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2008年09月26日

実印

「契約書に押してもらうのは実印でなければダメか?」
というご相談が変わらず多いです。

契約書には印章を押してもらいたいのですが、
それが実印であっても、認印であっても法的な効力には
差がありません。

実印は、登録されている印鑑のことで、
一般には大切に保管されています。
また、印鑑登録証明書は原則として本人が入手できるものです。
したがって、実印が印鑑登録証明書とセットになることで、
本人が合意の意思を持って押印したことが
強く推定されることになります。

しかし、これはあくまで、「証明力が高いか、低いか」という問題ですから、
認印でも契約書は作成可能です。
合意を証拠化することが必要な場面では、
署名+拇印あるいは署名のみであっても
書面化しておくべきだということになります。

2008年07月31日

組織犯罪処罰法

徳島県で発生した6億円の業務上横領事件に関連して、
横領されたお金を受領したとされる親族が
組織犯罪処罰法違反の被疑事実で逮捕されました。

正式には、「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」

組織的に行われる殺人などの犯罪について処罰を強化したり、
マネーロンダリング(資金洗浄)を規制したりする内容で、
今回の被疑事実のように、
「情を知って、犯罪収益等を収受」すること(犯罪収益等収受)も処罰の対象となります。

2008年07月11日

株券の紛失

平成21年1月、株券電子化が実施されます。
株券電子化とはペーパーレス化で、上場会社の株券は廃止されて、
株主の管理を電子的に行うことになります。

株券の紛失というのは意外と多くて、
いざ譲渡しようというときに紛失に気付くことがあります。
電子化によりこのような紛失のリスクはなくなります。

ちなみに、いわゆるタンス株券は株券の電子化により無効となります。
電子化の際に、所有者が株主名簿上の株主であれば、所有者名義の
特別口座で管理され、株主の権利を失うことはありません。
ただ、電子化後も売却の際には時間がかかるため、
早めにタンス株券を証券保管振替機構に預託しましょう、
と告知されていますね。
なお、
電子化の際に、株主名簿上の株主が所有者本人以外だと、
その他人の名義で管理されることになり、
これを書き換えるには面倒な手続きが必要になります。
もし株券が手元にあるならば、注意が必要ですね。

2008年06月23日

架空請求続いています

最近また、架空請求ハガキを受け取ったというご相談が増えてきました。
「法務省管轄管財事務局」名義のものは少し前から続いているのですが、
法務省のホームページによると、実在しない組織です。
条文なども記載されていますが、無関係の内容です。
電子消費者契約民法特例法という記載がありますが、
こちらも存在しない法律です。
ただし、
電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律
は存在し、通信販売など対面しない取引(隔地者間取引)に関する
ルールを定めています。 (6/24追加)

2008年06月05日

違憲判決

結婚していない外国人の母と日本人の父との間の子ども
について、生後、父から認知されたにもかかわらず、
日本国籍の取得を認めない「国籍法」の規定がの合憲性が
争われた訴訟で、最高裁は「違憲」の判断をしました。

最高裁での多数意見・補足意見・反対意見が新聞にも掲載されています。
非嫡出子(父母が結婚していない)と嫡出子との差別的な取扱いは、
相続の場面でも存在します。
その合憲性の解釈についてはどうでしょうか・・・

2008年05月21日

製造物責任法

製造物責任法は、平成7年7月1日に施行された法律です。
「製造物」の「欠陥」によって、その製品だけでなく、
人の生命・身体または財産に被害が生じた場合における
製造業者などの責任を定めています。

「製造物」とは、製造または加工されたものをいい、
不動産や、加工していない農産物などは対象外となります。
「欠陥」とは、「通常有すべき安全性を欠いていること」なのですが、
個別に判断せざるを得ません。
その際に考慮する事情として、法律上は、
「製造物の特性」
「通常予見される使用形態」
「製造業者等が製造物を引き渡した時期」
の3つが示されています。

製造物責任法による責任を追及できる期間は制限されており、
「被害者らが損害と賠償義務者を知ったときから」3年で時効消滅します。
とすると、
それらが明らかでなければ時効期間が進行しないことになりますが、
そのような場合でも、
製造業者等が製造物を引き渡したときから10年経過したときには、
損害賠償請求権は消滅してしまいます
(ただし、有害物質等が身体に蓄積するような事案で、
潜伏期間がある場合は、被害が生じたときからとなります)。

2008年05月13日

自治会

自治会の班長さんなどになると、自治会費の集金も仕事の一つですね。

自治会は、法的には「権利能力のない社団」であるのが一般的で、
任意の団体なので、入退会は自由です。
自由に退会できるのか、
退会した後の自治会費について支払義務があるか、
について訴訟上争われたケースでも、
一方的な意思表示によって退会でき、
退会後の自治会費を支払う必要はないと判断されています。

地域活動の基本となる組織であることは間違いないと思いますが、
住民の年齢層によっても存在意義が違うのかもしれませんね。

2008年04月10日

2009年5月21日

これまで「2009年5月までに」とされていた
裁判員制度の施行について具体的な日にちが設定されました。
辞退の事由やスケジュールなども具体的になってきましたので、
会社としては、社員が裁判員に選ばれた場合の対応なども
考えていかなければなりませんね。

2008年04月08日

没収と追徴

刑事事件では、「没収」や「追徴」という言葉が出てきます。

没収の対象は、
 ・犯罪行為を組成した物
 ・犯罪行為の用に供し、または供しようとした物(凶器など)
 ・犯罪行為によって生じ、もしくはこれによって得た物
  または犯罪行為の報酬として得た物
 ・以上の対価として得た物
と定められています。

例えば、収賄で得た賄賂は没収の対象です。
没収できるものが没収ができないときは
(例えば収賄で受け取った金銭を使ってしまっていたとき)
その物の価額を納付させるのですが、これを追徴といいます。

2008年03月31日

改正児童虐待防止法

4月1日、改正児童虐待防止法が施行されます。
改正法では、児童相談所による立入調査が拒否されるなど、
子どもの安全が確認できないような場合に、
裁判所の許可状による強制的な立ち入り(臨検)ができるという
制度を設けています。
また、保護者が子どもにつきまとうことがあり、その対策として、
都道府県知事による保護者の接近禁止命令制度なども
定められています。

2008年02月21日

親族相盗例

直系血族、配偶者、同居の親族の間で、
窃盗罪・詐欺罪・横領罪・恐喝罪などを犯したときは
刑が免除されます。
その他の親族との間であれば、
親告罪(告訴がなければ公訴を提起できない)となります。
「法律は家庭に入らず」という趣旨だと学びました。

親が亡くなるなどして、親族が家庭裁判所から未成年後見人に選任されたところ、
この親族が未成年者の財産を横領した場合に、
この規定の準用があるかについて、最高裁の判断がありました。
未成年後見人は公的性格を有することから、この規定の準用はなく、
刑は免除されない(業務上横領罪)と判断しました。

親が亡くなった際に、未成年者が生命保険金を受け取ることもあります。
その生命保険金を未成年後見人である親族が勝手に使ってしまう事例も
見受けられます。とても残念です。

2008年02月20日

預金不正払戻の補償

盗難通帳やインターネット・バンキングによる
預金等の不正な払戻しについての全国銀行協会の自主ルールが
発表されました。
例えば、空き巣に通帳を盗まれ、その通帳を使って不正な払戻がされたとき、
それが銀行の無過失による払戻であっても、預金者に過失がないときには
原則として補償されるというものです。
すでにキャッシュカードについては、預金者保護法の規定により
補償されることとなっていましたが、これとほぼ同じ扱いになるようです。
なお、預金者に軽過失があるときは25%減額されます。

2008年01月07日

旅行のトラブル

休暇中に観光バスが接触事故を起こした現場を通過しました。
大規模な事故ではないようでしたが、このようなことがあれば、
せっかくの旅行がブルーになってしまいます。

旅行会社の主催するツアーに参加したところ、
バスが事故を起こしたり、予定していた飛行機が欠航になったり
ということがあります。
これらの場合に補償されるかどうかについては、
約款に定められており、補償される場合もこれに従うことになります。
約款に予め目を通すことは少ないかもしれませんが、
そういった場合でも約款は原則として有効であり、
大量の取引を定型的に処理するためのものです。

2007年12月21日

飲酒運転の重さ

飲酒運転し、歩行者をはね、タクシーに追突して
運転手・乗客を死亡させて危険運転致死傷罪に問われた被告人に
懲役23年の言渡しがありました。
求刑は30年。
最近相次ぐ重い量刑判断に、
まだ感覚が追いついていないような気がします。
しかし、自動車は、多数の人を殺傷しうる「走る凶器」であり、
そこに飲酒運転が加わることで、死の結果を招くことが十分にある、
そして、
重い刑事責任を負うということをしっかりと認識しなければならないのですね。

2007年12月12日

ビラの配布

政党のビラを配布するため、マンションに立ち入ったことにつき、
住居侵入に問われた事件。
一審では無罪判決でしたが、東京高裁で有罪判決が出ました。
「チラシ投函禁止」という趣旨の張り紙が玄関ホールに出されており、
集合ポストへの投函のために玄関ホールに立ち入る行為も
住居侵入罪にあたるという判断です。
すでに被告人側は上告しているようで、最高裁の判断が待たれますが、
ビラまきが大幅に制限される可能性があり、
商業的な宣伝活動にも注意が必要になってきますね。

2007年11月15日

危険運転

飲酒運転でタクシーに衝突し、乗客など3人が亡くなられた事故の
運転者が危険運転致死傷罪に問われた刑事裁判で、
懲役30年の求刑がなされたとのこと。
危険運転致死傷罪では、
人を死亡させたときは1年以上20年以下の懲役と定められていますが、
今回は、併合罪の処理(刑の長期にその2分の1を加える)がなされています。

2007年11月09日

原付の保険

自賠責保険は、すべての自動車、バイクに加入が義務付けられていますが、
原付や軽二輪(250cc以下)のバイクには車検がないため、
自賠責保険が切れたまま(無保険)使用してしまうおそれがあり、
これは違法。
日弁連の交通事故相談を担当していたときは、無保険のバイク事故の
相談もしばしば見かけました。
人身事故が発生する可能性も考えると、
しっかりチェックしておきたいものです。


2007年11月06日

身元保証人と相続

就職に際して、身元保証人を求められることがあります。
書面には、被用者の行為で会社が損害を被ったときには、
被用者と連帯してその賠償をしなければならないという趣旨の
言葉が盛り込まれていることが多いです。
この先、被用者が会社でどんな行いをするかは、よく分からないのですから、
身元保証人の責任は重いですね。

判例によれば、
身元保証人が亡くなった場合は、特別の事由がない限り、
相続にはこの身元保証を相続しません。
ただし、相続開始時にすでに具体的な損害が発生し、
身元保証人が賠償義務を負っていた債務は相続するとされています。

相続人は、被相続人(亡くなった人)の一身に専属する権利を除いて、
一切の権利義務を承継しますが、
身元保証の場合、被用者と身元保証人との
人的な信頼関係を基礎とするため、
特別な事情のない限り、承継されないと考えられています。

2007年10月11日

自治体が過払金の回収

自治体が税金を滞納している人の過払い金を差し押さえるケースが
出てきています。
消費者金融で借入をし、利息制限法の上限を超えて利息を支払い続けた結果、
「元本+利息制限法上の上限利息」以上に支払った部分が「過払い金」となり、
消費者金融にその返還を求める「過払い金返還請求」は昨年来、
大変な勢いで増えてきました。
自治体が、支払った本人に代わり過払い金を返還を求めて、
返還を受けたものを税金の滞納分に充てるというものです。

なお、「過払い金」は利息制限法の上限を超えて利息を払い続け、
元本部分まで支払い済みとなった場合に発生するものですから、
それなりの期間にわたり弁済を続けていないと過払い金としては返還されません。
ただし、支払った利息の一部が元本に充当される結果、
借入残高が減少するケースは多いです。

2007年09月19日

改正道路交通法

飲酒運転やひき逃げについて罰則が強化された改正道路交通法が
今日、施行されます。

例えば、
酒気帯び運転の罰則は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金
(従前は、それぞれ1年以下、30万円以下)、
酒酔い運転の罰則は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金
(従前は、それぞれ3年以下、50万円以下)となりました。

これまで共犯の規定(幇助犯)で対応してきた
酒酔い・酒気帯び運転の車両に同乗した人や、
酒類提供・車両提供をした人については直接の罰則規定が設けられました。

2007年09月12日

公訴時効

犯罪行為が終了した時点から起算して、一定期間が経過すれば、
その後の起訴は許されないとされています。
これが公訴の時効です。
「一定期間」は法定刑の重さによります。
殺人罪など最高刑が死刑にあたる罪については、25年。
年金問題に関連して出てくる業務上横領の場合は、7年です。

2007年08月30日

不動産の登記

土地や建物を買うと、その登記をするのが一般的です。
なぜ登記するのでしょうか。

土地や建物の所有権も、契約の条件に従って、
例えば、代金の全部を支払ったときに移転します
(先に所有権は移転し、代金を後払いにすることもあり得ます)。
そのようにして、土地や建物の権利を取得したとしても、
第三者に対しては、登記をすることによって初めて権利を主張できます。

売主Aさんが、まずBさんから代金をもらい、Bさんとしては、
所有権を取得しているにもかかわらず、登記をしていないことをいいことに、
Aさんが、Cさんに対して、同じ物件を売却し、
Cさんに対しては、登記を移転した場合、
原則として、登記をしているCさんがBさんに対して権利を主張できる、
つまりCさんが勝つのです。

これを登記の対抗力といいますが、
そもそも未登記の建物もたくさんあります。
登記がなければ所有権を主張できないというわけではなく、
上記のような場合に、第三者に対抗できるかどうかの問題なのです。

2007年08月22日

文書の偽造

文書偽造の罪では、公文書と私文書が区別されます。
公文書は、公務所(国などの機関)または公務員が
その職務権限に基づいて作成する文書のこと、
私文書はそれ以外の文書ですが、
権利義務または事実証明に関する文書を指します(契約書や履歴書など)。

そして、行使の目的でこれらの書類を偽造した場合で、
印章・署名があればより重く処罰されます(有印公(私)文書偽造)。
もっとも、署名は記名で足りるため、むしろ「無印」の文書偽造は少ないでしょう。

2007年08月21日

児童の定義

児童福祉法では、児童は満18歳未満の者をいい、
さらに次のように分けられています。
乳児 満1歳に満たない者
幼児 満1歳から、小学校就学の始期に達するまでの者
少年 小学校就学の始期から、満18歳に達するまでの者

家庭での養育が困難などの事情で児童福祉施設に入所する場合、
2歳前後(事情により小学校就学前)まで乳児院で過ごすことが多いようです
(その後は児童養護施設へ措置変更となる)。

2007年08月09日

公正証書

公正証書は、公証人(法曹経験のある公務員です)が法律に従って作成する
公文書のことです。
公正証書化が必須とされる契約は多くはありませんが、
遺言を公正証書にする(公正証書遺言)のは一般的ですね。

そのほか、どんなときに公正証書を作成するのでしょうか。

例えば、お金の貸し借りについては、「金銭消費貸借契約書」といった書面を
当事者間で作成するのが一般的ですが、借主が返済義務を行った場合に、
借主の財産に対して強制執行をかけようとしても、ひとまず裁判所の判決を
もらわなければなりません。

しかし、お金の貸し借りについて公正証書を作成しておけば、
債務者(借主)が返済義務を怠った場合でも、
裁判をしなくても、直ちに強制執行できるのです。

また「公文書」ゆえに証明力が高いこと、
第三者である公証人が関与することで、当事者の義務も明確になり、
約束事(契約内容)が守られる可能性が高まることなども、
公正証書にするメリットです。

2007年08月06日

保証人

「他人が借金をするときに保証人になり、
忘れたころに、いきなり請求を受けました。どうしたらよいのでしょう」
という相談は非常に多いです。

保証には、(単純)保証と連帯保証があり、
どちらも保証人と債権者の間の契約ですが、多くが連帯保証契約です。
連帯保証契約の方が、債権者に有利だからです。

つまり、(単純)保証の場合は、
「先に借主(主債務者)に請求をして下さい」と言えたり、
「借主(主債務者)の財産から先に処分して下さい」と言えたりしますが、
連帯保証の場合は、そうした主張(抗弁)が認められません。
債権者は、連帯保証人に対して、主債務者と同じように請求することができます。
連帯保証人になるということは、主債務者と同等の重い責任を負うことなのです。

2007年08月02日

中傷発言

刑法には、名誉毀損罪と侮辱罪という規定があります。
事実を摘示して批判などをした場合、仮にそれが真実であっても
その人の社会的評価を低下させるものであれば、名誉毀損にあたります。
「うちの会社の○○さんは、△という犯罪を犯した」といったものです。
侮辱罪の場合は、事実の摘示が不要で、
その人の社会的評価を低下させるような抽象的な批判で成立しうるものです。
実際に刑事事件になることはごくまれですが、民事的な紛争は少なくありません。
その場合は、慰謝料請求などの形で争われます。

2007年07月20日

マンションの売却(管理費の請求)

マンションの(区分)所有者が管理費や修繕積立金などを滞納したまま、
そのマンションを売却することがありますが、
滞納している管理費などは、
区分所有法に定めにより、買主にも支払義務が認められます。
そのマンションが競売にかかっていた場合も同じです。
競売にかかるような場合は、滞納が長期にわたることが多く、
買い受けた人にかなりの負担となることがあります。

なお、管理費等の消滅時効は、支払時期から5年です。

2007年07月12日

遺族年金

妻と別居し、別の女性と同居していた(内縁)夫が死亡したとき、
遺族年金の受給権が、法律上の妻にあるのか、内縁の妻にあるのかが
争われるケースが少なくありません。

平成19年7月12日付日経新聞によれば、東京高裁は、
別居期間6年5ヶ月程度の夫婦のケースで、法律上の妻に
遺族年金の受給権を認めたとのことです。
遺族年金は原則として、法律上の妻に受給権が認められますが、
その夫婦の婚姻関係が形骸化しているような例外的な場合は、
受給権が否定され、内縁の妻に受給権が認められることがあります。

この事例では、
・離婚の合意が成立していない、
・慰謝料などの支払いがない、
・別居後も妻と夫の間に経済的依存関係があった
・家族間の交流があった
ことなどを理由に、婚姻関係が形骸化しているとは言えない
と判断し、原則通り法律上の妻に受給権を認めたようです。

2007年07月11日

クレジットカードの情報漏洩

個人の情報の中でも、特に経済的な損害に直結するのが、
クレジットカードの番号。
信販会社などの従業員が故意に流出させた場合でも、
その媒体に対する窃盗罪として罪に問うことはできるとしても、
罰則での制裁が手薄で、
情報そのものの保護には欠けるという指摘がなされていました。
平成19年7月11日付日経新聞によれば、
今後、懲役刑も含め、罰則を科す方向で検討がなされるとのことです。

2007年06月26日

不法行為による損害賠償請求権の消滅時効

不法行為による損害賠償請求権の消滅時効期間は3年です。
その「3年」は、被害者(またはその法定代理人)が損害及び加害者を知ったとき
から起算されます。
損害が発生したことと、損害賠償請求をする相手方を、いずれも知ったときから
進行するわけです。
例えば、加害者が長期にわたり判明しないこともあり、そのような場合は、
「3年」の消滅時効期間が進行しないのですが、
そのような場合でも、不法行為の時から「20年」が経過すれば、
請求権は消滅します。
この「20年」の経過による請求権の消滅については、
期間の経過により画一的に考えるものとし、
被害者の認識がどのようなものだったかを考慮しない、というのが
裁判所の基本的な考え方です。

2007年06月19日

不動産売買

不動産売買の一般的な手続の流れを追ってみます。

まず売買契約書を作成します。
売買契約書の中に、手付金の額や、決済日を定めます。
住宅ローンを利用する予定の場合には、住宅ローンの審査が下りず、
ローンがつかないことが明らかになれば、白紙解約になる
(手付金も含め返金する)という内容の特約を盛り込むのが一般的です。

決済の日には、司法書士の方が同席して、
買主に所有権移転登記手続をするために必要な書類を確認します。
不動産に抵当権などが設定されていた場合は、抵当権を抹消するための
書類の準備も必要です。
司法書士の方から「これで契約どおり登記が移転できる」とOKをもらうと、
その場で代金が支払われ、取引は終了
(抵当権を抹消するために売主から債権者への返済が必要な場合は、
このときに債権者に支払われます)。
代金の支払いと登記の移転(のために必要な書類の交付)を引き換えにするのが
一般的といえます。

2007年06月14日

特定商取引に関する法律

大手英会話学校が新規契約などの一部業務停止(6ヶ月間)を
命じられたことが報道されています。
特定商取引に関する法律(特定商取引法)に違反した行為があったと
認定されたためです。

英会話学校など「語学の教授」というサービスを提供する契約で、
2ヶ月を超え(2ヶ月ちょうどを含みません)、支払額が5万円を超えるものについては、
特定商取引法にいう「特定継続的役務提供契約」に該当します。
「特定継続的役務提供契約」に該当するとなれば、
特定商取引法が定める様々なルールが適用されます。

最も分かりやすいのが、クーリング・オフという制度。
語学の教授を受けるような契約の場合は、契約書面を受領した日から
8日間は、特別な理由がなくても、消費者側から一方的に契約を解除できます。
(購入した化粧品を使用してしまった場合など除外されるものもあります)
そして、8日間が経過した後も、中途解約は可能です。
クーリング・オフの場合、8日間の間にポイントを消化していても、
その代金を支払うことなく、支払った代金を全額返金してもらうことができますが、
中途解約の場合は、利用した分の代金と法律で認められた範囲の損害金を
支払う必要があります。

これらの制度は、消費者の権利を保護するために
特定商取引法が特別に認めているものです。
特定商取引法の適用がない契約では、
原則としてこのような解除が認められません(他の法律で認められる場合があります)。

2007年04月27日

告知義務違反

生命保険に加入するときは、
「告知書」に現在及び過去の健康状態などを記載しますね。
これに違反した場合、いわゆる告知義務違反があった場合の処理については、
商法に規定があり、
契約者または被保険者が、悪意または重大な過失により、
重要な事実の不告知または不実の告知があった場合は、
保険会社は契約の解除をすることができると規定されています。

何が「重要な事実」にあたるのかについて、
生命の危険を測定するにつき、影響ある素質を有する事実をいい、
必ずしも直接死の原因となったもの、または死の転帰を見るべき性質の
ものであることを要しないとの判例があります。

この契約解除は、「将来に向かって」効力を生じるため、
契約者が支払った保険料は返還されません。

ところで。。。久しぶりに商法を見ると、なんだか読みづらい。
会社法が口語化されて読みやすくなったことを実感しました。。。

2007年04月25日

自動継続定期預金の消滅時効

自動継続特約のついた定期預金について、
解約の申し出をしないまま自動的に継続されている場合、
その預金の払戻しを受ける権利がいつ消滅するかが争われた事案で、
最高裁判決がありました。

預金払戻請求権の消滅時効の問題です。
民法では、債権は10年間行使しないと消滅する、
消滅時効は、権利を行使することができるときから進行する、
と定めています。

銀行側は、最初の満期日(本件では昭和63年のこと)から消滅時効が進行するので、
解約申し入れのあった時点(本件では平成14年のこと)では既に消滅時効が完成している
と主張していましたが、
最高裁は、解約を申し出た後の満期が到来した日
(本件は1年の定期預金なので平成15年のこと)から消滅時効が進行すると判断しました。

自動更新をやめるかどうかは預金者の自由。
それなのに、初回の満期日前に、継続を停止する申入れをして、
初回満期日に預金の払戻しを請求することを前提にして、
「初回満期日から預金払戻請求権を行使することができる」と解することは、
預金者にその行為を行うよう要求するに等しく、
自動継続定期預金契約の趣旨に反する、というのがその理由です。

2007年04月24日

甲区と乙区

不動産の登記簿謄本は、仕事で触れることの多い資料の一つで、
不動産が関係する案件では、必ず目にします。
法務局で入手できますが、最近は、コンピューター化が進み、
遠方の管轄のものでも、近くの法務局で入手することができるので、
とても便利になりました。

不動産の登記簿は、表題部・甲区・乙区に分かれています。
表題部にはその物件の所在や面積などの情報が
甲区には、所有権に関する権利に関する情報が、
乙区には、所有権以外の権利に関する情報が
それぞれ記載されています。

甲区で、「持ち主」を特定し、
乙区で、「抵当権」など、その物件に対して第三者が持っている権利
(持ち主の側からすると、「負担」)の有無を確認します。

2007年04月13日

未成年後見人

未成年者の親権者が亡くなった場合は、
後見人が選任されなければなりません。
祖父母が後見人になるケースも多いですが、
血縁関係があるからといって直ちに後見人になるわけではなく、
家庭裁判所に後見人選任の申立てをして、
裁判所により選任されることにより後見人になります。
ただし、最後に親権を行使していた者は、
遺言で後見人を指定することができます。

後見人になれば、戸籍の届出が必要で、
未成年者の戸籍には、未成年後見人が就任した旨の記載がなされます。

2007年04月10日

ネット代金詐欺

インターネット上の売買では、決済を先にして、
後に商品が届くかは少なからず不安なところがあります。
事実、代金先払いを悪用した詐欺も増えているようです。

このような通信販売を規制する法律は、「特定商取引に関する法律」
ですが、この法律で「代引き」などの選択肢を設けるよう企業に義務づける
ことも検討されているようです。

平成19年4月10日付日本経済新聞では、
個人の通販事業者と購入者との間をつなぐ仲介的な会社が、
商品の配送や決済を代行する「ドロップシッピング」について触れられています。
個人は在庫を持たなくてよいため、通販事業へ参入しやすくなる反面、
販売責任の所在が曖昧になっているという指摘があります。

2007年03月30日

いよいよ年金分割

今朝はものすごい雷でびっくりしましたが、
被災地は大丈夫でしょうか。

4月1日から年金分割制度が始まります。
この制度は「熟年離婚の激増を呼ぶ」という形も取り上げられましたが、
私や友人の弁護士の間では、相談が爆発的に増えたということも、
今のところありません。
年金額全額ではなく、婚姻期間中の厚生年金の実績を分ける制度であり、
分割割合も自動的に2分の1になるわけではありません。
多くの場合、離婚を決意させるような額ではないのかもしれません。

2007年03月23日

地価の公示

22日に発表された公示地価。
都心部の地価はぐんぐん上がっているようです。
大阪梅田や御堂筋沿いでは40%上昇というところもあるのだとか。
昨年あたりから不動産に関係する相談も多くなっているように思います。

しかし、銀座の「1坪1億超」というのにはため息が出ます。

2007年03月14日

振り込め詐欺対策

平成19年3月14日付日本経済新聞によれば、
十分な理由によって、
振り込め詐欺に利用されていると判断された
預金口座取引を停止して、被害者に返金することを認める
法案の骨子がまとまったとのこと。
「だますしくみ」が巧妙になって被害が減少しないのなら、
お金の流れを止めて、被害者を救済しようとするものです。

2007年03月13日

祈祷の規制

平成19年3月13日付日本経済新聞によれば、
占いで不安をあおられ、高額の祈とう料金を請求された
という相談が多いことから、
特定商取引法を改正して、「祈とう」や助言・指導といった
サービス(役務)に対して規制を行う方針であるとのことです。
冷静さを回復してから解約できる(クーリング・オフ)というのは、
消費者保護の意義が大きいと思います。

2007年03月12日

マンションの滞納管理費

中古マンション購入時には、前の所有者が、
マンションの管理費や修繕積立金を滞納していないかを確認する必要があります。
滞納がある場合、その支払義務は購入者に引き継がれるからです。

仲介業者を通している場合は重要事項説明書の中で明示されますが、
前の所有者と直接やりとりする場合は、
後で思わぬ負担となるおそれがあります。

前の所有者はこれにより支払義務を免れるわけではありませんが、
購入者が支払った後に前の所有者に請求したとしても
支払ってもらえない可能性が高いので、
通常は、マンションの売買代金の決済の際に処理することになります。