。
機関設計の自由度も広がり、一口に株式会社といっても、
その中身は大きく異なってきます。
そこで、取引先の会社の情報を入手して、取引の安全度を確認する
与信管理がより重要になったといえます。

まずは、会社の概要を知ることが必要ですので、
商業登記簿謄本を入手すべきです。
商業登記簿謄本は誰でも入手できます。
1通1,000円(基本)で、交付申請書に本店所在地などを記載します。
コンピュータ化された法務局が増えており、最寄りの法務局で
遠方の会社のものをとることも可能です。

2006年10月23日

経営判断の原則

取締役と会社との関係は委任契約であり、経営のプロとして
責任を負います。
法的には、委任契約から発生する善管注意義務を負い、
注意を怠って会社に損害が発生すれば個人として損害賠償責任を
負うことになります。
もちろん、難しい局面も存在し、結果として
損害を回避できなかったという場合もあります。
そこで、取締役に善管注意義務違反が認められるかを判断する際には、
当該事業の最終的な収益そのものではなく、
意思決定の過程が著しく不合理であった場合にのみ、
取締役に責任を認めるべきであるとされています(経営判断の原則)。

具体的には、
①経営判断に具体的法令違反及び公序良俗違反がないこと、
②経営判断が「会社のため」に行われたこと、
③経営判断の前提となる事実の認識に不注意な誤りがないこと、
④経営判断の内容及び経営判断に至る過程に著しい不合理がないこと
が吟味されます。

2006年10月18日

製品事故報告の徹底へ

家庭用製品による事故発生が相次いで明らかになったことをきっかけに、
製品事故の報告を義務づけるよう法改正が検討されています。

10月18日付日経新聞によれば、次のような流れになるようです。
1)メーカー・輸入業者は死亡事故・重傷事故発生から
 10日以内に経済産業省に被害状況、製品名などを報告する。
2)経済産業省は1週間以内に製品分野や被害状況を
 ホームページで公開する。
3)被害拡大が懸念されるときは、企業名、製品名も公表する。

経済産業省による情報収集が後手に回っている現状を
改善することが期待されます。

2006年08月28日

自己株式の取得

8月28日付日経新聞によれば、
大企業が自己株式を積極的に購入しているとのこと。

もともと、会社がその資金で自社の株式を購入すれば、
資本の流出となり、また、相場操縦のおそれがあるとして、
自己株式の取得は原則として禁止されており、
取得した場合には、速やかに消却することが必要でした。
ところが、平成13年の商法改正によって、自己株式の取得は原則自由となり、
会社が自己株式を取得し、それを手元に残すことが認められました(金庫株)。

近時は、金庫株を株式交換による企業買収やストックオプションへの活用に充てるほか、
流通する株式を減らすことにより、株価を上げ、
買収しにくくすること(買収防衛策)を目的とするなど、さまざまに利用されています。

2006年08月24日

会計参与

8月24日付日経新聞によれば、
会社法で盛り込まれた会計参与を導入する企業が、300社にのぼるとのこと。

5月に施行された会社法は、
会社の規模に応じ柔軟な組織を作ることを可能にしました。
会計参与は、規模や組織形態にかかわらず、株式会社であれば、
設置することができる機関で、取締役と共同して決算書を作成します。
就任できるのは、税理士(税理士法人も)と公認会計士(監査法人も)です。

計算書類の正確さを確保しようとするもので、
企業の信用性向上に結びつくものと期待されていますが、
日経新聞によれば、銀行融資の際にも、
会計参与導入企業への融資条件の優遇サービスもあるそうです。

2006年08月02日

事業承継と買収

オリックスはヘアカット専門店「QBハウス」を運営するキュービーネットを
買収するということです。
創業者の引退にあたり、株式公開に向け経営を支援する株主として
名乗りをあげ、経営陣と従業員も出資するMBOの形態をとっています。
MBO:マネジメントバイアウト(経営陣との共同買収)

キュービーネットは、上場を目指し出店スピードを上げるとのこと。
まさに友好的な買収です。
王子製紙VS北越製紙は、さて、どうなるでしょう。。。

2006年07月15日

動産を担保にした融資(2)

7月3日付、動産を担保にした融資について紹介したブログで、
米ゴードン・ブラザーズ社について触れたところ、
株式会社ゴードン・ブラザーズ・ジャパン殿より、会社のご案内を頂きました。
ありがとうございます。

動産を担保にする場合、その評価が最重要ですから、
米ゴードン社の実績から「即日換金可能な評価額」を出せるというのは
やっぱり強いです。

2006年07月03日

動産を担保にした融資

7月2日付日経新聞によれば、
企業の商品在庫や機械設備を独自に評価して売買する
世界最大手の米ゴードン・ブラザーズ・グループが日本に進出し、
日本政策投資銀行系のファンドなどと日本法人を設立して、
商品在庫や設備など、不動産以外を担保にした新型融資に取り組むそうです。

動産を担保にする融資とは、企業の在庫や売掛債権、製造設備など
不動産以外の事業資産を担保とする融資です。
動産はこれまで、法的な登記制度がなかったため、
二重に譲渡されるおそれもあり、担保価値が認められにくかった現状があります。
しかし、平成17年10月、動産譲渡登記制度が施行され、
動産を活用した資金調達を促進する基盤ができました。

不動産という固定資産がないと資金調達が困難であった企業も、
在庫や設備など事業資産で融資が受けることが可能になるのですが、
在庫や設備などは事業運営と一体となっていて評価が難しいといえます。
評価実績・手法を持った企業が参入することで、活用が促進されそうです。

2006年05月26日

特定電子メール法

特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(平成14年成立)。
激増・巧妙化する迷惑メールに対処するため、改正法が昨年11月から施行されています。

改正点は、
メール送信者に対する罰則の見直しや
電気通信事業者がその役務の提供を拒否することができる事由の拡大
など。

例えば、送信者情報を偽って送信した者には、
1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられることになりました
(従前は50万円以下の罰金)。

また、電気通信事業者はどのような場合に、
このような迷惑メールを送信した者に対する役務の提供を
拒否することができるかについても、
従前は、
「電子メール通信役務の提供に著しい支障を生ずるおそれがある場合」
とされていたものが、

「自身の業務の提供に支障を生ずるおそれがあると認められるとき、
その他電子メールの送受信上の支障を防止するため役務提供を
拒むことについて正当な理由があると認められる場合」
へ拡大されました。

2006年05月25日

道交法改正

改正道路交通法が6月1日に施行されます。
気のせいかタクシーの中でラジオが流れているとこの話題が多いような。。。

話題にされているのは、
「放置車両についての使用者責任の拡充 」と
「違法駐車とりしまり関係事務の民間委託」ですね。

車両の使用者の責任が強化され、
放置駐車違反について運転者が反則金の納付をしないときなどは、
車両の使用者に対して放置違反金の納付を命ぜられることがある、というもの。

車両の使用者とは、
車両を使用する権原を有し、車両の運行を支配、管理する者です。

警察庁のホームページを見ると、

放置車両の取締りについては、違反行為を現認していないため、
違反者の特定が困難であるという根源的な問題がある。
車両の使用者等に連絡を行っても、
「誰が運転していたか分からない」などと申し立てる事例などが近年増加しており、
多大な労力を費やしているにもかかわらず、
違反者の特定に至らない場合が少なくない。
不出頭者の捕捉が十分になし得ず、このことが逃げ得という不公平を招き、
駐車違反を抑止できていない原因となっている。
そのため、使用者の責任を強化し、放置違反金制度を導入して、
違法駐車の抑止を図るのだということです。

2006年05月19日

破産手続の廃止

取引先が破産したという通知がきてしばらくすると、今度は、
「破産手続を廃止した」という通知が来ることがあり、
税理士さんなどから、「これって破産していないということ?」という質問を
よく受けます。

破産手続は、破産者の財産を換価し、これで税金を支払い、
債権者に配当する手続です。
しかし、破産手続は開始されたけれども、
その法人や事業者に財産がない場合、
換価・配当に至らず、破産手続が終了したことを指します。
つまり、全額回収ができないということです。

2006年03月25日

ライツプラン

敵対的買収者に備え、
信託型ライツプランの導入について
株主総会の承認を求める
企業もあります。

信託型ライツプランとは、例えば
2割の株式を敵対的買収者が取得しようとする場合、
既存株主が保有する1株に対し、
信託会社を通じて、1株を割り当てるものです。

これにより、
買収者の持ち株比率が下がることになり、
会社への支配力に大きく影響します。

このような買収防衛策は、
経営陣の保身に用いられる可能性があるため、
そのような疑いを避けるべく、
できるだけ株主総会にはかり、
承認を事前に取り付けることになるでしょう。

2006年03月13日

上場廃止

ライブドア株式について
上場廃止の決定がなされました。

上場廃止はいわゆる倒産とは異なります。
ライブドアは事業を継続していますから、
株主総会では議決権を行使できますし、
今後、事業が良い方向に進んで、
配当可能な状態になれば、配当にあずかれます。
ただし、
市場での売買ができなくなり、
処分しようとも思っても著しく困難です。

2006年02月26日

取締役

現行の商法では、株式会社には3名以上の
取締役を置かなければなりません。
なお、定款に取締役の員数について規定がある場合は、
定款記載の員数の取締役が必要です。

したがって、員数が欠けると、
株主総会で新たな取締役の選任が必要です。

なお、法律または定款に定められた取締役の人数が
欠けた場合、
任期満了または辞任によって退任した取締役は、
新たに取締役が選任され就職するまで
取締役の権利義務を有するとされています。

また、必要あると認められるときは、
裁判所は、利害関係人の請求によって、
一時、取締役の職務を行うべきものを選任することが
できます(仮取締役)。

そのような場合に備えて、
補欠の取締役を選任しておくこともあります。

2006年02月16日

背任罪とは

「全国小売酒販組合中央会」の元事務局長が
背任容疑で逮捕されました。

背任罪は、
他人のためにその事務を処理する者が
信任関係に違反して財産を侵害する犯罪です(判例)。

金銭などを管理している立場を利用して、
自ら懐に入れてしまう行為は、「横領」です。

今回の事件は、
年金資金144億円を、
正規の手続きを経ないまま、
投機性の高い外債に投資し、
運用先が破綻したことにより144億円の
年金共済事業資金を回収不能にさせたことが逮捕事実で、
この資金が元事務局長の懐に
そのまま入っているわけではないので、
背任となるわけです。

2006年01月31日

TOB

オリジン東秀に対し、
ドン・キホーテがTOBを仕掛けたところ、
オリジンが反発、
イオンが白馬の騎士として登場し、
友好的TOBを仕掛けました。

TOBは、take over bidの頭文字をとったもので
不特定多数の株主に呼びかけて、
取引所外で株式の買付を行うことです。

オリジン東秀という会社、
関西人の小島には全くなじみがありませんが、
やはり非友好的・敵対的TOBというのは
なかなか難しいようです。

2006年01月30日

ビジネスモデル特許を担保に融資

日本政策投資銀行が
ビジネスモデル特許を担保にした融資を始めたそうです。
第一弾となった企業には、他にめぼしい担保がないため、
ビジネスモデル特許と商標権を担保にして融資するとのこと。

ビジネスモデル特許は、数年前のITブーム時に
盛んに取り上げられました。
ビジネスの仕組みを特許化したもので、
もうかるアイデア自体を内容とするものです。

ビジネスモデル特許という特別のカテゴリーがあるわけではなく、一般の特許権と同じ要件のもとで、ビジネスの仕組みに特許化が認められます。
したがって、新規性、進歩性などが必要なわけです。

Amazon.comのワンクリック特許などは身近ですが、
最近はブームも下火かな、という印象です。

2006年01月25日

株式の譲渡制限

株式は自由に譲渡できるのが原則ですが、
小規模の会社においては、
株式が見知らぬ人に移転していくのは、
会社運営上好ましくありません。

そこで、小規模の会社では、
株式の譲渡について取締役会の承認を
要するとの「制限」を定款に設けるのが一般的で、
上場企業などを指す「公開会社」に対し、
「閉鎖会社」と呼ばれます。

譲渡制限のある会社の株式を譲渡するには、
取締役会に譲渡の承認を求めることになりますが、
「譲受人」とされた人に対する譲渡を取締役会が認めない
こともあります。

このような場合、株式を譲渡しようとする人は、
会社に対し、
別の譲渡先を指定するように求めることになります。

したがって、譲渡制限があるからといって、
株式処分の途を絶たれるということではありません。

2006年01月18日

粉飾決算

ライブドアの強制捜査は、かなりの衝撃ですね。
ライブドア本体が粉飾決算という情報もあり、
今後、さらに衝撃が大きくなることも予想されます。

粉飾決算とは、
売上げの水増しや子会社の帳簿操作などにより、
赤字を黒字に見せ、あるいは財務体質を良好に偽装することで、
これにより、株価を維持したり(よって上場を維持したり)、
融資を引き出したりするのが目的といえます。

上場会社では、有価証券報告書に虚偽の記載をすることに
なりますから、証券取引法違反で起訴されることもあります。

近いところでは、カネボウの粉飾決算、
アメリカでは、エンロンの粉飾決算など、
後を絶ちません。

2005年12月28日

受動喫煙の防止義務

タクシーの車内での喫煙を防止しなかったため、
受動喫煙で健康を害したとして、
タクシー乗務員や利用者が、
国を被告に損害賠償請求を求めた訴訟について
判決がありました。

国には車内喫煙を許容した事業者を規制する権限も
行政指導する義務もないとされたため、
国に対する損害賠償請求は認められなかったものの、

判決の理由中では、
事業者が、乗務員の健康を保護する義務(安全配慮義務)を
負っていることを前提に、

タクシーの禁煙化は他の交通機関に比べて著しく遅れており、
事業者の自主性に任せたのでは早急な改善は困難で、
国の適切な対応が期待される

と言及がありました。

2005年12月22日

自社株を買う

会社が自社の株式を市場などで買うことが
あります。
もともと、自社の資本で自社の株式を購入する
ことは、資本の流出につながるとして、
禁止されていましたが、
平成6年に解禁。
自己株式は、速やかに消却することが
必要でしたが、
その後、「金庫株」も認められ、
必ずしも消却する必要はなく、
そのまま保有しておくことも認められるように
なりました。

会社が自己株式を取得後、消却することで、
発行済み株式が減り、一株あたりの価値を
高めることになります。

他方、金庫株は、ストックオプションや
M&Aにおける株式交換にも利用できます。

2005年12月18日

黄金株の条件付き容認

先日、東京証券取引所が
黄金株(株主総会における拒否権を有する株式)を
原則禁止するとの方針を打ち出したところ、
買収防衛を意識する企業側から、
かなりの反発が出ていました。

また、経済産業省は一定の条件のもと
黄金株の発行を認めていました。

結局、東証は、
企業からの反発に配慮する形で、

株主や投資家の利益を損ねる恐れが少ないと
東証が認める場合、という条件付きで、
上場企業に、
黄金株の発行を認めることとなりました。

黄金株の有効期間が限定される
株主総会の決議で無効にできる
取締役会で無効にできる、
という条件が課され、安易な黄金株の発行には
一応の歯止めがかけられるようです。

2005年12月03日

競売

競売とは、不動産を担保に入れた場合や、
債務を払えないために、差押えをされた場合に、
債権者からの申立により、国が不動産を強制的に
売り、その売却代金から担保権者や債権者が
弁済を受ける手続のことです。

誰でも競売物件の買受人になることができます。
自分が希望する買受価格を示して入札し、
最も高値を入れた人が取得するのです。

競売によって、不動産につけられていた抵当権は
すべて抹消され、
買受人は担保権の負担のない不動産を
取得することができます。

競売物件は安いといわれていましたが、
最近は、人気のある物件で入札価格が
相当高くなっているようです。

競売の場合、不動産に瑕疵があっても保護されず、
自己責任となります。
買い受けを希望する場合は、
裁判所に備え置かれている
物件明細書や現況調査報告書などを閲覧して、
物件をよく調べておくことが必要です。

2005年11月21日

黄金株

東京証券取引所は
黄金株を導入している企業の
新規上場を原則として認めず、
すでに上場している企業が導入した場合は、
上場廃止も検討するとの方針を固めたとのこと。

黄金株とは、
商法が認める「種類株式」に含まれます。
種類株式とは、
普通の「平等な」株式とは異なる種類の株式を指します。

そのうち、特定の株主に株主総会の議決への
拒否権を与えるものが黄金株です。

黄金株は、企業防衛策として導入されるのですが、
企業の価値を高める買収提案に対しても拒否できるとすれば、
それは過剰防衛。つまり、
経営者の保身に用いられることになってしまいます。

経済産業省は、
①効力を持つ期間を限定する
②取締役会決議で無効化できる
③株主総会決議で無効化できる
という3要件のいずれかを満たすことにより
黄金株を導入している企業の
上場を認める見解を出しています。

これに対して、東証では、
投資家の平等が重視され、
自由な投資に対する抑制となる黄金株を
禁止する方向を明確に打ち出したことになります。

2005年11月17日

有限責任事業組合(LLP)

平成17年8月1日に施行された
有限責任事業組合契約に関する法律によって、
有限責任事業組合の設立が認められ、
これを利用したベンチャーキャピタルが
設けられる見通しとなったそうです。

有限責任事業組合(LLP)の最大のメリットは、
任意組合と異なり、
出資者が出資の範囲でしか責任を負わないこと
(=有限責任)です。

また、出資額にかかわらず、
内部で自由に権限や利益分配を決めることが
できるので、
出資額の少ない組合員も
発言力が確保され得るのです。

このベンチャーキャピタルは、
資金力の不足部分を投資家から募り、
ベンチャー企業に出資するものです。
仮に事業に失敗したとしても、
投資家は出資の範囲でリスクを負うのみで、
逆に高利益も狙うことができるのです。

2005年10月31日

社外取締役の独立性

最近、企業の社外取締役にスポットが当たることが
多いように思います。
楽天vsTBSでは、その構成にも
興味が持たれています。

社外取締役は、独立した立場から、業務執行を
監督するためにおかれます。
したがって、その独立性が保たれることが
重要です。

日本取締役協会は、先日、
「独立取締役コード」を発表し、
その中では、独立性に疑義が生じる場合が
列挙されています。

1 その会社の大株主か、その利益を代表する者
2 その会社の経営者か従業員(であった者)
3 グループ会社の経営者か従業員(であった者)
4 その会社と(過去に)重要な取引関係があった会社の
  経営者か従業員
5 その会社のアドバイザーとして高額の報酬を受けている者
6 上記のいずれかに該当する2親等以内の親族を有する者
7 取締役の相互兼任関係がある会社の取締役
8 独立取締役となってから長期が経過した者

この項目に該当する者を独立取締役と判断するときは、
その理由を説明する責任は特に重いとされています。

2005年10月24日

企業防衛策(カタカナ語

フジテレビvsライブドアに続き、
今度は、TBSvs楽天。

また買収防衛策が注目を浴びていますので、
カタカナ語などの整理を。

ポイズンピル→
 既存の株主に新株を発行して、
 買収者の持ち分割合を下げる。

ホワイトナイト→
 敵対的買収者に対抗し、
 友好的な企業に買収をしてもらう
 (白馬の騎士)

黄金株→
 合併などの拒否権を有する株式を
 創業者や友好的な第三者に与える。

クラウンジュエル→
 重要・魅力的な財産を
 友好的会社に売却する

ゴーイングプライベート→
 非上場化

2005年09月30日

公益通報者保護法とは

平成18年4月1日から、
公益通報者保護法が施行されます。

この法律は、
企業不祥事が内部からの通報によって明らかとなる
ケースが増加している中で、
法令違反行為を労働者が通報した場合に
事業者から不利益な取扱を受けないよう
労働者を保護し、
事業者の法令遵守を強化させるために
平成16年6月18日に制定されました。

制定から施行までの2年弱の期間で、
事業者は準備期間を与えられたことになります。
(個人情報保護法も同じように制定と施行との間に
期間が設けられていました)

そこで、この法律によって、
事業者に求められる態勢づくりについて
見ていきたいと思います。

2005年08月30日

TOBと株主代表訴訟

TOBとは、株式公開買付のことで、
ある企業の経営権取得(買収)等のため、
あるいは、ある企業を子会社化するために

買い取りする株数や価格を公表して、
不特定多数の株主から
株式市場外で株式を買い集める制度です。

TOBという言葉は、フジVSライブドア以降
よく耳にするようになりました。

ところで、
フジテレビがニッポン放送株の公開買付をアナウンスし、
それに応じた企業の一つである、東京電力に対しては、
個人株主から、
市場より安価で株の買取に応じ、会社に損害を与えたとして、
役員への損害賠償請求訴訟を起こすよう求めが
なされていました。

そして、先日、
TOBに応じることを決めた取締役17人に
損害額約1億円を会社(東京電力)に支払うよう求める
株主代表訴訟を起こしたとのこと。

確かに市場価格との差があったことは事実ですが、
フジのTOBに応じた企業と応じなかった企業があり、
TOBを実施した企業との友好関係等も当然考慮され、
難しい経営判断だと思います。

訴訟はどんな結論を導くのでしょうか。

2005年08月29日

株主代表訴訟

株主代表訴訟とは、
株主が会社に代わって、取締役の責任を追及する訴訟です。

取締役が法令違反等の行為を行った場合にみならず、
会社の利益を顧みない判断(判断ミスなど)をしたことにより、
会社が損害を被った場合に、
会社に生じた損害を取締役個人に賠償請求するのです。

株主がこの訴訟で勝訴すれば、
会社に賠償金が支払われます。

この訴訟を起こしうる株主は、
「6か月前から引き続き株式を有する株主」です。

まず、株主が会社に対し、書面によって、
取締役の責任を追及する訴えを提起することを請求し、
会社が60日以内に訴えを提起しなければ、
株主は会社のために責任追及の訴えを
提起することができるのです。

平成5年、訴訟費用が引き下げられたことにより、
株主代表訴訟が頻発することとなりました。

中には巨額の賠償請求を認める判決が出たことから、
取締役が経営判断に躊躇することにより、
企業の競争力が減退する恐れも指摘されるように
なりました。

そこで、
改正商法では、
一定の条件の下で取締役の責任を軽減することが認められ、
(損害賠償額の上限の設定なども含む)、
株主代表訴訟において
会社が取締役を勝訴させるために
参加することが認められるに至りました。

2005年08月28日

取締役の責任

株式会社の取締役は、
株主総会で選任され、
法令及び定款の定め、並びに、
総会の決議を遵守し、
会社のために忠実に職務を遂行する義務を負います
(商法254条の3)。

取締役が法令又は定款に違反した行為をした結果、
会社が損害を被ったときは、
取締役は、その損害を賠償する責任を負います。

そして、相当な注意を用いて
職務を遂行すべき注意義務に違反した結果、
会社に損害を与えたときも、
取締役の法令違反ということになります。

また、取締役はあくまで会社に利益をもたらすべく
行動すべきですから、
取締役会の承認を得ないで
競業取引又は利益相反取引をした結果、
会社に損害を与えたときは、
取締役の法令違反行為により損害賠償責任を負います。

そして、このようにして
会社に損害を与えたときは、
会社が取締役に対して損害賠償請求をすべきなのですが、
会社が役員同士のなれあいによって、
アクションを起こさない場合、
株主が会社に代わって、取締役に対して責任追及を
することができます。

この制度を株主代表訴訟といいます。

2005年08月25日

MBO

ポッカコーポレーション(飲料大手)が
MBOによって、株式非公開化とするとのこと。
ワールド(アパレル大手)に続くケースです。

マネジメント・バイアウト(MBO)とは、
子会社等の現経営陣が、
出資し、あるいは、
借り入れや投資によって資金を得て
現株主である親会社やオーナーから
この企業の株式を買取り、
事業を承継することをいいます。

企業の組織再編における子会社や事業部門の売却、
また、中小企業における事業承継(のれんわけ)に
活用される手法でしたが、

投資ファンドの支援を受けた大規模なものは、
株式を非公開にし(上場廃止)、
いわば完璧な買収防衛を実現します。

そういえば、
MBO(マネジメント・バイアウト)
という法律小説があります。
著者は、弁護士である牛島信氏です。

以前読んだときは、
ちょっと
うまく行き過ぎかな?という感じもしましたが、
読み物としてはおもしろかったですよ。

2005年08月24日

新株予約権

フジvsライブドアで毎日のように
新聞に出た「新株予約権」

新株予約権とは、
株式を特定の価格で「購入できる権利」です。

これは、平成14年の商法改正で導入された制度です。
それまでは、
新株予約権のみを発行するということはできず、
ストックオプションを付与する場合と
社債と組み合わせて発行する場合に限り、
発行が認められていました。

この新株予約権は、
新株を購入することができる権利を意味するので、
この権利を行使するかどうかは自由で、
購入するならば、当然、
株式購入代金が必要です。

この新株予約権の発行が、事前に準備しておく
買収防止策の一つになります。

つまり、新株予約権を事前に
提携先企業等(いわゆるホワイトナイト)に
提供しておき、
「いざ」というときに、
新株予約権を行使してもらえば、
株式数が増加します。

株式数が増加すると、
買収者は、
より多くの株式を集めなければならないので、
買収コストが高くなります。

2005年08月22日

リース契約を締結する前に。

パソコン、複合機に、電話。
オフィス機器の多くに、
リース契約が採用されています。

このリース契約においては、
途中でリースを止めても、
残期間に相当するリース料を支払わなければ
ならないとされているのが一般的です。

7年契約を1年でやめても
7年分のリース料を支払わなければなりません。

月々の返済額の高低や税法上のメリットだけでなく、
途中でリースをやめる場合のリスクも
ふまえて、リース契約を締結して下さい。

2005年08月20日

取締役の任期

現行商法上、取締役の任期は2年とされていて、
多くの企業では、一斉に改選期がくるように
あえて統一されています。

最近、買収を仕掛けてくる者に対する
「企業防衛」がさかんに叫ばれていますが、

企業防衛の観点からは、
このように一斉に取締役の任期が到来するのは、
大変危険です。

つまり、全取締役が任期満了し、
改選期が到来する場合には、
取締役全員について改めて選任するのです。

その選任は「普通決議」によります。
すなわち、議決権のある株式の過半数で
選任されるわけです。

したがって、敵対的な買収者が、
買収対象の企業の過半数の株式を
保有していれば、取締役を自由に送り込むことが
できてしまいます。

仮に、

取締役の改選の時期が
1年ごとにずらされていれば、
任期が満了した取締役の代わりに
過半数の株式を取られたとしても、
従前の経営陣の半数は残ることになります。

なぜなら、任期途中の取締役を
解任するためには、「特別決議」
つまり、3分の2の賛成が必要だからです。

ただ、このように「企業防衛」を厚くすることにより、
「現経営陣の保身」につながるという弊害はあります。

つまり、
現経営陣が周囲の影響を受けずに長く
居座ることを認めるものだからです。

したがって、同時に、
「現経営陣の保身」という弊害を除くための
監視・監督体制(コーポレートガバナンス)が
求められることになります。

2005年08月10日

消化器トラブル

「消化器の点検です」と言って、
会社を訪れ、

「この用紙にサインをもらえますか」と
会社の一社員のサインを得て、

社内の消化器を引き上げ、
中身の注入代金等を請求してくる

消化器トラブル

は未だになくなりません。

会社としては、消化器の備え付けが義務づけられているため、
その消化器を返してもらいたいのですが、

代金が不当に高額であったり、
先方が威圧的態度に出て、
返還に応じてもらえないという相談です。

先に一社員がサインした用紙、

よく読むと、中身を交換(注入)することを
依頼するような内容になっているのですが、

多くの会社にはいつも点検をしてもらっている
おきまりの業者さんがいるので、
「そんなことが分かっているならば、
サインなんかしなかったです」と言うのです。

しかし、こういった業者は
「確かにサインをもらっていますから、
代金を支払って下さい」の一点張り。

結局は、やむなく代金を支払って、
消化器の引渡を受けたり、
代金支払いは拒絶しつつ、新しい消化器を入れたり、
することが多いようです。

こういった、トラブルに巻き込まれないよう
やはりちゃんと内容を確認しておきましょう。

職場でも、日頃の注意喚起が必要です。

2005年08月04日

連帯保証人と消滅時効の中断

消滅時効を成立させないためには、
「時効を中断」しなければなりません。

中断事由は、

請求、
差押、仮差押、仮処分
承認
です。

では、例えば、
連帯保証人が、債務の存在を認めて、
いくらかでも弁済する場合、
連帯保証人は、債務を「承認」したことになりますが、
これによって、生じる「時効中断の効果」は
主債務者に及ぶのでしょうか。

この場合、
時効中断の効果は、主債務には及びません。

つまり、主債務の時効期間はそのまま進行します。

逆に、主債務者が、債務の存在を認めて、
いくらかでも弁済すると・・・

その時効中断の効果は、
連帯保証人にも及びます。

主債務と連帯保証債務は、
「主」「従」の関係にあるため、

「主」債務に生じた時効中断の効果は、
連帯保証人に及んでしまうのです。

2005年08月03日

有限責任事業組合(LLP)の活用

有限責任事業組合は、LLPと略称されます。

Limited
Liability
Partnership の略です。

LLPは、
法人や個人が共同事業をするのに活用されます。

専門家が集まって、また、大企業同士が、
共同事業を行ったり、
異業種間で共同して研究開発を行ったり、
少人数のベンチャービジネスを立ち上げたり、
あるいは、
まちづくりを模索したり、

といったことが促進されるだろうと言われています。

株式会社などとは異なり、
内部自治が尊重されているので、
意思決定も迅速となりますし、

出資ではなく、貢献度に応じて、
利益配分を決定できるためです。

ちなみに、私たち弁護士が共同事業できるかというと、
「士業」での活用は見送られています。
本来、無限責任を負うこととのかねあいでしょうか。

2005年08月02日

有限責任事業組合

8月1日、
民法上の組合制度の特例として、
有限責任事業組合の制度が創設されました。

民法の組合は、
各構成員が無限責任を負うのですが、

「有限責任事業組合」の特徴は、

□構成員全員が有限責任
□損益の配分などを自由に決められる(内部自治の徹底)
□組合の赤字を構成員の個人所得から差し引くことができる
(納税面のメリット)

です。

民法上の組合との違いは、何より、
出資額の範囲までしか事業上の責任を負わない点にあり、
「リスク」が限定されることで、
設立や参加のハードルが低くなると言えます。

さらに、
出資比率に拘束されず、

知的財産やノウハウの提供など、
その役割分担に応じて、
組織の内部で、
自由に配分が決定できることになります。

この点は、株式に応じて利益配分がなされる
株式会社とは大きく違います。

また、組合の利益に直接課税することなく、
出資者へ配分された利益に対して、
課税がなされます。

損失が出た場合は、
出資者の他の所得との損益通算が可能です。
(ただし一定の範囲に限定)

では、この制度の活用がどのように
見込まれているかについては、また次回に。

2005年07月08日

広告掲載の勧誘

以前、広告料名目の不当請求について
お話ししましたが、
同様の行為が増えてきているようです。

新聞などに一方的に広告を載せたり、
あるいは、
実際に掲載したかどうかは不明のまま、
広告代金を請求してくるような事案でした。

新規に事業を立ち上げて、
新聞、インターネット上に広告を
出した事業主をターゲットにして、

「原稿ができましたので、FAXで送ります」等々と
電話がかかってくるとのこと。

注文の電話より、
広告代理店を名乗る電話の方が多いほど、

電話に出ないわけにも行かず、
困っています、

というご相談。

電話にでなければならないなら、
かような電話と判明したら、そのまま付き合うのでなく、
勇気を出して電話を切る。

曖昧な返事はしないこと。

これらに注意して下さい。

また、このような電話で業務が妨害されるようなら、
刑法上の「業務妨害罪」に該当しますので、
警察への被害申告も検討しなければなりません。

2005年07月05日

競売物件の残置物

競売物件であるマンションを買い受けたけれど、
部屋の中に荷物が残っているような場合、
どうすればよいでしょうか。

これを勝手に処分することは適切ではありません。

そんなときに限って、
所有者があらわれ、
「勝手に処分された~。損害賠償だ~」と
言い出す可能性があるからです。

このようなときは、
競売のことなどを定める
民事執行法の定める

引渡命令

を利用します。

通常の訴訟よりも簡易、低額、迅速に、
不動産の引渡を実現する手続です。

具体的には、

この競売事件を扱った裁判所に対し、
引渡命令の申立を行い、
その命令が所有者等に送達されて、
1週間経っても異議がでなければ、
強制執行の申立を行います。

執行官による強制執行の予告、
現実の強制執行を経て、
ようやく、動産の除去が実現するわけです。

確かに、残置物を撤去のに比べれば面倒・・・。

勝手に処分したりして、
自己の利益を実現してしまうことを
自力救済といいますが、

後から苦情が出る可能性が高いため、
なるべく避けるべきでしょう。

2005年06月28日

即決和解

例えば、

当事者間で合意をしたけれど、
その義務を履行する時期は随分先なので、
その合意を守ってくれるかどうか
分からない・・・

という場合、義務の履行を確保するために

即決和解
という民事訴訟法上の制度を利用することがあります。

即決和解とは、

起訴前の和解
ともいい、

合意した内容に
判決と同じ効力を持たせ、

合意した内容が約束通りに履行されなければ、
直ちに強制執行の手続に入ることができるのです。

即決和解は、
家屋の明け渡しに関して合意する場合などに
用いられることが多いです。

2005年06月23日

株主総会の招集地

株主総会の集中する時期となりました。

株主総会がどこで開かれるべきか、
について商法は、

定款に別段の定めがある場合を除き、
本店の所在地またはこれに隣接する地

と規定しています。

ただし、
今国会成立予定の
新しい会社法では、
この規定は撤廃されています。

上場する大会社の場合、
株主も全国に存在するため、
そのような株主でも多数参加できるよう、

株主の利便性にかなう地域での
株主総会の開催が可能になる、
というのが、撤廃の趣旨です。

「撤廃」という点だけを
取り上げれば、

株主総会での株主からの責任追及を免れるため、
恐ろしく不便なところで株主総会を開催して、
反対派の株主が参加できないようにする、
などということも可能になってしまうわけですが、

それが、株主総会のあり方についての
時代の流れに逆行していることは自明です。

2005年06月22日

内容証明郵便

内容証明郵便とは、
どんなものでしょう。

1 通知をしたこと自体を証拠として残すため
2 こちらの強い意思を表すため

こんなときに、内容証明郵便を用います。

1の例としては、
時効の中断のための支払の催告

2の例としては、
これまで口頭で未払い金の請求をしていたが
埒があかないために、強い意思で対処する

といった場合でしょうか。

内容証明郵便は、
同じものを3通作り、郵便局の窓口に差し出します。

このうち、

1通は、郵便局で保管し、
どのような内容であったかを公証する、

1通は、相手に送付する

1通は、手元に保管する

ことになります。

内容証明を書く上での注意点とすれば、
字数等のルールがあることです。
基本的なところでは、
1行20文字以内、1枚26行以内に制限されている点。

また、民法においては、
原則として、
通知等が相手に到達したときに、
意思表示の効力が発生するとされていることから、
相手にいつ届いたかが重要となります。

そこで、単なる内容証明郵便でなく、
「配達証明付」内容証明郵便にすることが多いです。

このように、内容証明郵便は、
本来、
通知自体を証拠化できたり、
出す側の強いスタンスを示すことができる、
という効果があるに過ぎません。

ただ、そのような手続をとることで、
相手方が何らかの応答をしてくることは多いといえます。

2005年06月14日

外回り弁護士

ここ最近、外回りが多いのですが、

今日は、
奈良→
大阪で打ち合わせを兼ねたランチ→
事務所で仕事→
新大阪の現場

というわけで、ちょっと疲れ気味カナ。

今日の打ち合わせは、
北新地のはずれにある、
最近できたらしいレストランで。

レストランウェディングとか、
二次会パーティにもってこいな雰囲気でしたね~。

赤い絨毯が似合いそうなセレブな感じ???

大阪市北区堂島2-1-31 ORIX堂島ビル1階
GRAND MONDE・CLASSY 北新地

2005年06月11日

広告料名目の不当請求

先日受けた相談です。

名前も聞いたことが無いような
新聞に広告を載せるという
電話やFAXが一方的にかかってきて、
広告掲載料として、2~6万円もの
請求を受けたとのこと。

その広告代理店の数、数十件。
支払総額は50万円を超えていました。

送られてきたFAXには、
「振込をしないと、自動継続になります」と
の記載があります。

何とも不思議。
普通は、代金が支払われないと、
停止になるものですよね。

中には、実際に掲載したとして、
新聞が送られてきたところもありますが、
2~3センチ×5センチ程度の囲みの中に、
お店の名前と電話番号が記載されているものの、
およそ広告効果の見込めないもの。

だって、そのお店は、近隣地域が商圏の
小さな個人商店なんですから。

それに、
こんな新聞どこで手に入るんですか~?
誰が読んでるんですか~?

次から次へと、請求書が送られてきており、
今は、電話の線を抜いている状態。

そもそも、
広告掲載の契約をしていないのですから、
勝手に広告を掲載されても、
広告料を支払う義務などありません。

今回は、電話等であいまいな返事をしたことが
きっかけかもしれません。
その後、次々と同業者から
電話やFAXが送られてきていて、
まさに、ヤミ金業者のやり方にそっくりです。

とにかく、
曖昧な返事はしない。
曖昧な代金を支払わない。

そういう姿勢で対処しないといけない世の中に
なってしまったようです。

2005年06月04日

買収防衛策の指針

5月末、経済産業省と法務省は、
買収防衛策に関する指針を出しました。

買収防衛策として話題になっている
ポイズン・ピルは、
買収開始前の特定の日の株主に
新株予約権を発行するというものです。

これにより、買収の対象となる株式が増え、
増えた株式を取得するのに多額の資金が必要となり、
また、
株式数が増えることで、
すでに買収者が取得している議決権の割合が
下がることになります(株式の希釈化)。

このたび出された指針では、
買収防衛策は、

企業価値と株主の共同利益を
確保・向上するものであることが基本で、

その内容が事前に開示され、
株主の意思に依拠したものであること、
さらに、
防衛策が過剰になっていけない、

との3原則を打ち出しました。

買収防衛策の条件として、

株主総会の承認を得て導入する場合と、
取締役会の決議で導入する場合の2つに分け、

株主総会の承認を得て導入する場合は、
公正な発行とされる可能性は高いけれど、

最新の株主の意思を反映するために、
定期的に株主総会の承認を得ること、

株主の利益を向上させるような買収提案である場合は、
防衛策を発動しないような仕組みをつくること

を勧めています。

他方、取締役会の決議により導入される場合は、
現経営陣の恣意が介在しうるため、
保身のために利用される可能性が否定できません。

上記の指針では、

株主の意思により廃止できる条項を設けること、
買収者以外の株主を合理的理由なく差別しないこと、
取締役会の裁量権の濫用を排除するための措置を採用すること、

といった工夫が必要とされ、
さらに、

客観的な買収防衛策廃止条項を設定する
(例として、評価・交渉期間を設定し、
期間経過後に防衛策を解除する、など)

独立した社外者の判断を重視する
(独立社外取締役からなる特別委員会を設置)

という措置を講じることを要請しています。

これに沿った防衛策の導入を打ち出した企業も
多いのですが、

ニレコ(産業用制御機器製造)が導入した
新株予約権に対し、投資ファンドが発行差し止めの
仮処分を申請した事件では、

裁判所は、

今6月の株主総会で株主の意思を確認する手だてを
設けていないこと、
取締役会が特別委員会の勧告に従わない余地があること
から、

取締役会決議により事前の買収対抗策としては相当性を
欠くとして、
新株予約権の発行を差し止める決定をしました。

今後は、
取締役会の恣意性を排除するための措置として、
どこまで尽くせばよいのかが論点となりそうです。

2005年05月17日

会計参与

商法改正法案が衆議院を通過しましたね。

外国資本による買収や、敵対的買収に対する
対抗措置が気になるところですが、

今日は、会計参与について。

改正法は、
株式会社は、
定款で会計参与(仮称)を設置する旨を
定めることができるとされています。

会計参与は、
公認会計士(監査法人を含む。)又は
税理士(税理士法人を含む。)でなければならない。

また、
会計参与は、株式会社又はその子会社の
取締役、執行役、監査役、
会計監査人又は支配人その他の使用人を
兼ねることができないものとされています。

会計参与の仕事は

取締役・執行役と共同して、
計算書類を作成する

株主総会において、
計算書類に関して株主が求めた事項について
説明しなければならない

そして、
会計参与の会社・第三者に対する責任については、
社外取締役と同様の規律を適用し、
株式会社に対する責任については、
株主代表訴訟の対象とするものとする、
とされています。

責任は重いですね。

会計参与は、
内部での監査能力を高めるためのものだと思うのですが、

信頼性という観点からは、
外部の監査に服する方が、重みがありますよね。

会計参与が導入され、
内部での存在意義がどのように発揮されるのか、
興味があります。

2005年05月12日

講習会商法?

今日の相談は、

法人として、
税務関連の講習会に会員登録して、
入会金(数万円)を支払った。
忙しくて、毎月1回開催される講習会には、
今まで一度も行ったことがない。

数ヶ月経って、
月会費(5000円程度)の請求(1年分)が来た。

月々会費がかかるなんて聞いていないと言ったものの、
結局、支払った。

すると、さらに1,2か月経って、
毎回の講習会の受講料(@30,000円程度×2人分×6か月分)を
請求された。

欠席した講習会の資料や録音したCDは
送られてきたが、一度も開いたことはない。

そもそも、毎回の受講料を支払わなければならないなんて、
入会時には聞いていない、と言うと、
入会時に渡されたファイルの中に、
紛れ込んだ入会案内の該当箇所を見せられた。

支払う義務はないと考えているのだが・・・
というもの。

あまりにしつこいセールスに
うんざりして、入会してしまったそうです。

先方は、会員規約に書いてありますから、
の一点張りなんでしょうね。

契約時にそのような内容を了承していなかった
ことを立証するのは難しいと思われます。

しかし、
勧誘の態様、度重なる請求、という
商売の全体像を見る限り、悪質さが浮かび上がってきます。

和解的に、金額で折り合いをつけるのか、

最後は裁判所の判断に従うとして、
「うちは払いません。裁判でも何でもやってください」と
突っぱねるのか、

どちらもありだと思います。

消費者と異なり、事業者間の契約では、
後から契約の取消や無効を主張するのは、
なかなか大変です。

不要な契約はしないという意識が必要です。
強引なセールスに負けないように!

2005年05月04日

時効完成後の承認

今日は、庭の掃除→美容院へ。
4か月以上あいていて、かなりのロングになっていました。
今回は、割とばっさりと切って、すっきりです!

さて、時効期間が経過した後に、承認、
例えば、弁済の猶予を申し出たり、
一部を支払ったりした場合でも、改めて、
消滅時効を主張できるでしょうか。

まず、時効の完成を知って、弁済した場合は、
「時効の利益を放棄した」こととなり、
その後の、消滅時効の援用は認められません。

では、時効の完成を知らずに弁済した場合はどうでしょう。

この場合も、「払ってもらえる」と信じた債権者の
利益を害することになるため、
「信義則上」時効の援用は認められないとされています(判例)。

時効によって利益を得る者と、
利益を害される者を天秤に掛ければ、真の権利者(債権者)の
利益を優先させようということですね。

これらを債権回収の観点から見るとすれば、

時効期間が経過しても、直ちにあきらめることなく、
債務者と交渉し、
ごく少額でもいいので、一部を支払ってもらうべきだ、
ということになります。
そうすることにより、債務者は、時効を援用することが
許されなくなるからです。

2005年05月03日

時効の中断

憲法記念日、どのように過ごされましたか。
私は、自宅のウッドデッキのペンキ塗りをしました。
2年に一度するつもりが、去年はさぼってしまい、
かなりくすんでいたのですが、なんとか雰囲気も一新しました。

しかし、半日、右手で刷毛を使っていたので、
早くも右腕が筋肉痛です。つらい・・・。

さて、時効のお話の続き、です。

消滅時効は、その債権について権利が行使できるときから
進行します。
支払時期がきまっていれば、その弁済期から進行することになります。

この時効の進行をとめる事由である、時効中断事由は、
差押、仮差押・仮処分、承認、請求があります。

時効が中断すると、その中断事由の止んだときから
再び時効期間が進行します。

承認とは、債務者がその債務の存在を認めることであり、
債権者・債務者間の交渉で、債務者が支払の猶予を求めたり、
分割払いの約束をしたり、といった場面であらわれます。

「承認」が時効中断事由になることから、
時効にかかりそうなケースについては、
支払約束の書面を交わしたり、
少額でもいいので一部弁済を受けるなどの措置を
講じておくべきです。
後者の場合、こちらが弁済を受けただけでは、後に、
債務者から弁済の事実を否定される場合もあります。
そこで、例えば、

「本日金○円を支払い、残金については、
後日、改めて協議します」

といった書面を債務者から受領しておくべきです。
この場合、日付を記入することを忘れずに!

このように証拠化しておくことで、「承認」の事実が残り、
後日、時効期間をめぐる紛争を防止することができます。

これに対し、請求は、
それが、裁判外の請求である場合、6か月内に裁判上の
請求をしない限り、時効は中断しなかったことになり、
時効が完成してしまいます。
その間に裁判を起こす準備をしなさい、ということですね。

2005年05月02日

時効の援用

とてもやんちゃな我が家の愛犬小太郎ですが、
生後1か月半で我が家に来た翌日から、
病院通いが始まりました。
診断は、結石。
今でも療養食が続いています。

小太郎は、これまで2回手術していますが、
今日3回目の手術でした。
目のきわにできものが発生したので、これを除去しました。
悪性の腫瘍かどうかは、取り除いた部分を調べないと
分からないとのことですが、手術は無事成功。

自分でなめたり、ひっかいたりすることを防止するための
マイ・カラー(小太郎はぼろぼろにしてしまうので、
獣医さんから買取って、家で保管しています)をつけて、
痛々しそうでしょ。
20050502.jpg


さて、時効制度の続きです。

法律で定められた
時効期間が経過すると、
自然と債権は消滅してしまうのかというと
そうではありません。

時効によって利益を受けるためには、「援用」をする
必要があります。

時効によって利益を受けるかどうかを、その人の意思に
よって決定させるわけです。
したがって、時効によって債権を消滅させるのは忍びないと
考えれば、援用せずに弁済など行えばよいのです。

援用は裁判上行う必要はないので、
「時効を援用します」と通知すれば足ります。
この場合、時効を援用したことを証拠として残すために、
内容証明郵便を利用することが多いです。

そもそもこのような時効にかからないよう、
時効を中断する方法が気になりますが、
また、次回に。

2005年05月01日

短期消滅時効

GW前半に犬連れ旅行に出かけました。
宿の横がきれいな川だったので、初泳ぎ。
私だと10秒ももたない冷たさでしたが、
小太郎は全然平気で、夢中で泳いでいました。
(流されているように見えますが、必死で犬かきしています)

かなり体力を消耗したらしく、
旅行から帰るとくたくたで爆睡でした。
(黄色いクッションは小太郎の定位置!)

20050501a.jpg

20050501b.jpg

さて、民法上の時効について少し。

時効には消滅時効と取得時効があります。
法律に定められた期間を経過することにより、
権利の取得や消滅が生じる制度です。
権利が消滅するのが消滅時効、
権利を取得するのが取得時効です。

そもそも、どうして、時効などという制度があるのか、
というと、
長期間にわたり、ある「事実状態」が継続することにより、
そらが正当なものであるとの信頼を生じさせ、
その「事実状態」をもとに権利関係が築かれていくことから、
それを後日変更することによって、法的安定性を
害することになる、
あるいは、後日紛争が生じた場合でも、
証拠が散逸してしまう、
さらに、長年、かような「事実状態」を放置した者、
いわば「権利の上に眠る者」は保護しない、
という理由があげられます。

消滅時効について、民法は債権は10年で時効により
消滅すると規定しています。
例えば、知人にお金を貸したとき、
10年間放置しておくことにより、時効が成立し得ます。
なお、商法上、商行為によって生じた債権の消滅時効は、
5年とされています(商事消滅時効)。

ただし、民法は、債権の種類によって、さらに細かい規定を
おいており、これを短期消滅時効といいます。
例えば、
1年:飲食代、宿泊費、運送費、動産の賃料(レンタル料)
2年:生産者・卸・小売商人の商品販売代金、
   授業料、弁護士の報酬債権(!)
3年:建築工事の請負代金
5年:家賃債権

取引先の債権管理を行う場合は、
時効にも配慮する必要があります。

時効期間が経過した後の法律関係については、
また次回に。

2005年04月07日

損害賠償請求

今日、メンバーとなっている、
大阪府内某市の児童虐待防止ネットワーク会議に
参加しました。

これまで主に児童相談所で扱ってきた
家庭や児童に関する相談業務が
4月1日から、市町村の業務ともされたため、
そのシステムの検討が主な議題でした。

今日は、児童虐待に関するリーフレットが配布されました。
児童虐待の意味や相談先の電話番号が印刷された
三つ折りのものでしたが、隅っこに、
「この印刷物は8,000部印刷し、1部あたり15.08円です」
といった感じのことが印刷されていました。
行政の印刷物ではもう常識なのかどうかはわかりませんが、
私はなんだか急にこのリーフレットが貴重なものに感じました。

さて、今日は損害賠償請求の金額の決まり方について少し。

損害賠償の対象となるのは、積極的損害、消極的損害の
2種類に大別されます。

積極的損害は、現実に実損として生じているもの、
消極的損害は、損害を生じさせた行為により得られなかった利益
を指します。

つまり、事故で重傷を負い、後遺症が生じた場合、
治療費は積極的損害、
将来にわたって労働能力が低下して、得られるべきであった収入が
得られないという逸失利益は、消極的損害です。

交通事故に関しては、件数も多く、これまでの裁判等の蓄積から
作成された損害賠償算定基準に従って、解決されることが多いです。
このような処理が適切かどうかは非常に争いのあるところですが、
この基準を大きく上回るような判決は得られにくいのが現状です。

しかし、こういった事故の場面だけでなく、
企業が不法行為により損害を被るということも、もちろん生じます。
企業に生じた実損はともかく、
消極的損害については、算定や立証が非常に難しいです。

例えば、「あの店はつぶれるらしい」という噂を悪意で流された
場合、これにより売り上げが減少したとして、減少分の
損害賠償請求をしたいとしましょう。
そういう噂がなかった場合に比べて、売り上げがどれだけ
下がったかを正確に算定することは不可能と言えます。
昨年同期の売り上げと比較して下がっているといっても、
この噂によるものなのか、単に不振によるものなのか、
判断はつかないことも多いです。

弁護士としては、損害賠償請求の訴訟において、
いかにこの損害を立証していくかが課題になります。

2005年04月05日

有限会社はどうなる?

今朝、おやしらずを抜きました。
「心の準備はしてきてもらいました?」って緊張を増長するような
こと言わないで~先生。

ちなみに、「痛かったら左手を挙げて下さいね」と言われたので、
3回ほどあげてしまいました。
これって、どのくらい痛かったら挙げていいものなのでしょう?

おやしらずってこんなに大きいの?というくらい大きくて、
「これくらいあれば、たぶん腫れると思います」ということでした。
今のところ、まだ腫れは出ていませんが、噛むことができません。
噛むと、うっすら涙が出るくらい痛いです。
なので、お昼はモロゾフのプリン、晩はお豆腐しか食べていません。
食べると言うより、飲み込むといった感じ・・・。
復活したら、おいしいもん、いっぱい食べたいです(泣)。

さて、最近よく「有限会社ってなくなるのですか」と質問を受けます。

今国会で通過見込みの「会社法」(平成18年4月1日施行予定)では、
有限会社が廃止され、株式会社に一本化されます。
施行以後は、有限会社を設立することはできません。

もっとも、現行法の下で設立された有限会社は、
新法施行後も、現行の有限会社法の下で、
有限会社として存続できますし、株式会社にすることもできます。

なお、株式会社についても、最低資本金制度がなくなり、
「1円会社」が恒久的なものとなります。
また、機関構成の選択の幅が広がり、小規模な会社については、
取締役会を設置しないことも認められます(取締役は1人でもよい)。

家族経営の会社などでは、これにより、
形式的に親族を取締役に引き入れたりする必要はなくなります。

また、これまで2年だった取締役の任期も、10年以内とされますが、
家族経営以外の会社では、10年というと
やはり長すぎる感じがしますね。
定款で、より短期に定めるところが多いのではないでしょうか。

これからは、「定款」で会社独自のルール作りがより柔軟に
できるようになります。
そのあたりは、またお話ししたいと思います。

2005年03月16日

いよいよ商法改正

ライブドアVSフジテレビ!
弁護士も楽しくニュースを読んでいます。
弁護士の辞任などというちょっとワイドショーぽいネタも
興味があったりします。

これほどまで商法の規定そのものや、仮処分申請の手続が
話題になったことはないのでは?
また、中小企業でも念のためM&A対策が必要なのか、
などと参考になることもたくさんあります。

さて、商法の全面改正が今国会中に可決される見通しです。
有限会社制度がなくなり株式会社に一本化する、
株式会社の役員に関するルールを緩和する、
合同会社などという別個の会社組織が規定される、
などなど、基本的な規定も大きく変わってしまいます。
今回の改正は会社運営上、決して無視できない改正なのです。