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2010年03月09日

いきなり請求

広告メールなどで表示されたサイトへアクセスしたところ、

いきなり、「はい」「いいえ」の表示が出て、

「はい」をクリックすると、

「登録ありがとうございます」と表示され、
ダウンロード料金を請求する表示が出た。


びっくりしてしまいますよね。

内容は変化しているものの、ここ何年も、同様の手口は継続しています。

昨日もご相談がありましたが、
多くの場合、契約は成立していないか、
錯誤等により無効と考えられますので、
あわてて支払うことの無きよう、ご注意ください。

また、それ以上連絡を取ると、
さらに自分の情報を提供することになりかねません。

ただ、後日、何らかの対応が必要となることもあるので、
その画面をデータや写真で保存したり、印刷しておくとよいと思います。

2008年09月26日

実印

「契約書に押してもらうのは実印でなければダメか?」
というご相談が変わらず多いです。

契約書には印章を押してもらいたいのですが、
それが実印であっても、認印であっても法的な効力には
差がありません。

実印は、登録されている印鑑のことで、
一般には大切に保管されています。
また、印鑑登録証明書は原則として本人が入手できるものです。
したがって、実印が印鑑登録証明書とセットになることで、
本人が合意の意思を持って押印したことが
強く推定されることになります。

しかし、これはあくまで、「証明力が高いか、低いか」という問題ですから、
認印でも契約書は作成可能です。
合意を証拠化することが必要な場面では、
署名+拇印あるいは署名のみであっても
書面化しておくべきだということになります。

2008年07月31日

組織犯罪処罰法

徳島県で発生した6億円の業務上横領事件に関連して、
横領されたお金を受領したとされる親族が
組織犯罪処罰法違反の被疑事実で逮捕されました。

正式には、「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」

組織的に行われる殺人などの犯罪について処罰を強化したり、
マネーロンダリング(資金洗浄)を規制したりする内容で、
今回の被疑事実のように、
「情を知って、犯罪収益等を収受」すること(犯罪収益等収受)も処罰の対象となります。

2008年07月11日

株券の紛失

平成21年1月、株券電子化が実施されます。
株券電子化とはペーパーレス化で、上場会社の株券は廃止されて、
株主の管理を電子的に行うことになります。

株券の紛失というのは意外と多くて、
いざ譲渡しようというときに紛失に気付くことがあります。
電子化によりこのような紛失のリスクはなくなります。

ちなみに、いわゆるタンス株券は株券の電子化により無効となります。
電子化の際に、所有者が株主名簿上の株主であれば、所有者名義の
特別口座で管理され、株主の権利を失うことはありません。
ただ、電子化後も売却の際には時間がかかるため、
早めにタンス株券を証券保管振替機構に預託しましょう、
と告知されていますね。
なお、
電子化の際に、株主名簿上の株主が所有者本人以外だと、
その他人の名義で管理されることになり、
これを書き換えるには面倒な手続きが必要になります。
もし株券が手元にあるならば、注意が必要ですね。

2008年06月23日

架空請求続いています

最近また、架空請求ハガキを受け取ったというご相談が増えてきました。
「法務省管轄管財事務局」名義のものは少し前から続いているのですが、
法務省のホームページによると、実在しない組織です。
条文なども記載されていますが、無関係の内容です。
電子消費者契約民法特例法という記載がありますが、
こちらも存在しない法律です。
ただし、
電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律
は存在し、通信販売など対面しない取引(隔地者間取引)に関する
ルールを定めています。 (6/24追加)

2008年06月05日

違憲判決

結婚していない外国人の母と日本人の父との間の子ども
について、生後、父から認知されたにもかかわらず、
日本国籍の取得を認めない「国籍法」の規定がの合憲性が
争われた訴訟で、最高裁は「違憲」の判断をしました。

最高裁での多数意見・補足意見・反対意見が新聞にも掲載されています。
非嫡出子(父母が結婚していない)と嫡出子との差別的な取扱いは、
相続の場面でも存在します。
その合憲性の解釈についてはどうでしょうか・・・

2008年05月21日

製造物責任法

製造物責任法は、平成7年7月1日に施行された法律です。
「製造物」の「欠陥」によって、その製品だけでなく、
人の生命・身体または財産に被害が生じた場合における
製造業者などの責任を定めています。

「製造物」とは、製造または加工されたものをいい、
不動産や、加工していない農産物などは対象外となります。
「欠陥」とは、「通常有すべき安全性を欠いていること」なのですが、
個別に判断せざるを得ません。
その際に考慮する事情として、法律上は、
「製造物の特性」
「通常予見される使用形態」
「製造業者等が製造物を引き渡した時期」
の3つが示されています。

製造物責任法による責任を追及できる期間は制限されており、
「被害者らが損害と賠償義務者を知ったときから」3年で時効消滅します。
とすると、
それらが明らかでなければ時効期間が進行しないことになりますが、
そのような場合でも、
製造業者等が製造物を引き渡したときから10年経過したときには、
損害賠償請求権は消滅してしまいます
(ただし、有害物質等が身体に蓄積するような事案で、
潜伏期間がある場合は、被害が生じたときからとなります)。

2008年05月13日

自治会

自治会の班長さんなどになると、自治会費の集金も仕事の一つですね。

自治会は、法的には「権利能力のない社団」であるのが一般的で、
任意の団体なので、入退会は自由です。
自由に退会できるのか、
退会した後の自治会費について支払義務があるか、
について訴訟上争われたケースでも、
一方的な意思表示によって退会でき、
退会後の自治会費を支払う必要はないと判断されています。

地域活動の基本となる組織であることは間違いないと思いますが、
住民の年齢層によっても存在意義が違うのかもしれませんね。

2008年04月10日

2009年5月21日

これまで「2009年5月までに」とされていた
裁判員制度の施行について具体的な日にちが設定されました。
辞退の事由やスケジュールなども具体的になってきましたので、
会社としては、社員が裁判員に選ばれた場合の対応なども
考えていかなければなりませんね。

2008年04月08日

没収と追徴

刑事事件では、「没収」や「追徴」という言葉が出てきます。

没収の対象は、
 ・犯罪行為を組成した物
 ・犯罪行為の用に供し、または供しようとした物(凶器など)
 ・犯罪行為によって生じ、もしくはこれによって得た物
  または犯罪行為の報酬として得た物
 ・以上の対価として得た物
と定められています。

例えば、収賄で得た賄賂は没収の対象です。
没収できるものが没収ができないときは
(例えば収賄で受け取った金銭を使ってしまっていたとき)
その物の価額を納付させるのですが、これを追徴といいます。

2008年03月31日

改正児童虐待防止法

4月1日、改正児童虐待防止法が施行されます。
改正法では、児童相談所による立入調査が拒否されるなど、
子どもの安全が確認できないような場合に、
裁判所の許可状による強制的な立ち入り(臨検)ができるという
制度を設けています。
また、保護者が子どもにつきまとうことがあり、その対策として、
都道府県知事による保護者の接近禁止命令制度なども
定められています。

2008年02月21日

親族相盗例

直系血族、配偶者、同居の親族の間で、
窃盗罪・詐欺罪・横領罪・恐喝罪などを犯したときは
刑が免除されます。
その他の親族との間であれば、
親告罪(告訴がなければ公訴を提起できない)となります。
「法律は家庭に入らず」という趣旨だと学びました。

親が亡くなるなどして、親族が家庭裁判所から未成年後見人に選任されたところ、
この親族が未成年者の財産を横領した場合に、
この規定の準用があるかについて、最高裁の判断がありました。
未成年後見人は公的性格を有することから、この規定の準用はなく、
刑は免除されない(業務上横領罪)と判断しました。

親が亡くなった際に、未成年者が生命保険金を受け取ることもあります。
その生命保険金を未成年後見人である親族が勝手に使ってしまう事例も
見受けられます。とても残念です。

2008年02月20日

預金不正払戻の補償

盗難通帳やインターネット・バンキングによる
預金等の不正な払戻しについての全国銀行協会の自主ルールが
発表されました。
例えば、空き巣に通帳を盗まれ、その通帳を使って不正な払戻がされたとき、
それが銀行の無過失による払戻であっても、預金者に過失がないときには
原則として補償されるというものです。
すでにキャッシュカードについては、預金者保護法の規定により
補償されることとなっていましたが、これとほぼ同じ扱いになるようです。
なお、預金者に軽過失があるときは25%減額されます。

2008年01月07日

旅行のトラブル

休暇中に観光バスが接触事故を起こした現場を通過しました。
大規模な事故ではないようでしたが、このようなことがあれば、
せっかくの旅行がブルーになってしまいます。

旅行会社の主催するツアーに参加したところ、
バスが事故を起こしたり、予定していた飛行機が欠航になったり
ということがあります。
これらの場合に補償されるかどうかについては、
約款に定められており、補償される場合もこれに従うことになります。
約款に予め目を通すことは少ないかもしれませんが、
そういった場合でも約款は原則として有効であり、
大量の取引を定型的に処理するためのものです。

2007年12月21日

飲酒運転の重さ

飲酒運転し、歩行者をはね、タクシーに追突して
運転手・乗客を死亡させて危険運転致死傷罪に問われた被告人に
懲役23年の言渡しがありました。
求刑は30年。
最近相次ぐ重い量刑判断に、
まだ感覚が追いついていないような気がします。
しかし、自動車は、多数の人を殺傷しうる「走る凶器」であり、
そこに飲酒運転が加わることで、死の結果を招くことが十分にある、
そして、
重い刑事責任を負うということをしっかりと認識しなければならないのですね。

2007年12月12日

ビラの配布

政党のビラを配布するため、マンションに立ち入ったことにつき、
住居侵入に問われた事件。
一審では無罪判決でしたが、東京高裁で有罪判決が出ました。
「チラシ投函禁止」という趣旨の張り紙が玄関ホールに出されており、
集合ポストへの投函のために玄関ホールに立ち入る行為も
住居侵入罪にあたるという判断です。
すでに被告人側は上告しているようで、最高裁の判断が待たれますが、
ビラまきが大幅に制限される可能性があり、
商業的な宣伝活動にも注意が必要になってきますね。

2007年11月15日

危険運転

飲酒運転でタクシーに衝突し、乗客など3人が亡くなられた事故の
運転者が危険運転致死傷罪に問われた刑事裁判で、
懲役30年の求刑がなされたとのこと。
危険運転致死傷罪では、
人を死亡させたときは1年以上20年以下の懲役と定められていますが、
今回は、併合罪の処理(刑の長期にその2分の1を加える)がなされています。

2007年11月09日

原付の保険

自賠責保険は、すべての自動車、バイクに加入が義務付けられていますが、
原付や軽二輪(250cc以下)のバイクには車検がないため、
自賠責保険が切れたまま(無保険)使用してしまうおそれがあり、
これは違法。
日弁連の交通事故相談を担当していたときは、無保険のバイク事故の
相談もしばしば見かけました。
人身事故が発生する可能性も考えると、
しっかりチェックしておきたいものです。


2007年11月06日

身元保証人と相続

就職に際して、身元保証人を求められることがあります。
書面には、被用者の行為で会社が損害を被ったときには、
被用者と連帯してその賠償をしなければならないという趣旨の
言葉が盛り込まれていることが多いです。
この先、被用者が会社でどんな行いをするかは、よく分からないのですから、
身元保証人の責任は重いですね。

判例によれば、
身元保証人が亡くなった場合は、特別の事由がない限り、
相続にはこの身元保証を相続しません。
ただし、相続開始時にすでに具体的な損害が発生し、
身元保証人が賠償義務を負っていた債務は相続するとされています。

相続人は、被相続人(亡くなった人)の一身に専属する権利を除いて、
一切の権利義務を承継しますが、
身元保証の場合、被用者と身元保証人との
人的な信頼関係を基礎とするため、
特別な事情のない限り、承継されないと考えられています。

2007年10月11日

自治体が過払金の回収

自治体が税金を滞納している人の過払い金を差し押さえるケースが
出てきています。
消費者金融で借入をし、利息制限法の上限を超えて利息を支払い続けた結果、
「元本+利息制限法上の上限利息」以上に支払った部分が「過払い金」となり、
消費者金融にその返還を求める「過払い金返還請求」は昨年来、
大変な勢いで増えてきました。
自治体が、支払った本人に代わり過払い金を返還を求めて、
返還を受けたものを税金の滞納分に充てるというものです。

なお、「過払い金」は利息制限法の上限を超えて利息を払い続け、
元本部分まで支払い済みとなった場合に発生するものですから、
それなりの期間にわたり弁済を続けていないと過払い金としては返還されません。
ただし、支払った利息の一部が元本に充当される結果、
借入残高が減少するケースは多いです。

2007年09月19日

改正道路交通法

飲酒運転やひき逃げについて罰則が強化された改正道路交通法が
今日、施行されます。

例えば、
酒気帯び運転の罰則は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金
(従前は、それぞれ1年以下、30万円以下)、
酒酔い運転の罰則は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金
(従前は、それぞれ3年以下、50万円以下)となりました。

これまで共犯の規定(幇助犯)で対応してきた
酒酔い・酒気帯び運転の車両に同乗した人や、
酒類提供・車両提供をした人については直接の罰則規定が設けられました。

2007年09月12日

公訴時効

犯罪行為が終了した時点から起算して、一定期間が経過すれば、
その後の起訴は許されないとされています。
これが公訴の時効です。
「一定期間」は法定刑の重さによります。
殺人罪など最高刑が死刑にあたる罪については、25年。
年金問題に関連して出てくる業務上横領の場合は、7年です。

2007年08月30日

不動産の登記

土地や建物を買うと、その登記をするのが一般的です。
なぜ登記するのでしょうか。

土地や建物の所有権も、契約の条件に従って、
例えば、代金の全部を支払ったときに移転します
(先に所有権は移転し、代金を後払いにすることもあり得ます)。
そのようにして、土地や建物の権利を取得したとしても、
第三者に対しては、登記をすることによって初めて権利を主張できます。

売主Aさんが、まずBさんから代金をもらい、Bさんとしては、
所有権を取得しているにもかかわらず、登記をしていないことをいいことに、
Aさんが、Cさんに対して、同じ物件を売却し、
Cさんに対しては、登記を移転した場合、
原則として、登記をしているCさんがBさんに対して権利を主張できる、
つまりCさんが勝つのです。

これを登記の対抗力といいますが、
そもそも未登記の建物もたくさんあります。
登記がなければ所有権を主張できないというわけではなく、
上記のような場合に、第三者に対抗できるかどうかの問題なのです。

2007年08月22日

文書の偽造

文書偽造の罪では、公文書と私文書が区別されます。
公文書は、公務所(国などの機関)または公務員が
その職務権限に基づいて作成する文書のこと、
私文書はそれ以外の文書ですが、
権利義務または事実証明に関する文書を指します(契約書や履歴書など)。

そして、行使の目的でこれらの書類を偽造した場合で、
印章・署名があればより重く処罰されます(有印公(私)文書偽造)。
もっとも、署名は記名で足りるため、むしろ「無印」の文書偽造は少ないでしょう。

2007年08月21日

児童の定義

児童福祉法では、児童は満18歳未満の者をいい、
さらに次のように分けられています。
乳児 満1歳に満たない者
幼児 満1歳から、小学校就学の始期に達するまでの者
少年 小学校就学の始期から、満18歳に達するまでの者

家庭での養育が困難などの事情で児童福祉施設に入所する場合、
2歳前後(事情により小学校就学前)まで乳児院で過ごすことが多いようです
(その後は児童養護施設へ措置変更となる)。

2007年08月09日

公正証書

公正証書は、公証人(法曹経験のある公務員です)が法律に従って作成する
公文書のことです。
公正証書化が必須とされる契約は多くはありませんが、
遺言を公正証書にする(公正証書遺言)のは一般的ですね。

そのほか、どんなときに公正証書を作成するのでしょうか。

例えば、お金の貸し借りについては、「金銭消費貸借契約書」といった書面を
当事者間で作成するのが一般的ですが、借主が返済義務を行った場合に、
借主の財産に対して強制執行をかけようとしても、ひとまず裁判所の判決を
もらわなければなりません。

しかし、お金の貸し借りについて公正証書を作成しておけば、
債務者(借主)が返済義務を怠った場合でも、
裁判をしなくても、直ちに強制執行できるのです。

また「公文書」ゆえに証明力が高いこと、
第三者である公証人が関与することで、当事者の義務も明確になり、
約束事(契約内容)が守られる可能性が高まることなども、
公正証書にするメリットです。

2007年08月06日

保証人

「他人が借金をするときに保証人になり、
忘れたころに、いきなり請求を受けました。どうしたらよいのでしょう」
という相談は非常に多いです。

保証には、(単純)保証と連帯保証があり、
どちらも保証人と債権者の間の契約ですが、多くが連帯保証契約です。
連帯保証契約の方が、債権者に有利だからです。

つまり、(単純)保証の場合は、
「先に借主(主債務者)に請求をして下さい」と言えたり、
「借主(主債務者)の財産から先に処分して下さい」と言えたりしますが、
連帯保証の場合は、そうした主張(抗弁)が認められません。
債権者は、連帯保証人に対して、主債務者と同じように請求することができます。
連帯保証人になるということは、主債務者と同等の重い責任を負うことなのです。

2007年08月02日

中傷発言

刑法には、名誉毀損罪と侮辱罪という規定があります。
事実を摘示して批判などをした場合、仮にそれが真実であっても
その人の社会的評価を低下させるものであれば、名誉毀損にあたります。
「うちの会社の○○さんは、△という犯罪を犯した」といったものです。
侮辱罪の場合は、事実の摘示が不要で、
その人の社会的評価を低下させるような抽象的な批判で成立しうるものです。
実際に刑事事件になることはごくまれですが、民事的な紛争は少なくありません。
その場合は、慰謝料請求などの形で争われます。

2007年07月20日

マンションの売却(管理費の請求)

マンションの(区分)所有者が管理費や修繕積立金などを滞納したまま、
そのマンションを売却することがありますが、
滞納している管理費などは、
区分所有法に定めにより、買主にも支払義務が認められます。
そのマンションが競売にかかっていた場合も同じです。
競売にかかるような場合は、滞納が長期にわたることが多く、
買い受けた人にかなりの負担となることがあります。

なお、管理費等の消滅時効は、支払時期から5年です。

2007年07月12日

遺族年金

妻と別居し、別の女性と同居していた(内縁)夫が死亡したとき、
遺族年金の受給権が、法律上の妻にあるのか、内縁の妻にあるのかが
争われるケースが少なくありません。

平成19年7月12日付日経新聞によれば、東京高裁は、
別居期間6年5ヶ月程度の夫婦のケースで、法律上の妻に
遺族年金の受給権を認めたとのことです。
遺族年金は原則として、法律上の妻に受給権が認められますが、
その夫婦の婚姻関係が形骸化しているような例外的な場合は、
受給権が否定され、内縁の妻に受給権が認められることがあります。

この事例では、
・離婚の合意が成立していない、
・慰謝料などの支払いがない、
・別居後も妻と夫の間に経済的依存関係があった
・家族間の交流があった
ことなどを理由に、婚姻関係が形骸化しているとは言えない
と判断し、原則通り法律上の妻に受給権を認めたようです。

2007年07月11日

クレジットカードの情報漏洩

個人の情報の中でも、特に経済的な損害に直結するのが、
クレジットカードの番号。
信販会社などの従業員が故意に流出させた場合でも、
その媒体に対する窃盗罪として罪に問うことはできるとしても、
罰則での制裁が手薄で、
情報そのものの保護には欠けるという指摘がなされていました。
平成19年7月11日付日経新聞によれば、
今後、懲役刑も含め、罰則を科す方向で検討がなされるとのことです。

2007年06月26日

不法行為による損害賠償請求権の消滅時効

不法行為による損害賠償請求権の消滅時効期間は3年です。
その「3年」は、被害者(またはその法定代理人)が損害及び加害者を知ったとき
から起算されます。
損害が発生したことと、損害賠償請求をする相手方を、いずれも知ったときから
進行するわけです。
例えば、加害者が長期にわたり判明しないこともあり、そのような場合は、
「3年」の消滅時効期間が進行しないのですが、
そのような場合でも、不法行為の時から「20年」が経過すれば、
請求権は消滅します。
この「20年」の経過による請求権の消滅については、
期間の経過により画一的に考えるものとし、
被害者の認識がどのようなものだったかを考慮しない、というのが
裁判所の基本的な考え方です。

2007年06月19日

不動産売買

不動産売買の一般的な手続の流れを追ってみます。

まず売買契約書を作成します。
売買契約書の中に、手付金の額や、決済日を定めます。
住宅ローンを利用する予定の場合には、住宅ローンの審査が下りず、
ローンがつかないことが明らかになれば、白紙解約になる
(手付金も含め返金する)という内容の特約を盛り込むのが一般的です。

決済の日には、司法書士の方が同席して、
買主に所有権移転登記手続をするために必要な書類を確認します。
不動産に抵当権などが設定されていた場合は、抵当権を抹消するための
書類の準備も必要です。
司法書士の方から「これで契約どおり登記が移転できる」とOKをもらうと、
その場で代金が支払われ、取引は終了
(抵当権を抹消するために売主から債権者への返済が必要な場合は、
このときに債権者に支払われます)。
代金の支払いと登記の移転(のために必要な書類の交付)を引き換えにするのが
一般的といえます。

2007年06月14日

特定商取引に関する法律

大手英会話学校が新規契約などの一部業務停止(6ヶ月間)を
命じられたことが報道されています。
特定商取引に関する法律(特定商取引法)に違反した行為があったと
認定されたためです。

英会話学校など「語学の教授」というサービスを提供する契約で、
2ヶ月を超え(2ヶ月ちょうどを含みません)、支払額が5万円を超えるものについては、
特定商取引法にいう「特定継続的役務提供契約」に該当します。
「特定継続的役務提供契約」に該当するとなれば、
特定商取引法が定める様々なルールが適用されます。

最も分かりやすいのが、クーリング・オフという制度。
語学の教授を受けるような契約の場合は、契約書面を受領した日から
8日間は、特別な理由がなくても、消費者側から一方的に契約を解除できます。
(購入した化粧品を使用してしまった場合など除外されるものもあります)
そして、8日間が経過した後も、中途解約は可能です。
クーリング・オフの場合、8日間の間にポイントを消化していても、
その代金を支払うことなく、支払った代金を全額返金してもらうことができますが、
中途解約の場合は、利用した分の代金と法律で認められた範囲の損害金を
支払う必要があります。

これらの制度は、消費者の権利を保護するために
特定商取引法が特別に認めているものです。
特定商取引法の適用がない契約では、
原則としてこのような解除が認められません(他の法律で認められる場合があります)。

2007年04月27日

告知義務違反

生命保険に加入するときは、
「告知書」に現在及び過去の健康状態などを記載しますね。
これに違反した場合、いわゆる告知義務違反があった場合の処理については、
商法に規定があり、
契約者または被保険者が、悪意または重大な過失により、
重要な事実の不告知または不実の告知があった場合は、
保険会社は契約の解除をすることができると規定されています。

何が「重要な事実」にあたるのかについて、
生命の危険を測定するにつき、影響ある素質を有する事実をいい、
必ずしも直接死の原因となったもの、または死の転帰を見るべき性質の
ものであることを要しないとの判例があります。

この契約解除は、「将来に向かって」効力を生じるため、
契約者が支払った保険料は返還されません。

ところで。。。久しぶりに商法を見ると、なんだか読みづらい。
会社法が口語化されて読みやすくなったことを実感しました。。。

2007年04月25日

自動継続定期預金の消滅時効

自動継続特約のついた定期預金について、
解約の申し出をしないまま自動的に継続されている場合、
その預金の払戻しを受ける権利がいつ消滅するかが争われた事案で、
最高裁判決がありました。

預金払戻請求権の消滅時効の問題です。
民法では、債権は10年間行使しないと消滅する、
消滅時効は、権利を行使することができるときから進行する、
と定めています。

銀行側は、最初の満期日(本件では昭和63年のこと)から消滅時効が進行するので、
解約申し入れのあった時点(本件では平成14年のこと)では既に消滅時効が完成している
と主張していましたが、
最高裁は、解約を申し出た後の満期が到来した日
(本件は1年の定期預金なので平成15年のこと)から消滅時効が進行すると判断しました。

自動更新をやめるかどうかは預金者の自由。
それなのに、初回の満期日前に、継続を停止する申入れをして、
初回満期日に預金の払戻しを請求することを前提にして、
「初回満期日から預金払戻請求権を行使することができる」と解することは、
預金者にその行為を行うよう要求するに等しく、
自動継続定期預金契約の趣旨に反する、というのがその理由です。

2007年04月24日

甲区と乙区

不動産の登記簿謄本は、仕事で触れることの多い資料の一つで、
不動産が関係する案件では、必ず目にします。
法務局で入手できますが、最近は、コンピューター化が進み、
遠方の管轄のものでも、近くの法務局で入手することができるので、
とても便利になりました。

不動産の登記簿は、表題部・甲区・乙区に分かれています。
表題部にはその物件の所在や面積などの情報が
甲区には、所有権に関する権利に関する情報が、
乙区には、所有権以外の権利に関する情報が
それぞれ記載されています。

甲区で、「持ち主」を特定し、
乙区で、「抵当権」など、その物件に対して第三者が持っている権利
(持ち主の側からすると、「負担」)の有無を確認します。

2007年04月13日

未成年後見人

未成年者の親権者が亡くなった場合は、
後見人が選任されなければなりません。
祖父母が後見人になるケースも多いですが、
血縁関係があるからといって直ちに後見人になるわけではなく、
家庭裁判所に後見人選任の申立てをして、
裁判所により選任されることにより後見人になります。
ただし、最後に親権を行使していた者は、
遺言で後見人を指定することができます。

後見人になれば、戸籍の届出が必要で、
未成年者の戸籍には、未成年後見人が就任した旨の記載がなされます。

2007年04月10日

ネット代金詐欺

インターネット上の売買では、決済を先にして、
後に商品が届くかは少なからず不安なところがあります。
事実、代金先払いを悪用した詐欺も増えているようです。

このような通信販売を規制する法律は、「特定商取引に関する法律」
ですが、この法律で「代引き」などの選択肢を設けるよう企業に義務づける
ことも検討されているようです。

平成19年4月10日付日本経済新聞では、
個人の通販事業者と購入者との間をつなぐ仲介的な会社が、
商品の配送や決済を代行する「ドロップシッピング」について触れられています。
個人は在庫を持たなくてよいため、通販事業へ参入しやすくなる反面、
販売責任の所在が曖昧になっているという指摘があります。

2007年03月30日

いよいよ年金分割

今朝はものすごい雷でびっくりしましたが、
被災地は大丈夫でしょうか。

4月1日から年金分割制度が始まります。
この制度は「熟年離婚の激増を呼ぶ」という形も取り上げられましたが、
私や友人の弁護士の間では、相談が爆発的に増えたということも、
今のところありません。
年金額全額ではなく、婚姻期間中の厚生年金の実績を分ける制度であり、
分割割合も自動的に2分の1になるわけではありません。
多くの場合、離婚を決意させるような額ではないのかもしれません。

2007年03月23日

地価の公示

22日に発表された公示地価。
都心部の地価はぐんぐん上がっているようです。
大阪梅田や御堂筋沿いでは40%上昇というところもあるのだとか。
昨年あたりから不動産に関係する相談も多くなっているように思います。

しかし、銀座の「1坪1億超」というのにはため息が出ます。

2007年03月14日

振り込め詐欺対策

平成19年3月14日付日本経済新聞によれば、
十分な理由によって、
振り込め詐欺に利用されていると判断された
預金口座取引を停止して、被害者に返金することを認める
法案の骨子がまとまったとのこと。
「だますしくみ」が巧妙になって被害が減少しないのなら、
お金の流れを止めて、被害者を救済しようとするものです。

2007年03月13日

祈祷の規制

平成19年3月13日付日本経済新聞によれば、
占いで不安をあおられ、高額の祈とう料金を請求された
という相談が多いことから、
特定商取引法を改正して、「祈とう」や助言・指導といった
サービス(役務)に対して規制を行う方針であるとのことです。
冷静さを回復してから解約できる(クーリング・オフ)というのは、
消費者保護の意義が大きいと思います。

2007年03月12日

マンションの滞納管理費

中古マンション購入時には、前の所有者が、
マンションの管理費や修繕積立金を滞納していないかを確認する必要があります。
滞納がある場合、その支払義務は購入者に引き継がれるからです。

仲介業者を通している場合は重要事項説明書の中で明示されますが、
前の所有者と直接やりとりする場合は、
後で思わぬ負担となるおそれがあります。

前の所有者はこれにより支払義務を免れるわけではありませんが、
購入者が支払った後に前の所有者に請求したとしても
支払ってもらえない可能性が高いので、
通常は、マンションの売買代金の決済の際に処理することになります。

2007年02月28日

保険の特約

平成19年2月28日付日本経済新聞に、
「がん特約」の問題点が指摘されていました。
がんなどにかかった場合に保険金が受け取れる特約は、
患者の経済的負担を軽減するものですが、
告知を受けていない患者について、請求していない(保留)のケースが
見受けられるということ。
保険会社ががんの事実を知ったとして、
保険会社側から患者に請求の手続をさせようとすると、
患者への告知になってしまうなど、積極的な対応には限界があります。
家族が代理請求できる制度もあるようですが、
このような請求が可能なことや、特約の存在自体を、
混乱の中でも忘れないようにする、保険会社側の配慮が期待されますね。

2007年02月06日

好意同乗

友人などが無償で自動車に同乗しているときに、
運転者の過失により事故が発生し、
その友人などが負傷した場合、
運転者は損害賠償義務を負います。

では、好意で乗車させたことを理由に、賠償額が減額されるでしょうか。
この場合、好意同乗というだけでは減額される可能性は低く、
その好意同乗者が事故に寄与した場合や、
好意同乗の態様に何らかの落ち度があるなど、
いわば特別な場合に、過失相殺と同様の考え方により
減額がなされる可能性があるに過ぎません。

2007年01月31日

刑事裁判への被害者参加

刑事事件の被害者が裁判手続に積極的に関与する制度が
導入されるようです。
平成19年1月31日付日本経済新聞によれば、
被害者が被告人に直接質問したり、自ら考える量刑について意見を
述べることができるようになる制度を盛り込む、刑事訴訟法の改正案が
提出されるとのことです。
生命や身体にかかわる重大事件に限定されますが、
検察官の求刑と異なる量刑を主張できる(ただし、法定刑の範囲内に限定)
というのはこれまでと大きな違いです。

◇法定刑=刑罰法規によって定められている刑
       その定められた範囲内で刑の言渡しがある
  求刑=検察官が述べる意見
 宣告刑=裁判で言い渡される刑

2007年01月16日

約款

医療保険について、実際に保険金を請求したところ、
支払を拒否されて加入者が困惑するケースがあることから、
保険会社側の契約時の説明義務をより適切にしていこうといった流れが
あるようです。

中には、社内の内部規定で支払を拒否するケースもあるようですが、
大半は「約款」に記載されているものです。
約款は、特定の種類の取引に関する定型的な契約条項であり、
保険契約だとかなりのボリュームになります。
このような大量の取引に関して作られる約款に関しては、たとえ、
消費者が約款の内容を十分に理解していなくても拘束されてしまいます。
だからこそ、勧誘時・締結前の説明は適切に行われる必要があります。

2007年01月11日

新手の振り込め詐欺

「裁判所からの支払命令」を装い、金銭の支払いを求める
電子メールが送信されているとのこと。
報道によると、メールは、「支払命令」と称するもので、
最近の法改正により、メールで命令を送達することができるようになった、
という説明付きだそうで、この大胆な手法に驚きました。
メールが一般化してきたことのあらわれなのでしょうが、少なくとも現在は、
裁判所からメールで支払を求められることはありませんので、
くれぐれもご注意ください。

2006年12月21日

取引履歴の開示

消費者金融から借り入れをしていたところ、返済が難しくなり、
その債務について整理しようとする場合、まずは、
消費者金融に対して、取引履歴を開示するよう申し入れます。
顧客側は、借入れと返済の記録を取り置いていないことがほとんどですが、
開示された取引履歴をもとに、
利息制限法の上限を超えて支払った利息を元本部分に充当するための
再計算をすることになります。
結果として、利息を払い過ぎて、消費者金融に対し、その過払金の返還を
求めることが可能な場合もあります。
20日、消費者金融の一社が、取引履歴を開示に関する不正を理由に
業務停止命令を受けています。

2006年12月20日

仲介手数料

不動産業者へ売買の仲介を依頼し、契約が成立したときには、
約定の報酬(仲介手数料)を支払うことになります。
契約成立後、解約手付による解除がなされたとしても、
支払義務があることになります。

ただし、不動産購入代金の融資の不成立が解除条件とされている場合、
つまり、ローンがつかず、契約が白紙になった場合は、
業者は、受領済みの報酬の全額を返還しなければならないとされています。

2006年12月08日

慰謝料とは

慰謝料とは精神的損害に対する賠償のことです。
不法行為が存在し、これによって精神的苦痛を生じさせた場合は、
その精神的損害を賠償しなければならないという規定があります(民法710条)。

訴訟では、原告が請求した範囲で、裁判所がその裁量によって定めます。
被害の程度や、不法行為の態様、加害行為者に故意・過失の程度、
当事者の経済状況(財産)、社会的地位・職業などの一切の事情が考慮されます。

2006年11月28日

前納授業料の返還問題

新年度が開始前に入学を辞退した場合、
入学金や前納受領料が返還されるかどうかが争われていた訴訟で、
最高裁の判断が出ました。

学則では、「既納の学費はいかなる理由があっても返還しない」とされており、
その有効性が問題となりました。
判決では、
①「入学金」は、その納付により、大学に入学できる地位を取得するので、
その後、在学契約が解除され、
あるいは失効したとしても、大学は返還義務を負わない、
②「不返還特約」のうち、授業料に関する部分は、在学契約の解除に伴う
損害賠償の予定または違約金の性質を持つ、
③3月31日以前に入学辞退の申し入れがなされた場合は、
授業料を返還する義務を負う、
と判断しました。

平成13年に施行された消費者契約法は、
消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項のうち、
事業者側に生じる平均的な損害を超えるものは、
その超える部分について無効とする規定をおいています。

この規定を適用し、
在学契約が大学の入学年度の開始前である3月31日以前に解除された場合は、
大学に生ずべき平均的な損害はないとし、授業料を返還しないという特約の
全部を無効としました。
ただし、推薦入学など、他の受験者よりも有利な条件で入学できる地位にある場合は、
その学生が入学する蓋然性が相当程度高いため、
特段の事情がない限りは、授業料の返還を請求できないということです。

2006年10月30日

PL法と期間制限

製造物責任法(PL法)は、
製造物の欠陥により人の生命、身体または財産に被害が生じた場合に、
製造業者等に責任追及するための法律です。

PL法は平成7年に施行されましたが、
それ以前も民法上の不法行為として損害賠償請求は可能でした。
PL法は、製造業者等が、自ら製造、加工、輸入または一定の表示をし、
引き渡した製造物の欠陥により上記のような被害が発生したときは、
過失の有無にかかわらず、
これによって生じた損害を賠償する責任があることを定めています。
製造業者は、
その当時の知見によって欠陥を認識することができなかったことを
積極的に立証しなければ、この責任を免れることはできません。

ただし、製品が流通してから10年経てば、
除斥期間の満了により、損害賠償請求権は消滅します。
この場合は、通常の不法行為に基づく損害賠償請求をすることになり、
PL法とは違い、製造業者の「過失」を被害者が立証することになります。

2006年10月27日

少年事件の保護処分

奈良で発生した少年の放火殺人事件についいて、
中等少年院送致の審判がなされました。

家庭裁判所の審判の内容は、次のようなものです。
・不処分、審判不開始
・保護観察
・児童自立支援施設・児童養護施設送致
・少年院送致
・検察官送致決定(逆送)

一定の重大な事件について、成人と同様の刑事処分を
受けさせる必要があると認められたときは、検察官に送致され(逆送)、
検察官が少年を起訴し、成人と同様の刑事手続が開始されます。

家庭裁判所は少年の資質や家庭環境が調査し、
審判の判断材料となります。
今回は、厳格な規制の下にある刑務所では、
これまでの父親による養育環境と相似形になるおそれがある
として少年院を選択したと報道されています。
今日の新聞には父の手記が掲載されていますが、
遺族の処罰感情が強くないことや、
多数の嘆願書が裁判所に寄せられるなど社会感情が厳しくないことも
指摘されたということです。

2006年10月17日

賃貸住宅の保証人

家を借りるときには、契約時に連帯保証人を要求されるのが一般的です。
ただ、最近は、保証人に頼らずに家賃不払いに備えるサービスも
広がっています。
10月17日付日経新聞によれば、
賃貸住宅仲介会社大手が、このサービスを強化するとのこと。
借主が保証会社と保証委託契約を締結して、
賃料に上乗せして保証料を支払うことになります。

不払いになったときに、保証人は突然、数ヶ月分の
賃料の請求を受けるわけですが、
保証人が絶対に支払えるというわけでもないので、
家賃保証サービスは今後も普及していくのではないでしょうか。

2006年10月06日

侵入行為の防止

つい先日、不動産の取引の待ち時間に、
マンションの窃盗被害の話題が出てきました。
ドアの新聞受けの部分を壊して中に手を入れ、
かぎをあけるというのが多いそうですね。

それから数日後、
マイナスドライバーを所持していたとして逮捕されたことに
関する相談がありました。

平成15年に「特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律」が
成立・施行されています。

この法律で所持が禁止されるのは、
特殊開錠用具
(ピッキング用具=かぎを用いず、破壊することなく回転させるための器具など)と
指定侵入工具(ドライバー、バールその他の工具で、
建物錠を破壊したり、玄関や窓などを破るために使用されるもののうち、
建物への侵入の用に供されるおそれが大きいものとして政令で定めるもの)
です。

業務その他正当な理由による場合を除いては、特殊開錠用具を所持したり、
指定侵入工具を隠して携帯してはならないとされ、
違反の場合には、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に
処せられることになります。

2006年10月04日

証言拒絶の理由

民事訴訟法上、裁判所は特別の定めがある場合を除き、
誰でも証人として尋問することができるとされています。
ただし、例えば、手形・小切手訴訟では、
手続の迅速の観点から証人尋問が許されない
という特別の定めがあります。

尋問に際して、証言を拒絶できる基準について、
10月3日、最高裁の判断がありました。

法律上、証言拒否が認められる場合として、
・公務員の尋問(職務上の秘密について尋問する場合に監督庁の証人が必要)
・医師、弁護士等の守秘義務に属する事項についての尋問
・技術又は職務の秘密に関する事項についての尋問
が規定されています。

今回問題となったのは記者が取材源に関する証言を拒否できるか、でした。
最高裁は、次のとおり判断して、証言拒絶に正当な理由があると判断しました。

・職業の秘密とは、その事項が公開されると当該職業に深刻な影響を与え
以後職業の遂行が困難になるものを指す
→取材源については、それがみだりに公開されると信頼関係が失われ、
将来にわたる自由で円滑な取材活動が妨げられ、報道の業務に深刻な影響を与え、
以後職業の遂行が困難となるので職業の秘密にあたる。

・「秘密」に当たるとしても、そのうち特に保護に値する秘密についてのみ
証言拒否ができると解される

→保護に値するかどうかは、秘密の公表によって生じる不利益と証言の拒絶に
よって犠牲となる真実発見と裁判の公正とを比較して判断される

→今回の報道は公共の利害に関するものであることが明らかで、
取材の手段、方法が一般の刑罰法令に触れることもない。
事件そのものが社会的意義や重大な民事事件であるかは未だ明らかでない。

あまり身近でない問題ですが、
報道の意義が重視されていることがよくわかる事例といえます。

2006年09月26日

権利証の紛失

所有不動産を売却することになったのに、権利証が見あたらない、
というケースは割と多いです。
いつの間にか紛失してしまった、あるいは盗難にあった場合、
どうなるでしょうか。

不動産の権利証は、不動産の所有権が移転された後に発行される登記済証
のことで、再発行はできません。
ただし、権利証を紛失したとしても、所有権が失われるわけではありません。
仮に第三者の手に渡ったとしても、
権利証だけでは、不動産を売却することはできません。
売却に際しては、実印と印鑑証明書が必要だからです。

万一、実印・印鑑証明書とともに権利証を紛失し、
あるいは盗難された場合は、その悪用の危険性があるため、
この不動産について登記申請があったときは知らせて欲しい旨の
法務局への上申、
司法書士会への周知依頼を行うべきこととなります。

なお、司法書士等によって、
本人確認(確かにこの不動産の所有者であることの確認)を行うことにより、
権利証がなくても不動産を売却することは可能です。

2006年09月25日

内容証明郵便の受取拒否

内容証明郵便によって書面を送付する理由はさまざまですが、
この郵便が到達しなければ法律上の効果が認められないものと
この郵便そのものは特別の法律上の効果を発生させず、
単に送付する側の強い意志を示したり、念のため告げておく、という程度の
役目に過ぎないものなどがあります。

したがって、後者の場合は、その郵便が受取拒否されても、
特別な問題は発生しません。

郵便の到達が問題となる前者の例としては、
「解除」「請求」の意思表示などです。
このような郵便が配達されたとき、相手方が受取拒否をしたら、
どうなるでしょうか。

相手方が受取拒否をした場合は、判例上、「到達した」と認められています。
なお、不在の場合は、持ち帰った旨の連絡票が入っており、
その留置期間内に受取に来なければ、差出人に返送されます。
その場合、意思表示が到達したとはいえない場合も多いと思われますが、
当事者間のやりとりの経過から、相手方がその郵便の内容を推測できたことや、
受領がさしたる困難もなく容易に行うことができたことなどの事情から、
「到達した」と認めた最高裁判例もあります。

2006年09月12日

裁判上の和解

9月12日付の日経新聞によれば、
新築マンションにホルムアルデヒドを含む建材が使用されていたことが原因で、
入居後頭痛やめまい、発疹などシックハウス症候群の症状を発症したとして、
住民が売主や建材製造元に対し、
損害賠償を求めた訴訟で、訴訟上の和解が成立したそうです。
被告となった各社が連帯して解決金を支払うが金額は公表しないとのこと。

本件について詳細は把握していませんが、
一般的に、訴訟で被告の責任がまだ明確になっていない段階や、
法的責任についてはかなりの争いがある場合でも、
紛争を早期に解決し、原告側の被害の実情を考慮して、
被告が「解決金」の支払に応じることもあり、
そのような場合には、「金額を公表しない」という条項を
和解内容の一つとして盛り込むこともよく見受けられます。

2006年09月08日

危険運転致死傷罪

福岡市で幼児3人が死亡した自動車事故について、
加害者に危険運転致死傷罪が適用される見通しだということです。

自動車事故によって人を傷つけ、あるいは死亡させた場合、
通常の事故であれば、業務上過失致死傷罪に該当しうるのですが、

1)アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態での運転、
2)その進行を制御することが困難な高速度で、
またはその進行を制御する技能を有しない状態での運転、
3)人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、
その他通行中の人又は車に著しく接近し、
かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度での運転
4)赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、
かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度での運転

このような態様で人を負傷させた場合は、15年以下の懲役
人を死亡させた場合は、1年以上の有期懲役(20年以下)
に処せられます。
業務上過失致死罪では、懲役5年以下と定められていることからすると、
格段に重い犯罪類型ということになります。

2006年08月31日

未公開株事件

昨年あたりから大きな問題となっている未公開株事件。
「近く上場する株を特別に提供します」という勧誘を受け、
高額の代金を支払ってしまったというものです。
確かに、「必ず儲かる」「3倍になる」など、できすぎの投資話なのですが、
実在する法人の株式で、資料なども提示され、株券の引き渡しも伴うなど、
信頼させるに値する勧誘がなされています。
また、未上場の場合、多くに株式譲渡制限が付されていますが、
「上場制限が解除された際には、名義書換をする」旨の念書などが
差し入れられ、信用する材料になっているようです。

売買代金を取り戻そうにも、詐欺等で摘発されれば、回収は著しく困難になります。
新聞報道などにより注意喚起もなされていますが、
さらに巧妙化して発現するおそれもありますので、要注意です。

2006年08月22日

贈与とは

贈与契約は、一方が、自己の財産を無償で相手に与える意思を表示し、
相手方がこれを受諾することによって成立します。

つまり、合意のみによって成立し、
書面に残さなくても贈与契約は有効ですが、
書面によらない贈与は、各当事者が撤回できます。
これによって、軽率な贈与を防止する効果がありますが、同時に、
口頭のみによる贈与は、いつ撤回されるか分からないということになります
(ただし、履行の終わった部分については、撤回はできません)。

2006年08月21日

敷地と道路の関係

土地を持っていても、建物を建てることができない場合があります。
都市計画区域内で建物を建てるには、その敷地が建築基準法で定められた
道路(原則として幅員4メートル以上)に原則として2メートル以上
接していなければなりません。

建築基準法上の「道路」とは、
公道で幅員が4メートル以上のもの
特定行政庁から道路位置の指定を受けた幅員が4メートル以上の私道
(いわゆる位置指定道路)
2年以内に公道になるものとして特定行政庁が指定したもので、
幅員が4メートル以上のもの
建築基準法が施行されたときにすでに建物が建ち並んでいる道路で、
幅員が4メートル未満のもので特定行政庁が指定したもの
(いわゆる2項道路)

道路と敷地の関係は、とても重要だということになります。

2006年08月18日

時効取得の要件(所有の意思)

さて、時効取得の要件のうち、
「所有の意思」をもって占有する、とはどんな態様でしょうか。

これは「自分のものにしよう」という内心の意思ではなく、
占有の態様によって客観的に決定されます。
例えば、土地を占有しているとして、
誰かに使用の対価を支払っていれば、それは一般的にみて、
土地を借りていることの表れといえ、所有の意思は認めがたいでしょう。

ただ、所有の意思は、法律上推定されます。
したがって、時効取得の相手方が、積極的にこの推定を覆す立証作業を
することになります。

所有の意思を否定するには、
「占有者がその性質上所有の意思のないものとされる権限に基づき
占有を取得した事実」を証明する(例えば、賃貸借契約の存在など)か、

「占有者が占有中、真の所有者であれば通常とらない態度を示し、
もしくは、所有者であれば当然とるべき行動に出なかったなど、
外形的客観的に見て、占有者が他人の所有権を排斥して占有する意思を
有していなかったものと解される事情」を証明する必要があります。

2006年08月17日

取得時効とは

例えば、自分の土地上に建物を建て、長年居住していたところ、
実は、その土地の一部が他人のものだった場合、
その一部分を明け渡さなければならないでしょうか。

この場合、取得時効が問題になります。
取得時効とは、一定期間、一定の態様で占有を続けたことを理由として、
その所有権を主張できるというものです。

占有していた者が所有権を主張できるのですから、
もともとの土地の所有者は所有権を失うことになります。
よって当然ながら、時効取得の要件が定められています。

所有権の時効取得については、
20年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有することを
要しますが、
その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、
10年間の占有により、その所有権を取得するとされています。

2006年08月08日

刑事事件の判決

刑事事件の判決は、口頭による宣告によって効力が発生します。
法廷で宣告された内容と、判決書の記載とが違う場合も起こりえます。

8月8日付日経新聞によれば、
恐喝未遂罪で起訴された男性について、
裁判官が、懲役1年2月の実刑を言い渡したところ、
判決書には1年6月と記載されていたことに検察側が気づき、
非常上告の結果、最高裁により、判決書の主文が破棄されました。

*非常上告
検事総長は、判決が確定した後その事件の審判が法令に違反したことを
発見したときは、最高裁判所に非常上告することができる。

2006年07月26日

電話機リース販売業者に対する業務停止命令

7月25日、経済産業省は、訪問販売によりビジネス用電話機の
リース契約締結のための勧誘を行っていた事業者に対して、
特定商取引法上の違反行為があったとして、
業務の一部を停止するように命じました。

訪問を受けていたのは、
事業所が自宅と同一等のため、電話機を事業用に利用することはほとんどなく、
主に個人用として使用している小規模事業者の方々や、
既に廃業した方々が多いのです。

大手電話会社からきました、
電話料金が安くなります、
といった言葉で勧誘し、
リース契約の法的な仕組みも正確に伝えていませんでした。

電話機リースの問題については、
京都や大阪で弁護団が結成されるとのこと。
これからの動きが注目されます。

2006年06月26日

刑事訴訟で損害賠償を求めること

6月25日付日経新聞によれば、
法務省は、刑事訴訟手続の中で、損害賠償の心理を行い、
有罪の場合は、同じ裁判官が賠償命令を出す制度を導入する方針とのことです。

現行法上、民事訴訟と刑事訴訟は区別されており、
刑事訴訟の結果を民事訴訟で利用するためには、刑事訴訟で
採用された証拠を、被害者側が改めて収集して提出する必要があり、
民事訴訟の判決等を得るまでに相応の時間を要するなど、
被害者に大きな負担があるとの問題があります。

そこで、本制度は、犯罪被害者保護に資する制度として位置づけられます。
ただし、加害者の権利に配慮する観点から、
有罪かつ賠償を命ずる判断が出た後、
加害者が不服の申立をすれば、通常の民事訴訟で審理されることになるようです。

2006年06月02日

立証責任の一例

自動車が水没し、廃車になったために車両保険金の請求をする場合、
事故の発生が被保険者の意思にも基づかないものであること(保険事故の偶然性)を
請求者の側が証明しなければならないのかどうかが、
争われた事案で、最高裁は、
車両保険金の支払を請求するものは、これを
主張・立証すべき責任を負わないと判断しました。

なお、火災保険についても、平成16年に最高裁で、
保険金を請求する者は火災発生が偶然のものであることについて、
主張・立証する責任の負わないとの判断が出ています。

2006年05月31日

消防法の改正

平成18年6月1日から、
すべての住宅に住宅用火災警報器を設置することが義務づけられます。
既存住宅についても、平成23年6月1日までに設置しなければなりません。
市町村でも火災予防条例などの条例が改正されています。

しかし、この改正を不適切な価格で販売したり、
設置義務のない場所(寝室でない居室など)に設置しなければならないと説明したりする
悪質な訪問販売が発生しています。
住宅用火災警報機は、電気店やホームセンターなどで概ね5,000~15,000円程度
で販売されているそうで、取り付けのための資格も不要です。

なお、火災警報機の訪問販売に関しては、クーリングオフ制度の適用がありますので、
契約日(書面交付日)から8日間は、無条件で解約することができます。

2006年05月30日

児童虐待の通告義務

児童虐待防止法は、虐待が存在すると確信する以前の
虐待の存在が疑われる場合についても、その発見者は、
児童相談所や福祉事務所に通告しなければならないと、義務を課しています。
(法律上は、「児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者」)

今日の新聞報道によれば、公立中学校教委職員の3割以上が
この通告義務を知らないということです。
日々児童と関わる現場の先生たちには、少なくとも周知徹底されるべきですよね。

なお、この義務は「発見した者」に課されるため、近隣の住民など一般の人々にも
同様に課されていることになりますが、
誰が通告したかなどは秘密が守られますし、それでも心配な場合は、
匿名でも構わないとされています。

2006年05月24日

妻の連帯保証

離婚相談とセットになることの多い、連帯保証の問題。
夫が住宅ローンや事業資金の融資を受ける際に、妻が連帯保証人になっていて、
離婚を契機にそれを解消することができるか、という問題です。

もともと、夫婦ということから必然的に連帯保証人になったわけではなく、
自分の意思で連帯保証契約を締結したものですから、
離婚と連帯保証は別個の問題です。
よって、解消できるかどうかは、債権者(貸主)の意向次第と言わざるを得ません。
離婚したことで無条件に解消に応じてもらえることもあるでしょうし、
条件を出されて(例えば、別の連帯保証人をたてるなど)、
それに主債務者(この場合、夫)が応じることができれば、
解消に応じてもらえることもあるでしょう。
しかし、連帯保証契約の解消を認めてもらえないこともあるのです。

2006年05月09日

共謀共同正犯

国会が共謀罪の導入のための審議に入り、
日弁連からも反対意見が出ています。

現状でも、共謀しただけで、実行犯とともに「犯罪を犯した」と評価される
ことがあります。「共謀共同正犯」という概念です。
犯罪を首謀しながら、自ら手を下さない「黒幕」のような人物を処罰しようと
するものです。

共謀共同正犯の成立要件については(争いはありますが)、
①共同の意思(正犯意思)
②共謀の事実
③共謀に基づく実行行為
として、できる限り、適用範囲を厳格にするものと考えられています。

共謀共同正犯という概念も、刑法には直接規定されていないものですが、
共謀罪が曖昧なまま法律として成立してしまうことは避けなければなりません。
日弁連のホームページ→
http://www.nichibenren.or.jp/ja/special_theme/complicity_about_qa.html

2006年05月08日

公判前整理手続

最近よく新聞で見かける「公判前整理手続」は、
刑事裁判の審理を早めるために取り入れられた手続です。

一般に刑事裁判では検察側と弁護側のやりとりは
すべて公開の法廷で行われ、
裁判が始まってから検察側は証拠を提示して事実を立証し、
弁護側はそれを受けて弁護活動を行います。
複雑な事件では、審理の進行は月に1回程度のペースになり
判決までに10年以上かかることもありました。

公判前整理手続では、裁判を始める前に、
非公開で検察官と弁護士が裁判官の前でそれぞれの主張を明確にし、
争点を整理した上、証拠調べの開示や請求をし、
裁判の日程も決めてしまいます。
その結果、3日から5日間、連日法廷を開き、
合わせて1週間程度で判決まで言い渡すことを目標としています。

2006年04月05日

意思能力

契約を締結するには「意思能力」が必要です。

意思能力とは、その行為によって権利義務が変動することを
認識するに足りる能力とされ、
この意思能力を欠いた意思表示は無効となります。

意思能力が充分でない方を保護するための「成年後見制度」があり、
その制度の適用を受けていない高齢者の方などについては、
意思能力の有無は、
認知症の進行の程度やその契約の難解さなどから
具体的に判断せざるを得ません。

このように意思能力が欠けていることの立証は、
「欠けていた」と主張する者が行うことになり、
立証が難しいことも少なくありません。

2006年03月19日

保釈

保釈とは、拘留中の被告人の一時的な釈放を
認める制度です。
もちろん、後に予定されている公判期日への出頭を
条件にしており、公判期日への出頭を確保するため、
「保釈保証金」を納付させます。
万一、不出頭の場合は、この保証金は没収されます。

法律(刑事訴訟法)上は、

第89条 
保釈の請求があつたときは、
左の場合を除いては、これを許さなければならない。

と規定され、
保釈を認めないのは例外的なように思えるのですが、

この「左の場合」という項目に当てはまるとされ、
保釈が認められないケースは多いです。

①犯したとされる罪が重いとき、
前に犯した罪が重いとき
(死刑又は無期もしくは短期一年以上の懲役
もしくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき)
(前に死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役
もしくは禁錮にあたる罪につき
有罪の宣告を受けたことがあるとき)

③今回の罪に常習性があるとき
(常習として長期三年以上の懲役または
禁錮にあたる罪を犯したものであるとき)

④否認しているような場合
(罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき)

⑤御礼参りの可能性があるとき
(被害者やその親族などに危害を加えたり
脅したりするおそれがあると疑われるとき)

⑥被告人の氏名又は住居が判らないとき。

2006年03月14日

景品表示法違反

景品表示法の正式名称は、
「不当景品類及び不当表示防止法」です。

不当な景品類及び表示による顧客の誘因を防止し、
公正な競争を確保して、
一般消費者の利益を保護するのが目的の法律です。

事業者は、
商品または役務の品質、規格その他の内容について、

実際のものよりも、
著しく優良であると一般消費者に示す表示をしてはならず、

事実に相違して競争事業者に
係るものよりも著しく優良であると、
一般消費者に示す表示をしてはなりません。

また、価格その他の取引条件について、

実際のものよりも、取引の相手方に著しく有利であると
一般消費者に誤認される表示をしてはならず、

競争事業者に
係るものよりも著しく有利であると
一般消費者に誤認される表示をしてはなりません。

さらに、一般消費者に誤認される恐れがあると
認められ公正取引委員会が指定する表示も禁止されます。

2004年に有料老人ホームの不当表示に
関する規定が設けられましたが、このたび、
この規定を適用して、有料老人ホームの運営会社に
排除命令が出されました。

その内容は、実際には存在しない職員数が
ホームページに表示されていた
などというもので、

誤認されるような表示を行っている旨の公示や
入居者への通知を行い、
今後は同様の表示をしないことが命令の内容です。

2006年03月08日

成年後見

知的障害、精神障害、認知症などにより、
判断能力が不十分で、
財産管理や介護サービスなどの契約を締結することが
困難な場合や、
判断能力が不十分なために、
悪徳商法に巻き込まれるおそれがあって、
本人の利益を護必要がある場合などには、
成年後見制度を利用することになります。

成年後見制度には、本人の判断能力に応じ、
後見、保佐、補助の3種類があります。

本人の判断能力が
欠けているのが通常の状態と認められる場合は、
家庭裁判所に「後見人」の選任を申立て、
選任された後見人が、本人に代わって、
財産管理や必要な契約の締結を行うことになります。

なお、本人の状況は、
医師の診断あるいは鑑定によって判断されます。

2006年02月28日

告訴と告発

告訴も告発も、
捜査機関に対して、犯人の処罰を求める意思表示を
指します。

ただ、告訴ができる者は、
犯罪の被害者、法定代理人、親兄弟(被害者が亡くなったとき)
など、限定されているのに対し、

告発は、「何人でも」、犯罪があると思料するときは、
行うことができるのです(刑事訴訟法239条)。

告訴または告発は、
書面または口頭で、捜査機関(検察官又は司法警察員)に
対して行うものとされ、
口頭でなされた場合は、捜査機関は、調書を作成すること
とされています。

ただ、弁護士が告訴・告発に関与する場合は、
犯罪事実を具体的に指摘して、
告訴状(告発状)を提出することになります。

2006年02月20日

控訴趣意書

2月は、3週連続で東京出張でしたが、
今日で一段落。

さて、
麻原彰晃こと松本智津夫被告の
刑事事件控訴審において、
「裁判を受ける能力がある」との鑑定結果が
出されました。

一審で死刑判決がなされ、
被告人側が控訴している状態ですが、
控訴審で昨年8月に提出期限が定められた
控訴趣意書がまだ提出されていないそうです。

控訴申立人は、
控訴の理由を記載した控訴趣意書を提出しなければならず、
期限までに提出しないときは、控訴は棄却されます。

ただし、その後控訴趣意書が提出された場合、
控訴趣意書の提出が遅延したことについて、
やむを得ない事情に基づくものと裁判所が認めたときは、
期限内に提出されたものとして審判をすることができます。

今回のケースは、
まず、弁護人から控訴趣意書が提出されるのかどうか、
提出されたとして、
裁判所が「やむを得ない事情に基づく遅延」と判断するか
どうかがポイントになります。

2006年02月19日

弁護士を頼む場合。

今日(2月19日付)の日経新聞には、
シニア向けに
弁護士の探し方、選び方を考えるという記事が
掲載されています。

記事の隅には、
「弁護士を頼む場合の心得」というメモがあり、
①事実関係は隠さず話す
②予め報酬を決めておく
③準備に積極的に協力する
④時間を厳守すること
とあります。

なお、④は弁護士との打ち合わせの日時、
というよりは、
裁判所へ出頭する際に遅刻しないで頂きたい
ということです。

いずれも、弁護士が仕事を進めていく上で、
お願いしたい事項といえ、
依頼者と弁護士が信頼関係を高めるための
ポイントなのだと思います。

2006年02月15日

重要事項説明

宅地建物取引業法では、
土地・建物の売買や賃貸借などの取引に際し、
当事者がその物件に関する権利関係や、法令上の制限、
取引の条件などの重要な事項について理解した上で、
契約を締結することができるようにするため、
宅地建物取引業者に一定の重要な事項について、
書面を交付して説明を行うことを義務づけています。

これは、宅建業者の最低限の義務とされています。

例えば、

不動産の表示に関すること
(境界が明示されているかなども)
不動産に関する権利関係
(担保が設定されているか否か)
法令上の制限の有無、
私道の有無や道路の種類・幅員など
水道、ガス、電気、排水施設の整備状況
契約の解除に関するとりきめ
損害賠償の予定または違約金に関するとりきめ

などです。

なお、書面化するに至らない事項についても、
重要な事項について、
故意に事実を告げず、
又は不実のことを告げる行為
は禁止されています。

2006年02月14日

保険販売時に確認書作成

ペイオフの流れで、投資商品に近い保険商品も
多く出回っています。
保険料水準が将来的に変更になるもの、
元本割れのリスクを有しているもの、
外貨建て保険など、多種多様の保険が見受けられます。

このような保険は仕組みも複雑で、
顧客がしっかりと理解していない場合もあり、
後に、「こんなはずではなかった」
「説明を受けていない」といったトラブルも多いのです。

そこで、金融庁は、保険販売に際して、
販売員が、
顧客のニーズに沿った保険(保障範囲など)を
勧めたことを顧客が確認した上で、契約締結に
進むというルールを設けるようです。

販売員が顧客からニーズを聞き取った上、
契約時に顧客にニーズの確認を求め、
あるいは、そのニーズに合致していない点を列挙し、
顧客はそれを確認した上で、確認書に署名する
というものです。

ただ、この書面の徴収が形式的になれば、
不当な勧誘を正当化する根拠となってしまい、
顧客保護がはかれません。
適切な運用が期待されます。

2006年02月13日

自己破産件数が激減

日本経済新聞によれば、2005年の自己破産件数は、
2年連続で大幅に減少したとのことです。
自己破産事件の大半は個人破産ですが、
この個人の自己破産事件の大幅減少が
続いているようです。

ちなみに2005年の総数は、約19万2000件です。
(2003年の約25万件が最高)

2006年02月05日

架空請求に注意

まだまだ終わらない、架空請求はがき。

今日の相談は、「民事通達管理組合」からの
「司法処分出廷要請通達書」が送られてきた
というもの。

一読して、怪しい文章なのですが、
「司法処分」「裁判」「強制執行」「差押」
などの言葉が不安を誘います。

最後には、
無視すると、実際の訴訟を起こされ、
敗訴するような新しい手口の報告もある
(だから、無視してはいけませんよ)
などと、架空請求を放置した場合の危険性が付されています。

確かに、そういった前例もありますが、

支払督促や少額訴訟などの裁判所の手続については、
特別送達
(郵便局員から手渡しを受けることにより送達される)
が原則です。

不安な場合は、とにかく周りの人誰かに
相談して、意見をもらって下さいね。

2006年02月01日

通称の使用

働く女性が結婚する際に直面する「姓」の問題。

最近は、
職場で通称(旧姓)使用が一般的となりましたが、
例えば、法人の代表取締役になる場合、
旧姓では登記できません。

また、銀行口座を開設する際も、
本人確認を厳格に行う傾向があり、
むしろ通称での口座開設が困難になっているようです。

このように、
通称(旧姓)で仕事を続けようとしても
本名(戸籍上の姓、結婚後の姓)が混在してしまうため、
残念ながら、混乱が生じることも予想されます。

夫婦別姓や通称使用の問題は、
立場も二極化し、本当に難しい問題です。

2006年01月24日

堀江社長、逮捕

ライブドアの堀江社長が逮捕。
堀江社長は、私と同い年。
ここ1年の活躍に感心するばかりでしたので、
とても残念です。

逮捕事実は、証券取引法違反。
偽計取引や風説の流布があったという。

偽計とは、人を欺く行為。
風説の流布とは、根拠のないことや噂(ウソを含む)を
流すこと。

市場、特に個人投資家に与えた影響は
とてもつもなく大きいですね。
まさに、ライブドアショック。

2006年01月23日

拘置所

ライブドア社長の堀江氏が逮捕、勾留され、東京拘置所に移されました。

拘置所とは、主に、刑事裁判が確定していない未決拘禁者(被疑者・被告人)を収容する施設です。
これに対して、刑務所は、受刑者(判決を受けた服役囚)を収容して処遇を行う施設です。

なお、我が国では、逮捕された後、取り調べが終了するまでは、警察署の留置場に収容されることが多く、代用監獄と呼ばれています。

2006年01月15日

利息制限法に定める超過利息分の返済

利息制限法は、利息の上限を15~20%と
定めています。

通常、債務者は毎月一定額を支払うことで
借入金を返済します。
この一定額には、総額に対する利息が含まれており、
しかもその利息部分は、利息制限法の上限を超えるものです。

返済が滞った場合は、利息を含めて一括払いを
しなければならない、との特約(利益喪失特約)を
締結しているため、
一括払いを避けようと、毎月の支払を事実上強制されています。

ただし、貸金業法では、法定書面を交わし、
債務者が自分の意思で支払うなどの要件を満たせば、
上限を超える利息の支払いも有効と認めています。

このような契約に関し、最高裁の判断が出ました。

最高裁は、

本来、利息制限法の上限を超える部分の支払を
怠ったとしても本来は期限の利益を喪失することはないけれども、
この特約の存在は、債務者は、残元本全額を直ちに一括して
支払い、これに対する遅延損害金を支払うべき義務を負うことになるとの
誤解を与え、その結果、このような不利益を回避するために
制限超過部分を支払うことを債務者に事実上強制することに
なっている。

したがって、本件期限の利益喪失特約のもとで、
債務者が、利息として、利息の制限額を超える額の金銭を支払った場合には、このような誤解が生じなかったといえるような特段の事情のない限り、債務者が自己の自由な意思によって制限超過部分を支払ったものということはできないと解するのが相当である

として、超過部分の利息に支払につき、無効と判断しました。

つまり、高利息を支払ってきた場合、その利息の超過部分について、元本に充当して計算し、それを超える部分については、業者に対し、債務者に返還するように求めることが可能といえます。

2006年01月12日

接見禁止

今日は当番弁護士の担当日。
当番弁護士は、逮捕・勾留された被疑者が希望すれば、
一度限り無料で
弁護士に面会を求めることができる制度です。

勾留されている被疑者が弁護士以外との接見を
禁止されることがあり、これを「接見禁止」といいます。
接見禁止は、
「逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき」
主に検察官の請求により、裁判所が決定します。

接見禁止が付されている場合、
外部とのやりとりはできなくなってしまいます。
犯罪事実を否認している場合などに付されることが多いのです。

2006年01月04日

広告詐欺

私は今日から仕事始めでした。
あきないえーど(大阪市中小企業支援センター)の
法律相談へ。

そこでまた「広告詐欺」の被害相談。
新聞に名刺広告を載せたのをきっかけに、
次々と広告会社からFAXが送られてきて、
代金を請求されるというモノ。

先方は「もう掲載してしまった」と言うらしく、
それに押されて、仕方なく支払ってしまうケースもあります。

そもそも、広告を掲載するのも契約ですから、
契約が存在しない以上、
見知らぬ業者が勝手に掲載して、一方的に
請求をしてくるなどあってはならないことです。
アダルトサイトの詐欺のように、一度支払うと、
さらなる請求や名前を変えての請求が続くこともありますから、
安易な対応は避けて下さい。

この手の悪徳商法では、結果的に
小規模に商売をされている高齢者の方が
ターゲットになってしまいますが、
日常業務での契約も慎重に対応することが必要です。

2005年12月26日

「投資サービス法」制定へ

金融審議会(首相の諮問機関)は、
「投資サービス法」を提言しました。

新種の金融商品が続々と登場しているにもかかわらず、
これを規制する法律がなかったのですが、
「投資サービス法」は、
国債、社債、投資信託、株式、投資ファンド、
変額年金保険、外貨建て保険など、
広く規制対象とします。

事業者には、「リスク説明」が義務づけられます。
特に個人が投資を行う場合、自己責任が強調されますが、
自己責任の前提として、正しい商品説明が行われ、
それを理解することが必要であることは言うまでもありません。

投資サービス法は、
「貯蓄から投資」に金融資産をシフトさせるための
基盤作りの一つと位置づけられ、
2007年中の施行を目指すということです

2005年12月15日

後遺障害の出現

例えば交通事故や傷害事件により負傷し、
治療を行ったけれども、それ以上
症状の改善が望めないという状態になった時点で、
「症状固定」とされ、その時点で残った障害については、
後遺障害と認定されることになります。

示談交渉の際には、後遺障害はないとされて
示談が成立した後に、障害が出現した場合、
たとえ、「すべて解決したものとする」との示談が
成立していたとしても、
この後遺障害については、慰謝料等を請求することが
可能です。

もちろん、示談成立後に慰謝料等を請求するとすれば、
被害者が事故等と障害発症との因果関係を
立証しなければなりませんが、
その立証は時の経過とともに難しくなります。

したがって、示談をする際には、
後遺障害の有無に関して、
相応の見極めをしておく必要があります

2005年11月29日

瑕疵(かし)

民法上、売買の目的物に隠れたる瑕疵がある場合、
買主は売主に対して
契約の解除や損害賠償の請求ができるとされています。

これを瑕疵担保責任といいます。

では、まず、瑕疵(かし)とはどのような意味でしょうか。

瑕疵とは、その種のものとして通常有すべき品質や性能を
満たさないもの、または、
当事者が表示した品質や性能が備わっていないことを指します。

さらに、「隠れたる瑕疵」とは、
買主が瑕疵を知らず、または、
知り得なかった瑕疵を指します。

通常なすべき注意をしていれば知り得た瑕疵は、
これにあたりません。
よって、瑕疵があっても、売主に対して、
民法上の瑕疵担保責任が問えないのです。

2005年11月15日

振り込め詐欺

先日の夜、顧問先の社長夫人から電話が
ありました。

自宅に「変な」はがきが来ているとのこと。
とにかく読み上げてもらうと、
こんな感じです。

電子消費者民法特例法上、
法務省認可通達書となっておりますので、
連絡なきお客様につきましてはやむを得ず
裁判所からの書類通達書、指定裁判所への出廷となります。
また裁判後の措置といたしまして
給料差押及び動産物、
不動産差押を強制執行させていただきます
当局と執行官による「執行証書の交付」を
承諾していただくようお願いすると同時に、
債権譲渡証明書を一通郵送させていただきますので
承諾の上でご返送ください。
尚、書面での通達となりますので
プライバシー保護のため請求金額・支払い方法は
当局職員までご連絡ください。
以上をもちまして最終通告とさせていただきます。
裁判取下最終期日 (その翌日)

差出人は法務局認定法人

これ、全く訳の分からない文章です。

でも突然こんなのが送られてきたら本当に
びっくりですよね。
「なんかおかしいよ」と感じながらも、
不安なときは、とにかく誰かに
聞いてもらうと安心ですよね。
その上で、無視することです。
連絡すると、電話番号を知らせてしまうことになるので。

ただ、裁判所からの正規の文書は無視できません。
裁判を欠席すると、
詐欺犯人が「勝訴」する可能性が高いからです。

2005年11月02日

不動産取得税

不動産を取得した場合は、不動産取得税が課税されます、
不動産取得税は、都道府県税です。
その都道府県に所在する土地や家屋を
売買、交換、贈与、新築などによって取得した場合に、
取得した人が納めるものです。

新築した家屋について登記をしなくても、また、
贈与のように無償(タダ)でも、
不動産の「取得」にあたり、課税対象となります。

税額は、不動産の価格(課税標準額)×税率
によって算出されます。

「課税標準額」となる価格とは、
原則として、
不動産を取得したときの市町村の固定資産課税台帳に
登録されている価格ですが、
宅地等を平成17年12月31日までに取得した場合については、
固定資産課税台帳に登録されている価格の2分の1が
課税標準額になります。

なお、非課税となるのは次に該当する場合です。
1 宗教法人や学校法人が、
  その法人の本来の用に供する不動産を取得した場合
2 相続により不動産を取得した場合
3 公共の用に供する道路や保安林、
  墓地の用地を取得した場合

また、免税されるのは次に該当する場合です。
1 土地の価格が10万円未満の場合
2 建築による建物の取得の場合、
  価格が1戸につき23万円未満の場合
3 売買、交換、贈与などによる建物の取得の場合
  価格が1戸につき12万円未満の場合
   
その他、住宅については軽減措置があります。

不動産を購入した後にかかる税金への配慮も忘れずに。

2005年10月25日

動物占有者の責任

サファリパークの熊が
飼育係に危害を加えたというニュースがありました。
相応の信頼関係で結ばれているはずなのに、
熊に何があったのでしょう。

ところで、
飼っているペットが
他人に危害を加えた場合、
飼い主は、損害賠償責任を負います。

民法には「動物占有者の責任」
という規定があり(718条)、

その動物の種類及び性質に従い
相当の注意をもってその管理をした
ということを飼い主が立証できない限り、
責任を免れません。

管理に過失がなかったことの
立証はかなり困難とされ、
事実上無過失責任といえるのです。

2005年10月21日

示談

被害弁償をする代わりに
告訴を取り下げてもらう、
あるいは、
被害弁償をすることですべて解決したものとする、
場合に「示談」という言葉が出てきます。

民法上、示談とは和解契約を指します。
裁判などに持ち込むことなく、
お互いが話し合いで、相互に譲り合い、
紛争を解決することです。

示談をする際には、
示談書を作るのが一般的です。
これは示談した内容を証拠化しておく
ものですから、
示談書がなくても
示談は有効です。

内容としては、

乙は甲に対し、
被害弁償として○○円支払う。
その代わり告訴を取り下げる。

といった刑事事件に限らず、

不払いになっている借入金を一部支払えば、
その他の部分は免除してあげる
というものや

滞納している賃料の支払と
家屋の明け渡しに関する合意など

多岐にわたります。

せっかくお互いが合意したのですから、
その内容は、証拠化しておくべきでしょう。

2005年10月18日

固定資産税の課税

不動産に対する固定資産税は、
毎年1月1日(賦課期日)現在で、
固定資産を所有している人に対して課税されます。
市町村がその不動産の
実質的な所有者を把握することは困難なので、
その年の1月1日における不動産の登記名義人に
対して課税されることになります。

したがって、ある年の途中で、
不動産を売却したときでも、
納税義務者=売主(旧登記名義人)なので、
当事者間で
固定資産税の精算についても
取り決める必要があります。

起算日を4月1日として、
不動産の引渡日を基準にして、
日割りすることが多いですが、
現金で精算する代わりに、
納付書が送られてきたときに
買主に渡し、
その納付書で買主が税金を納める場合もあります。

2005年10月10日

窃盗罪に罰金刑が

現行の窃盗罪には、懲役刑しか用意されていないため、
窃盗事件のうち、
少額の万引きなどについても、
懲役刑しか選択できませんでした。

そして、それは重すぎるとの判断から、
場合によっては、
起訴猶予になる(つまり、刑罰を受けない)
こともありました。

そこで、窃盗罪についても、
罰金刑を新設する方向での
刑法改正が行われることになるようです。
レベルに応じた弾力的な処罰を可能にするわけです。

罰金刑が取り入れられると、
これまで起訴猶予に流れていた事案も、
「略式裁判」という簡易な手続ではありますが、
罰金刑=刑罰を科せられることになります。

同時に、詐欺や横領についても、
罰金刑の新設が検討されているとのことです。

2005年10月07日

キャッシュカード被害の補償ルール

平成18年2月に預金者保護法が施行され、
偽造・盗難カードによって、
預金の不正引き出しがなされた場合、
原則として、銀行が全額補償することとされました。

ただし、預金者に重大な過失があった場合は、
補償がなされず、
過失があり、かつ盗難事案の場合は、
補償は75%に限定されます。
(偽造事案の場合は100%補償)

そこで、預金者の「過失」に関するルールが
必要となり、
全国銀行協会が補償ルールを決定しました。

まず、「重大な過失」とされるのは、

●本人が暗証番号を他人に知らせていたり、
●カード上に記載していた場合です。

「過失」とされるのは、

●暗証番号が、生年月日、自宅住所、電話番号、
自動車などのナンバーなどにされ、かつ、
その暗証番号を推測させる資料
(免許証、保険証など)とともに
携行・保管していた場合、

●暗証番号を上記のような番号に設定し、かつ、
ロッカー、貴重品ボックスなど
金融機関の取引以外でも使っていた場合で、
キャッシュカードを入れた財布などを
自動車内に放置したり、
飲酒等により、通常の注意義務を果たせなくなるなど、
カードを容易に他人に奪われる状況に置いていた場合

とされています。

2005年09月22日

再審

刑事手続における再審とは、
すでに確定した有罪判決について、
再度審理を行うことであり、
再審を請求しうる要件は、
刑事訴訟法に記載されています。

具体的には(刑事訴訟法435条)、

①原判決の証拠となった証拠書類等、あるいは、
証言、鑑定、通訳又は翻訳が
確定判決により偽造又は変造、虚偽であったことが
証明されたとき。
②有罪の言渡を受けた者を虚偽告訴した罪が
確定判決により証明されたとき。
但し、虚偽告訴により有罪の言渡を受けたときに限る。
③原判決の証拠となった裁判が確定判決により変更されたとき。
④特許権、実用新案権、意匠権又は商標権を害した罪により
有罪の言渡をした事件について、
その権利の無効の審決が確定したとき、
又は無効の判決があったとき。
⑤有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、
刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、
又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき
明らかな証拠をあらたに発見したとき

2005年09月19日

出資法

出資法は、正式には、
「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」
です。

不特定かつ多数の人に対し、
後日に利息(配当)などにより
元本を超える金額を支払うことを約束して、
出資金を集めることは禁止されており、

ニュースで「架空投資ばなし」等として
取り上げられるのは、
この部分ですね。

「不特定かつ多数の人に対し」ですから、
特定の個人間の出資金の受取は、
規制対象から除かれます。

また、
いわゆるヤミ金で見られる高金利も、
この法律で規制され、

29.2%を超える金利で融資する契約を結ぶと、
貸し手側は、
5年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処せられる
(または併科)と定められています。

そのほか、コンサルティングにも関連し、
金銭の貸借の媒介(仲介)を行う場合、
その手数料は、
媒介の対象となる貸借金額の100分の5以内と
規制されています。

2005年09月14日

まだある、架空請求

少し前に、弁護士の名をかたる
架空請求がはやりましたが、
まだなくなりません。
支払ってしまう方がいるからでしょうね。

最近の傾向は、
○はがきである(イヤでも内容が目に入る)
○ありそうな法律事務所名が書いてある
○ありそうな理由で請求してくる
といったところです。

○ありそうな理由とは、
「あなたが支払わないから、
裁判所に仮処分(などなど)を申し立てました。
取り下げるのに△△円必要だから、
至急支払って下さい」など。

訳が分からないので、
なんなく「ありそう」って思ってしまい、
不安になるのだそうです。

弁護士がはがきで重要な請求をすることは
特別の事情のない限りまずあり得ません。

その弁護士や法律事務所が実在するかどうかは、
日本弁護士連合会のホームページ上の
「弁護士検索」でばっちり調べられます。

ふりがなも住所も事務所名も
ちゃんと出てきますので、
不安解消の手がかりになると思います。

2005年08月07日

預金者保護法案が可決

今年に入ってようやく被害の深刻さが
認識され、預金者の不安を解消するために、
金融庁・銀行が動き出していましたが、
先日、
議員立法である「預金者保護法」が成立しました。

この法律は、
不正に預貯金が引き出される被害に対し、
原則として、
金融機関が被害を全額補償するものです。

万一、預金者に過失がある場合でも、
その「過失」の立証責任は、金融機関が負います。

そして、預金者の過失を2段階に分け、
「重過失」の場合は、補償なし、
「軽過失」の場合で、偽造カードによる場合は、全額補償、
盗難カードによる場合は、75%の補償となります。

なお、金融機関側が「過失」が立証できなければ、
全額補償することとなります。

この「重過失」にあたる場合としては、
暗証番号を他人に知らせる、
暗証番号をカードに記す、
カードを安易に他人に渡す
といったことが想定されています。

また、盗難カードに関しては、
「軽過失」の有無が問題となりますが、
暗証番号を書いたメモをカードと一緒に
携帯し盗まれたときなど、
が想定されています。

なお、補償の対象は、
金融機関に盗難を届け出た日から
30日前までの被害とされています。

施行は平成18年2月の見通しです。

2005年07月28日

隣地から伸びてきた枝

隣の土地から木の枝がのびてきたら、
勝手に伐採してもいいでしょうか。

法的には、その木の持ち主(通常は隣地の所有者)に
切ってもらわなければなりません。

ちゃんと、民法に規定があります。

第233条 
隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、
その竹木の所有者に、
その枝を切除させることができる。

しかし、隣の土地から根が伸びてきて、
境界を越えたときは、
その根を切り取ってもいいんです。

第233条2項
隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、
その根を切り取ることができる。

隣地が長期間空き地になっていたり、
相続で子供の代に移っている場合は、

「枝を切って下さい」とお願いしても

知らんぷりされたり、
なんてことが多いです。

その場合、やむなく訴訟提起となってしまいます。

2005年07月18日

常習には厳罰が

小太郎に壊されて使い物にならなくなったのは、
数知れず・・・

いわば器物損壊の常習者。

さて、
「常習」つながりで、お話ししますと、

例えば、
捕まっては刑罰を受け、捕まっては刑罰を受け、
と言ったように、
常習的に窃盗を繰り返す場合には、

「常習累犯窃盗」という犯罪類型に該当します。

常習累犯窃盗は、
刑法そのものではなく、
「盗犯等の防止及び処分に関する法律」に
規定されていて、

10年以内に窃盗などで、
3回以上、6月以上の懲役刑の執行を受けた者に
「7年以上」の有期懲役を科すというものです。

通常の窃盗罪が、
「1月以上10年以下の懲役」と
されていることからすると、
格段に重くなるわけです。

小太郎にも
そろそろ重みを感じてもらわないと・・・

2005年07月04日

交通事故

交通事故で負傷したとき、

「健康保険を使って良いのかどうか」
あるいは、
「加害者から健康保険を使って欲しい」
と頼まれたが、どうすればよいか

というご相談を受けることがあります。

基本的には、健康保険の利用をお勧めすることが
多いです。

交通事故は、第三者行為による負傷であり、
本来は、加害者が治療費を負担すべきものですが、

交通事故の態様はさまざまです。

場合によっては、
被害者にも一定の過失があり、それが事故の原因とも
言えるのではないか、といった
「過失相殺」の問題になることもあります。

仮に、
健康保険を利用せずに、自由診療とすれば、
ひとまず治療費は自分の持ち出しになります。

その場合でも、
自分の過失がないとされれば、
全額賠償してもらえます。

しかし、
被害者側にも過失があると認められれば、
治療費の一部は自己負担となってしまいます。

健康保険を利用した場合に比べ、
自由診療の方が高額とされることからすると、
自分の持ち出しは押さえておきたいところです。

交通事故の示談交渉の見通しが立たない
段階では、健康保険の利用もやむを得ず、かつ、
無難だと思われます。

なお、健康保険を利用した部分については、
後から加害者に請求される仕組みとなります。

2005年06月21日

囲繞地(いにょうち)通行権

周囲を土地(海や崖地の場合も同じ)に囲まれて、
公道に接していない場合に、
公道まで他の土地を通行する権利を
囲繞地(いにょうち)通行権といいます。

ある土地を囲んでいる土地を
囲繞地、

囲まれている土地を
袋地、

といいますが、

囲繞地という言葉は、
改正により民法から消え、
現在は、
「その土地を囲んでいる他の土地」
という言葉になっています。

第210条 
他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、
公道に至るため、
その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。

民法においては、
この通行権者は、
法律上当然に他人の土地を通行する権利を
有するわけですが、
それは、同時に、他人の「土地に対する権利」を
制限することになります。

つまり、
私道を提供しなければならないことになります。

そこで、
通行の態様は、必要最小限でなければなりません。

また、通行に対しては、
土地の損害に対して
償金を支払わなければなりません。

ただし、
一筆の土地を分筆したことによって
袋地が生じた場合は、
分筆前に一筆であった土地に対してのみ
無償で通行権を主張できます。

2005年06月20日

鑑別所

少年鑑別所とは、
主に、家庭裁判所から「観護措置」の決定によって
送致された少年を収容し、
専門的な調査や診断を行う施設です。

少年たちは、
少年鑑別所で、
身体、知能、心理などの調査を受け、
特に、犯罪を犯した少年については、
更生の意欲や可能性が検討されます。

その期間は、通常4週間程度です。

ここでの鑑別結果が、
家庭裁判所に報告され、
家庭裁判所で決定される審判にも
大きく影響します。

このように、
鑑別所は、あくまで、
少年を鑑別する場所なので、

家庭裁判所で審判の結果、
送致されることになる
「少年院」とは全く別個のものです。

少年院と同程度に規律は厳しく、
かつ、少年院のように、
更生のためのカリキュラムが組まれているわけではないので、
閉鎖感が少年たちに重くのしかかることが
あるようです。

2005年06月17日

少額訴訟

少額訴訟を久しぶりに経験しました。

少額訴訟とは、

60万円以下の
金銭の支払いを求める訴えについて、
通常の訴訟とは異なる特別な手続で
行われる訴訟のことです。

通常の訴訟では、
被告が欠席しない限り、
1回の審理で判決が出ることはまれですが、

少額訴訟は、
指定された期日、その日のうちに
審理と判決がなされます。

少額訴訟はこのように
簡易迅速な手続なので、
複雑な事案には適しません。

そこで、
原告から少額訴訟が提起されたけれど、
ちゃんと時間を掛けて審理をして欲しいという被告は、
当日、

「通常の手続で審理をするよう」

申し立てることができます。

通常訴訟では、
被告の財産状態(資力)が厳しくても、
一括払いを命じることしかできませんが、

少額訴訟では、
分割払いや、支払の猶予を定めて、
判決を言い渡すこともできます。

敷金の返還や、交通事故による損害賠償(物損)
など、身近なトラブルを解決する方法としては、
有効でしょうね。

2005年06月16日

警察に対する苦情は?

先日、朝イチで友人からメール。

駐車違反してしまったまでは、
こちらが悪い。
でも、それに続く警察官の
態度・応対に激怒しているようすで・・・

こんな場合、
どこか言っていくところないの?

という相談でした。

警察職員の職務執行について
苦情がある場合、
都道府県公安委員会に申し出ができます。

文書で出せば文書で返してくれますが、
そのほかに、電話やメールでも
申し出可能です。

今度、その後を聞いてみます。

2005年06月15日

遺言の取り消し

いったん、遺言書を作成したけれど、
気持ちが変わった場合、
もはや取り消しはできないのでしょうか。

そんなことはありません。

遺言の内容は、
遺言者の自由な意思によって、
いつでも全部、または
一部を取消すことができます。

遺言者が自ら全文を書いた、
自筆証書遺言の場合、
その全部を取り消そうと思えば、
遺言書を破り捨てたり消却すればよいのです。

また、
「平成○年○月○日作成の遺言は全部取消す」
などの内容の遺言書成してもよいでしょう。

一部を取り消したい場合は、
「平成○年○月○日付遺言中の■■の部分の遺言は取消す」
などの内容にします。

遺言は、人の最期の遺志に近いものが
優先されます。

したがって、
内容が矛盾する新たな遺言書を作成すれば、
結果として、前に作成した遺言は
取り消されたことになります。

気持ちが何度も変わって、
遺言を書き換える人もいる、と
公証人から聞いたことがあります。

2005年06月10日

裁判員制度の不安なところ

裁判員「候補者」として、
裁判所から呼び出しがかかる可能性は、
330人から660人に1人とのことです。
(1事件につき、50人から100人が呼ばれるとして)

裁判員には、日当が支払われますが(金額は未定)、
裁判員となるために仕事を休むことになります。

必要な休みをとることは法律で認められていますし、
休んだことを理由として、
会社は解雇などの不利益な取扱をすることは
できません。

ただ、建前はともかく、
実際には、辞退を希望する方が多かったり、
職場が混乱したりと、問題の発生は
避けられないのかもしれません。

もっとも、
裁判の審理は、できるだけ連続して集中的に
行われるため、
多くは数日間で終わることが予想されます。

裁判員の名前や住所、さらに、
評議の際に裁判員がどんな意見を述べたかは
明らかにされません。

もちろん、裁判員やその親族に対し、
威迫行為をした者を処罰する規定もあります。

ごく例外的に
裁判員やその親族に危害が加えられるおそれがあり、
裁判員の関与が非常に難しい事件については、
裁判員が加わらず、裁判官だけで裁判を行う場合もあります。

2005年06月09日

裁判員になれる人

裁判員には、
衆議院銀の選挙権を持つ人(20歳以上)であれば、
原則として誰でもなることができます。

ただし、
事件の関係者(被害者、被告人の親族等)
事件の捜査、公判に関与した人
のほか、

国会議員、国務大臣、国の行政機関の幹部職員、
知事、市町村長、
司法関係者、
大学の法律学の教授・助教授、
自衛官

あるいは、

心身の故障のために裁判員の職務遂行に著しい
支障のある人、
裁判所が不公正な裁判をするおそれがあると認めた人

は、裁判員になることができません。

というわけで、
私は今のところ、裁判員になることはできません。

これらに該当する人を除いては、
原則として辞退もできないこととされています。
ただし、

70歳以上の人、
地方公共団体の議会の議員(ただし会期中)、
学生・生徒
過去5年以内に裁判員、検察審査員等を
務めたことのある人、
過去1年内に裁判員候補者として裁判所に
行ったことのある人、

さらに、
一定のやむを得ない理由があって、
裁判員の職務を行うことや裁判所に行くことが困難な人
(重い病気、同居の親族の介護、養育、
事業に著しい損害が生じるおそれがあること、等)

このような事情のある人は、
申し出をし、裁判所に認められれば、
辞退することができます。

2005年06月08日

裁判員の選任は?

前回に引き続き、
裁判員制度についてお話しします。

裁判員はどのようにして
選ばれるのでしょうか?

まず、裁判所ごとに
裁判員候補者名簿
が作成されます。

これは、選挙権のある人の中から、
毎年、くじで選んで作られます。

この名簿に載った人には、
連絡がきます。

さらに、事件ごとに、この名簿の中から、
「その事件の裁判員候補者」が選ばれます。

ここで選ばれた人には、裁判所に行く日時等が
通知されます。

この候補者の中から、
裁判員を選ぶための手続が行われます。

候補者になった人は、

裁判長から、
裁判員になれない理由がないかどうか、
辞退希望がある場合は、その理由に
ついて質問されます。

裁判員になれない理由のある人や、
辞退が認められた人は、
候補者から除外されます。

さらに、検察官や弁護人は。
法律で定められた人数の範囲内で、
候補者から除外されるべき人を指名することができ、
指名された人は候補者から除外され、

除外されなかった候補者から、
裁判員が選ばれます。

裁判員に選ばれると、
公判に出席し、
裁判官と一緒に議論(評議)し、
有罪か無罪か、
有罪の場合どのような刑にするかを
決定(評決)することになります。

議論を尽くしても、
全員一致が困難な場合は、
多数決により評決が行われます。

裁判員になれない人
辞退の理由については、
また次回に。

2005年06月07日

裁判員制度って何?

平成21年5月までに
裁判員制度が始まります。

裁判員制度とは、
国民が裁判員として、
刑事裁判に参加し、
被告人が有罪かどうか、
また、
有罪の場合、どのような刑にするかを
裁判官と一緒に決める、
というものです。

裁判員が参加するのは、
刑事事件です。

その中でも、
人が亡くなるなどの重大事件が
対象です。

例えば、
殺人、強盗致死傷、危険運転致死、
現住建造物等放火、身代金目的誘拐
などです。

これらの事件の審理に、
法律の専門家でない一般市民の感覚が
反映されることになり、
司法に対する理解と信頼を深める目的で
裁判員制度が採用されました。

みなさんが裁判官と評議している場面を
想像してみて下さい。
というのも、
この裁判員制度、
実は、かなり身近なものなのです。

裁判員がどのようにして選ばれるかについては、
また次回に。

2005年05月28日

除斥期間とは

両親と血のつながりがないことが判明し、
46年前の東京都立の産院での取り違えを理由に、
都に対して、損害賠償請求を求めた訴訟の
判決がありました。

東京地裁は、
新生児の取り違えを認定しましたが、
損害賠償請求については、

不法行為があった時から20年以上が経過したため、
除斥期間により請求権が消滅している

として棄却しました。

「除斥期間」とは、
いわば、権利が失権する期間のことで、
その当時、権利が存在していても、
その後一定期間を経過することにより、
権利の行使が認められなくなることです。

この制度は、ある一定期間の経過により、
法律関係を確定させようとするものです。

消滅時効に似ていますが、
援用や時効の中断が認められない点で、
大きく異なります。

本件のような民法上の不法行為については、

損害及び加害者を知った時から
三年間行使しないときは、時効によって消滅する。

不法行為の時から二十年を経過したとき(除斥期間)も、
消滅する。

とされています(民法724条)。

したがって、
ある不法行為が存在したことを、
随分あとになって知ったとしても、
20年を経過したとして、損害賠償請求が認められない
と認定されうることになります。

この「除斥期間」は
公害訴訟等でもよく争点になっていますね。

2005年05月24日

確定判決の既判力

判決が確定した後、
同じ相手に、同じ内容の訴えを
起こすことはできるでしょうか。

確定判決には、「既判力」という効力があります。

既判力とは、

裁判所は、
前訴の確定判決の判断と抵触する判断を下すことはできず、

当事者は、
これに反する主張をしてこの判断を争うことが許されない、

ということを意味します。

ただし、この効力は、あくまで、
前訴の口頭弁論終結時(審理の最終時)
までに生じた事実についてのものです。

つまり、前訴の口頭弁論終結後に生じた事情は、
後訴で、主張することは許されます。

結局、
前訴で敗訴したにもかかわらず、
もう一度同じような裁判を起こした場合、
このような訴訟であっても、
裁判所の受付段階で判断することはできませんから、
裁判を起こすこと自体は可能です。

しかし、
訴えを起こした人は、
前訴で主張した事実をひっくりかえして、
これと異なる主張をすることは許されません。

また、裁判官が違うからと言って、
全く同じ内容の訴訟について、
異なる判決が出ることはないことになります。

しかし、
裁判所によって異なる判断が出た、というのは
よくありますよね。

同じような内容であっても、
全く同じ事案というのはほとんどなく、
それぞれ異なる事情を有しています。

既判力は、判決主文について生じるものであり、
判決理由中の判断には生じません。

つまり、裁判所がどうしてそのような結論に
至ったかという理由については、
既判力がないのです。

したがって、よく似た事案でも、
少し事情が違うだけで、
全く異なる判断が出ることが、あるのです。

2005年05月21日

診療の拒否

質問を頂いています。

************

先日、妻の友人Aさんから質問がありました。

小学生の子どもがアトピー性皮膚炎にかかっていて、
通院していたところ、
Aさんの子どもかなり良くなってました。

その効果(治り)をチェックするために
採血が必要だったんですが、
はじめての注射(採血)のとき血管をさがすのに
かなり時間がかかったそうです。

そのときにその医者は子どもに向かって
「今回はなかなかうまくできなくてごめんね。
次回まで練習しとくね。」と言ったそうです。
しかし、次回、注射したときもなかなかうまくいかず、
子どもが(親だったかも)
「前のとき、ちゃんと練習しとくって言ってたのに…。」と
言ったそうです。

どうもそれに端を発して、
「うちの病院が気に入らなければ来なくていいです。」
と言われ、
「来なくていいから薬も出しません。」と言われてびっくり。

アトピーも治りかけているし
何とか出してもらえるようお願いしましたが
結局出してもらえず帰ってきたそうです。

とりあえず国民生活センター(消費者センター)に問い合わせたら、
薬を出さないと言うのは明らかに違法なので医者にクレームをつける
専門の機関を紹介されたそうです。

-----現在、ここまで----------
そこで、Aさんの意向は
①薬を出してもらうか、処方箋を出してほしい。
②うちと同じような患者を出さないように
この医者を「ギャフン」と言わせたい。

こういったケースで法的に訴えるには
どのくらいの経費がかかりますか?

************

医師法19条1項は、

「診療に従事する医師は、
診察治療の求めがあった場合には、
正当な事由がなければ、これを拒んではならない」

と定めています。

これは、医師の公的な責任ですが、
その反射として、患者が、診療を求めれば、
医師はこれに応じるのが原則となります。

したがって、この医師も、
本来は、Aさんの診療の求めに応じる義務があります。

先日、全く別件で、参考のため
苦情申立機関を探してみたのですが、
みつけることができないままです。
(実は、すぐに見つかると思っていました)

消費者相談窓口で紹介されたような、
患者の苦情を取り上げて、
オンブズパーソン的に活動している
NPO等はあるようです。

仮に、医師に法的に対処するならば、
診療請求、あるいは、損害賠償請求
ということになろうかと思いますが、

後者の損害賠償請求の場合、

仮に症状がひどくなっているとすれば、
これによって精神的苦痛を被ったとして、
慰謝料請求をすることが考えられます。

あえて、弁護士費用を算定するとすれば、
その慰謝料額が基準になります。
(請求額の8~5%程度の着手金、
得られた金額の16~10%程度の報酬金)

ただし、症状がひどくなったことと
医師の診療拒否の事実との因果関係の立証は、
かなり大変だろうと思います。

その因果関係の有無を判断するため、
裁判で「鑑定」を行うとなれば、
裁判所から選ばれた鑑定人(医師)に対する
費用が発生します(30万円程度は覚悟)。

このように、相応の費用負担が生ずるばかりか、

立証活動に巻き込まれるお子さんの気持ちを
考えると現実に訴訟を提起することについては、
非常に気が重いです。

そもそも、このように医師と対立姿勢を示すことが
本当にAさんの気持ちに沿うのでしょうか。

この医師は、
アトピーを治すことで有名なお医者さんとのこと。

Aさんとしても、子どもさんのほか、
同じような立場にある患者さんを
一人でも治してあげたいと考えているはず。
(もしかしたら、感情的な誤解もあるかもしれません)

そうだとすると、
患者さんたちの「痛み」を理解してもらい、
また、患者さんたちに思いやりをもって、
職責を果たしてもらうよう、
働きかけることが一番なのだろうと思います。

訴訟を提起することの合理性にも疑問が
無いわけではないことから、

法的対処の前に
例えば、気持ちを書きつづった手紙を送付し、
医師に気持ちをぶつけるなどの方法も
検討して頂きたいと思います。

2005年05月20日

取得時効

曾おじいさんの代からある田んぼだけれど、
登記の名義はよく知らない他人のまま、
今、田んぼを使っている私に移転するには
どうしたらいいでしょう?

というお話はたまにあります。

そういえば、私が弁護士になって
すぐに一人で法廷に立った事件がよく似た事件でした。

この場合、曾おじいちゃんが誰からから
購入したはずだが、名義が移転していないと言う場合は、

現在の名義人(すでに故人)の相続人に
登記移転請求をします。

相続人が、納得してくれればよいのですが、
もめてしまうような場合、訴訟を提起するほかありません。

訴訟では、本当に、売買契約が存在して、
代金が支払われたのかが、争点となりますが、

その当時のことは誰も知らないので、

たとえば、領収証などの客観的証拠がものを言います。
そういった証拠がない場合は、

「私は昔おじいちゃんから、
『土地を買ったのに、名義を変えないまま先方は
亡くなってしまった』と常々聞いていました」などの
人証(人の記憶を法廷でお話しする)で
勝負することになります。

他方、昔々からその土地を利用している場合は、
時効取得の主張も可能となります。

時効取得が成立するためには、

1 所有の意思をもって

2 善意の場合は10年、
  悪意の場合は20年

3 占有する

ことが必要です。

したがって、

「田んぼを借りている」という認識で、
数十年その土地を利用したとしても、
「借りている」ということに変わりはないので、
時効により「所有権」を取得することにはなりません。

裁判では、
所有の意思の部分が争われることが多いです。

所有の意思、そのものは目に見えませんが、
所有の意思が表れるような行為、
つまり、所有者でなければ行わないような行為を
行っているなどで、立証していきます。

たとえば、曾おじいさんから、その土地を
受けついだおじいさんが、
その土地の固定資産税を払い続けているなどは、
代表的な例でもあります(必ずしも決定的ではないですが)。

時効取得の主張は、裁判外でもできますが、
結局は、現在の名義人(亡くなっていれば相続人)が
これを受け入れない場合も多いので、

---今まで放っておいたとはいえ、
財産を失うことになるので、当然とも言えますが---

その場合は、訴訟を提起することになります。

2005年05月16日

放棄と生命保険金

質問を頂いています。

『5/8相続放棄』に絡んだ話なんで、
相続放棄しても死亡保険金の受け取りはできる
というのが理解しにくいんですが…。

そのフレーズを適当なHPから拾ってきたので
下記について教えて下さい。(わかる範囲で結構です。)

すみません。フレーズは削除してお話ししますね。

そもそも、生命保険金を受け取るのは、

相続の効果ではなく、
保険契約の直接の効果と捉えます。

被相続人(故人)が、
「他人のために」
保険契約を締結していたということです。

よって、その生命保険金は、
受取人とされた

「相続人の固有の財産」

となります。

相続財産でない以上、
たとえ、相続放棄をしても、
保険金は受領できることになります。

このように生命保険金は、
被相続人の財産ではないのですが、

その経済的価値に鑑みれば、
相続財産に等しいことから、

「みなし相続財産」として
課税価格に含めることとされています。

2005年05月11日

遺言とは

被相続人の死後の相続争いを避けるために、
遺言を作成することがあります。

遺言は、その人の「遺志」を表すもので、

民法で定められた、各相続人の相続分とは異なる定めをする、

例えば、複数の相続人がいるけれど、
ある特定の相続人にすべてを相続させる

とか

誰にどの財産をあげるかを被相続人自身が決めることができる

などの意義があります。

さらに、

内縁の妻や孫など、
本来は相続人でない人に対して、
遺産を与えたい場合は、
遺言により定める必要があります。

また、

生前から子どもたち(兄弟姉妹)の仲が悪く

「遺産争い」が生じる可能性が高い場合は、
少しでも争いをおさえるため、

遺言で各人に相続させる財産を定めるとともに、
どうしてそのように考えたのかも加えることがあります。

遺言を遺す場合の注意点もいくつかありますので、
また後ほど。

2005年05月10日

遺産分割協議

相続人間で、遺産をどのように分けるかを話し合うのが
遺産分割協議です。

そもそも、法律上は、どの相続人がどの程度の割合を
相続するかという相続分が定められていますが、
実際にどのように遺産を分けるかは、
話し合いによるしかありません。

遺産が主に、預貯金など、分割しやすいものであれば、
話し合いも簡単ですが、
仮に、遺産として不動産しかないとすれば、

○法律上定められた持ち分を取得する
(そのような持ち分を相続により取得したとして、
移転登記手続を行う)
○相続人のうちの誰かが、単独でその不動産を取得して、
他の相続人には、価格で弁償する

などの方法が考えられます。

この話し合いが、うまく進まない場合は、
家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることになります。

調停では、調停委員(男女2名)が各相続人の
意見を聞きながら、調整を試みます。

調停とは、話し合いなので、話し合いがまとまらなければ、
調停は打ち切られ、審判に移行するのが通常です。

審判は、家庭裁判所の審判官(裁判官)が、
遺産を評価して、分割内容を定めます。

調停や審判は長引くケースもあり、
「10年戦争」になどもみられます。

せっかく、被相続人が財産を残しても、
あとあと紛争が生じるなら、無念としか言いようがないですね。

いっそのこと使い切ってしまう、
というのもさっぱりしていますね。

先日の日経新聞に、
「相続税を100%に」という意見がありました。
遺された遺産に100%の税金がかかるならば、
確かに、誰も遺産を残さず、
不動産は流動し、消費なんかも活性化でしょうね。

相続争いを防ぐという意味合いをもつ、
「遺言」にも、後ほど触れますね。

2005年05月09日

相続放棄の撤回

一度、相続放棄をしたけれど、何らかの理由で
これを撤回することは許されるでしょうか。

例えば、
借金ばかりだと思っていたのに、
よくよく調べてみると、
意外にもプラス財産の方が多かった場合には、
やっぱり相続したいとなるかもしれません。

しかし、相続放棄の撤回は許されません。

なぜなら、
相続を放棄した人は、
はじめから相続人でなかったことになり、
これを基礎に社会的な事実が積み重ねられるので、
安易に相続放棄の撤回を認め、これらの事実を覆すことは
適切でないからです。

ただし、
他の相続人から強迫を受けたなど、
ごく例外的ケースについて、
家庭裁判所に申述して撤回が認められる場合があります。

したがって、
相続を放棄するかどうかは、
十分に財産の調査をした上で、決定すべきことになります。

2005年05月08日

相続放棄

今日は、相続放棄について。

なくなられた方(被相続人)の負債が大きかったり、
プラス財産がほとんどないにもかかわらず、
負債が存在する可能性があるような場合は、
相続放棄を検討します。

相続放棄が認められると、
はじめから相続人でなかったことになり、
プラス財産もマイナス財産も相続しません。

その人は、
はじめから相続人でなかったことになりますから、
例えば、被相続人に妻と子2人がいて、
子の1人が相続放棄をした場合は、
相続人は、妻と子1人であったとして、
相続分が算定されます(つまり、2分の1ずつ)。

相続放棄は、
被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に、
相続の開始を知った時から3か月以内に相続放棄の申述を
しなければなりません。
申述は、通常、裁判所の窓口で用意されている
書面に記入し、これを提出する方法により行います。
その際、被相続人との相続関係を示す戸籍謄本が
必要です。

相続人は、3か月の「熟慮期間」内に相続放棄をするか
否かを判断しなければならないわけです。

「相続人が相続財産の全部または一部の存在を認識した時
または通常これを認識しうべき時から起算すべき」として、
支払の催告がきたときから3か月以内に相続放棄をすればいいと
する裁判例もありますが、
このような相続放棄が認められるか否かは、
裁判所の判断にゆだねることとなります。
したがって、
資産状況の調査に時間を要する場合は、
あらかじめ、その期間を延長を裁判所に申請すべきでしょう。

2005年05月07日

相続とは

人が亡くなると、法律上当然に相続が発生します。

誰が相続するか(相続人)、また、
各相続人のどんな割合で相続するのか(相続割合)も、
民法で定められています。

夫婦と子という比較的よく見られる家族構成で考えますと、
夫が亡くなった場合、妻と子が2分の1ずつを相続します。
子が複数の場合、2分の1を子で頭割りすることになります。

つまり、
子が2人ならば、妻が2分の1、子が4分の1ずつを、
子が3人ならば、妻が2分の1、子が6分の1ずつを
それぞれ相続します。

ただし、相続の対象である遺産(相続財産)は、自宅や預貯金といった
プラスの財産だけではありません。
相続財産には、マイナス財産(消極財産)も含まれます。
このマイナス財産には、
被相続人が、生前負担していた自らの借金だけでなく、
他人の連帯保証人になっていた場合の連帯保証債務も含まれます。

相続人は、見ず知らずの負債を背負い込む可能性が出てくるわけです。
したがって、相続人としては、相続財産の内容を確認する必要があります。
その上で、
プラス・マイナスを問わず、財産を相続するのか(単純承認)、
それとも、
いずれも相続しないのか(相続放棄)
あるいは、
プラス財産の限りでマイナス財産も相続するのか(限定承認)、
を早急に検討しなければならなくなります。

2005年04月22日

いやがらせと傷害

SAYコミュニケーションズで主催している英語塾の講師を
お願いしてるダライラ先生とは、一応3ヶ月契約だったのですが、
めでたく続投して頂けることになりました(パチパチパチ!)

ダライラがクラスで、WOW!(ワァォウ)と言うのをまねしているうちに、
「そうなんや?!」の代わりに、つい「ワァォウ」と言ったりして。

さて、自治体の無料法律相談に行くと、
離婚や金銭問題もさることながら、近隣関係の相談も
結構多いです。
しかも、最近は、近隣の嫌がらせ被害に関する相談が増えている
という印象です。

ついこの間も、騒音により隣人が精神的にかなりの苦痛を生じた
ケースがあったようですが、
騒音により、ノイローゼ等精神的に支障が生じ、
ある程度治療が必要となる場合は、傷害罪が成立します。

傷害というと、まさに「キズ」をイメージするかも知れませんが、
たとえば、飲み物に下剤を入れて下痢をさせるとか、
湖に突き落として失神させるなどを含め、
「生理的機能の侵害」が傷害なのです。
PTSDも傷害として警察が取り扱うようになっています。

嫌がらせの態様はさまざまで、
目に見えるような形(汚物等を投げ入れる)だけでなく、
事実無根の悪口を言うとか、始終観察されているとか。

こういう場合は、警察に相談に行っても、
「うちでは無理だから弁護士さんのところに行って」と
言われるらしいです(泣)。
しかし、残念ながら身体に支障を来すような被害が出ない限りは、
なかなか法的な解決は難しいです。
ご近所さんの話は、弁護士が入ることで、一層もめるということも
あり得るので、弁護士としても慎重になります・・・。

2005年04月18日

冒頭陳述

今日は、10時30分に奈良地裁で事件が入っていました。
奈良女児誘拐殺人事件の開廷から30分遅れ。
奈良地裁は改築中で、現在はプレハブ庁舎なのですが、
その玄関の前には、多数のカメラマンがいました。
30分ずれててよかったです~。
法廷がすごく小さいので、入れない報道記者もたっぷり廊下に
並んでいました。

奈良地裁のまわりは、鹿がたくさんいるのですが、
鹿もさぞかしびっくりしたことでしょう。
(嘘みたいですけど、フツーにたくさん鹿がいるんですよ)

刑事事件で、「検察官の冒頭陳述」とよく耳にすると思います。

冒頭陳述とは、警察官が証拠により立証しようとする事実を
述べるものです。
証拠調べの前に、検察官が事件の概要を述べて、
証拠によって証明すべき事実を明らかにすることです。
これにより、検察官の組み立てるストーリーが明らかとなり、
審理の対象が明確になります。

被告人の身上経歴、動機、犯行に至る経緯、
犯行態様、情状などが述べられますが、
特に犯行に至る経緯や犯行態様などは、短編小説のように
具体的に述べられることも多いのではないでしょうか。

検察官の冒頭陳述がなされたのち、
被告人側からの冒頭陳述がなされる場合もあります(ごく少数です)。

2005年04月16日

偽造キャッシュカード被害

今、個人のホームページ立ち上げを準備しています。
伝えたいことを改めて考えるのがこれほど難しいとは・・・

さて、今日は、
キャッシュカード偽造による不正払戻の事案について。

今のキャッシュカードは、カード自体には暗証番号などの
情報は入っていないので、
何らかの手段で暗証番号を入手しなければ、
払戻はできません。
(10数年前のものは、カード自体に情報が入っているようです。
年代物のカードを残している方は、念のためご注意下さい)

少し前、ゴルフ場で暗証番号が盗まれていたという事実が
発覚しましたね。
ゴルフ場には貴重品ボックスがあり、暗証番号がキー代わりです。
私の少ない経験の中でも、4桁ばかりです。
というわけで、ボックスの暗証番号をキャッシュカードの
暗証番号と同じにしている人が多いところに、
ゴルフ場の関係者が目をつけたようです。

まず、暗証番号を入力するキーボード付近に
小型カメラを取り付けるなどして、暗証番号を盗み見る。
客がゴルフをしている間に、暗証番号と利用してボックスを開け、
キャッシュカードを盗み出す。
そのカードに入っている情報を生カードにインプットした上で、
キャッシュカードは元に戻す。
その生カード(偽造カード)と盗み見た暗証番号とで
ATMで払戻を行う。

こういうことを考える頭脳にははっきり言って感心ですね。

そのほかに、暗証番号を入手する方法としては、
銀行のATM端末から発信される情報を傍受して
暗証番号と入手する、コンビニのATMで後ろから覗き込む
といったことがあるようです。

これまで、このような偽造カードを用いた払い戻しについて、
銀行は補償してきませんでした。
しかし、このままでは預金保護に対する不安が広がりかねない
ことから、偽造カード事案については、補償する方向を
打ち出しています。

そもそも、銀行の預金約款では、
通帳による払い戻しについては、通帳+印鑑
ATMでは、カード+暗証番号で払い戻したものについては、
たとえ、払い戻しした人物が払い戻し権限のない人物であっても、
支払は有効とされています(銀行は免責される)。

今回、銀行はその約款の見直しをしようとしています。
しかし、ピッキング盗などによる被害については、
通帳・カードとも含まない方針です。
現在は、国会議員が盗難カード事案についても、
補償の対象とする議員立法を模索しています。
いずれも、盗難通帳による被害は除外される見通しです。
しかし、被害件数・被害金額からすると、平成11年以後に多発した
圧倒的に盗難通帳による被害の方が格段に大きく、
それを放置し続けたという点からすると、
抜本的対策は遅きに失した感があります。

被害事例に見る教訓としては、
◇平成13年ころまで用いられていた副印鑑
(通帳を開いた箇所に押してある銀行印)によって、
偽造印が作られることから、副印鑑をはがす、などの処置をする。
◇郵便貯金に関しては、偽造を困難にするシールを
用意しているので、その処置をする。
◇キャッシュカードについては、
保険証や免許証等、生年月日などの個人情報が記載されたものと
一緒に保管されていることが多いので、
暗証番号に生年月日、車のナンバー、電話番号等は
用いない。

といったところでしょうか。
ご注意下さい。

2005年04月14日

ビデオリンク方式

今日は、甲子園の阪神-巨人戦に連れて行ってもらいました。
20台前半まで、かなりのトラキチ(死語?)だった私。

今日、球場に着いたときには1-5で、
その後、清原選手・小久保選手のアベックホームラン(死語?)が出て、
がっくりです。
上原投手に完敗でした。
せっかく「勝つ」サンド買っていったのに。

さて、今日最高裁判決で、
合憲のお墨付きが出た「ビデオリンク」について。

ビデオリンク方式とは、
多くは、性犯罪の刑事事件において、被害者女性等の証人尋問が
必要となった場合、被害者は被告人のいる法廷とは別室で、
モニター画面を通じて、尋問を受ける方式を指します。
被害者が証言に立つことによって二次被害を受けないよう、
配慮する規定で、平成13年に導入されました。

この画像が映し出されるモニターと被告人及び傍聴人との間に
ついたてが置かれる「遮へい措置」も併用されることが
多いです。

ビデオリンク方式については、
被告人に十分な証人尋問の機会が与えられない、あるいは、
憲法に定められた「裁判の公開」に反するとして、
その合憲性が争われていましたが、
最高裁は、その合憲性を認めました。

新聞によれば、昨年末までに542人がビデオリンク方式により
証言したということです。

私自身は、このビデオリンク方式を利用した裁判を経験したことは
ないですが、モニターは裁判官の手元でズームなどもでき、
法廷で行われる証人尋問で窺える表情の変化なども、
ほぼ感じ取れると聞いています。

かつては、裁判での二次被害の不安もあって、
被害申告(告訴)できなかった被害者もたくさんおられました。
それをできる限り軽減させるという意義は大きいと思います。

ただ、性犯罪が増えているように思われることが、深刻ですね。

2005年04月06日

押印は慎重に

おやしらずの痛みに耐えながらの一日でした。
というわけで、今日も噛まなくて済むように
プリンを買ってしまいました。
今日は、アルションの黒豆きなこプリン!
しばらく、プリンにはまって、楽しい治療生活を
目指します。

さて、私が月1ペースで法律相談を担当している
「あきない・えーど」でも多いのですが、
「この契約書って、印鑑が押してないので、
契約は成立していないですよね」、あるいは、
「実印でないと契約は成立しないのでは」というご相談。
しかし、契約自体は、基本的に意思と意思の合致で成立します。
よって、大半の契約は、契約書に押印がなくても、さらに、
契約書自体が存在しなくても、成立してしまいます。

ここで、少し「印」の話を。

イマドキは、100円ショップでも手軽に印鑑が購入できます。
しかし、いったん裁判になれば、
契約書に真正な印鑑が押してあるだけで、
真正な文書と推定されることになります。
もちろん、三文判でも同じです。
昔ながらの、印鑑=本人の確認、
という観念が残っているわけです。

証拠がすべてである裁判においては、契約書などの
客観的な証拠が重視されます。

契約書には、押印してもらうことを忘れずに・・・
契約書に押印するときは、
本当にその文書に押印して良いかどうかをもう一度確認して・・・