養子縁組はさまざまな理由で行われます。
例えば、
①子どものいない夫婦が、親族でない子どもを養子とする。
②祖父母が相続対策(節税対策)で孫を養子とする。
③再婚にあたって、配偶者の連れ子を養子とする。
というようなものが典型例ですが、
最近は、「事件」の背景として話題になることもあり、
戸籍上の名前を変えるためだけに、他人の養子になる。
実質的な親子関係を目的とせずに(他の何らかの目的のために)、
年齢の近い人同士が、養親・養子の関係となる。
というように利用されることもよくあります。
縁組に際して、
養子縁組をする理由を必ずしも説明する必要はありません。
未成年者が養子となる場合には、子の福祉の観点から、
原則として、家庭裁判所の許可が必要とされているので、
その際には、
「養子縁組をしようとする理由」が子の福祉にかなうものであるよう
要請されることになりますが、
この「許可」は、孫のように「直系卑属」を養子縁組とする場合は不要なので、
主に、①のように「親族でない未成年の子ども」を養子とする場合に要求されるもの、
ということになります。
裁判所の許可がなくても養子縁組が成立する場合には、
養子縁組の実質的な「正当性」が検討される場はなく、
養子縁組はかなり簡単にできてしまいます。
養子縁組の効果は、その当事者が、「親子」になってしまうという大きなものです。
そのため、
養子縁組の正当性が担保できるような手続を設けるべきじゃないか?
とも思うのですが…
結局のところ、「真に正当に親子関係の作り出そうとしているのかどうか」という点は、
内心の問題であるため、吟味するのが困難であります。
ところで、
特に相続対策などで、養子縁組をした場合、
その「子」のことが気に入らなくなり、財産を与えたくないということで、
親子の縁を切りたい
と思っても、
離縁に合意してくれるかどうかは、わかりません。
離縁できないと、「子」である養子には、一定の相続分が保証されます。
そういった意味でも、養子縁組は、慎重に検討したいものです。
離婚・親権その他の家事事件 の一覧
裁判で行われる和解について、ご説明したいと思います。
和解とは、
争い対立している当事者が、
お互いに譲歩して、
その争いを解決することを約束するものです。
訴訟の中で、裁判所から和解の勧めがあることも多く、
訴訟が、和解の成立によって終了することは少なくありません。
まずは、和解の話し合いができるかどうかは、当事者のご意向次第です。
裁判所から和解の勧めがあったとしても、
「自分が譲歩する」ということが受け入れられないなら、
和解の話し合いは始められません。
他方、話し合いのテーブルにつけることになったら、具体的に協議が始まります。
支払われる額であったり、
一括払いか、分割払いか、などの支払い方法であったり、
和解に際して盛り込む文言の内容であったり、
内容はケース毎に異なります。
和解のテーブルにはついたけれど、結局、条件が折り合わずに
和解は成立しないということもよくありますので、
和解協議に入ったから、
絶対に和解に応じなければならないというものではありません。
和解に応じることになるきっかけは、さまざまですが、
まず、
その裁判が勝つのか負けるのか、微妙な状況で、
敗訴のリスクを避けるための和解、というものがあります。
仮に敗訴となれば、得られる利益はゼロとなるため、
和解によって、100%とは言えないけれども、一定の利益を確保しよう
というものです。
次に、例えば、金銭のトラブルの場合、
原告側からすると、
「裁判所は、自分が訴訟で求めた内容を全部認めてくれるかもしれないが、
実際のところ、一括払いをしてもらえる見込みは極めて乏しい。
ならば、分割払いの約束をしっかりとしてもらい、
確実に回収をしたい。」
というようなもの、
他方、被告からすると、
「支払義務はあることは認める。けれど、手元にお金がなく、一括払いはできない。
分割払いを認めてもらい、かつ、遅延損害金を免除してもらいたいし、
できれば、総支払額を減額して欲しい」
というようなものがあります。
金銭のトラブル以外にも、離婚訴訟が和解によって解決することも多いです。
もともと、「夫婦」という緊密な関係だったわけですから、
紛争が深刻化することを回避する意味合いもありますが、
そのほかにも、親権の問題と深く関係する、養育費や面会交流などの問題を
双方の意思を尊重しながら解決できるなど、メリットがあるからです。
どんな和解であっても一番大事なことは、
当事者にその内容や和解のメリット・デメリットをご理解いただくことです。
弁護士は、この点を、さまざまな工夫をしてご説明するわけですが、
例えば、金額一つにしても、額の決め方にルールがあるわけではなく、
「勝訴可能性については、現段階では五分五分だから、請求額の半額ではどうか?」
と打診される場合のように、
金額の定め方に法律的な根拠を見いだしがたいケースもあって、
なかなか説明が難しいことも多いです。
そういった説明も経て、当事者からご質問も受けて、
十分納得して頂いた上で、ようやく和解が成立するということになります。
今日は、離婚などの調停に弁護士が関与した方がよいのかどうか、という点
について考えてみたいと思います。
調停で扱われる問題としては、
離婚に限らず、相続や、子どもの監護権など多種にわたりますが、
ひとまず、件数の多い「離婚調停」をイメージして考えてみます。
あくまで弊事務所のスタンスですが…。
弊事務所では、
「離婚を考えていて、調停を申し立てようと思っています」というご相談者がみえた場合、
ひとまずは、ご自身で調停を試みてはどうかとお勧めしています。
その理由としては、
調停は本来、当事者(ご夫婦)のみで対応可能な手続だと考えられるからです。
そして、調停はあくまで裁判所での双方の話し合いの手続なので、
裁判でみられるように「証拠があったら絶対勝つ」「証拠がないから請求すら無理」という
白黒はっきりした進め方でもありません。
そこで、
・ 法律的な議論になることが予想されるとき
・ しっかりとしたご自身の考えを主張することが必要だが、うまくできるかとても心配なとき
には、調停でも弁護士をつけた方が良いのでは?、
とご説明することにしています。
この考えに大きな変化はないのですが、
最近は、調停で話したことや、調停委員から聞いたことが
調停外での争いのタネになることが増えていて、
調停の時にしっかり確認したり、
(調停条項とはいわずとも)簡単な合意書面でも作っていたらなぁと
思うことが少なくありません。
さらに、2011年5月に成立した家事事件手続法によると、
離婚調停の申立書は、原則、相手方へ送られることになります
(施行は非訟事件手続法の施行日)。
これまでも、離婚調停の相手方となった方は、
裁判所の許可を得て、コピー(謄写)してもらうことができましたが、
この改正で、わざわざこれをしなくても、届く、ということになります。
最初に相手方に目に触れるのが申立書ですから、
その内容も、これまでと違って十分配慮する必要がでてきますね。
(適当に書いて、とりあえず申立をすればよい、というのはよろしくない)
現在、裁判所の窓口でもらえる申立書のひな型は、
事情を書くところも数行で、それだけをみても調停委員に事情が伝わらないことがあります。
(改正を機に、ひな型自体が工夫されるのではないかと期待しますが)
そのため、弁護士が代理人に就くケースでは、
ひな型を使わずに自製することや、申立書に加えて「事情説明書」や「陳述書」を
出すことが少なくないです。
このような状況を踏まえると、
事情が許せば、調停当初から弁護士に依頼するのが安心でしょうし、
調停申し立て段階で弁護士に相談し、申立書もしっかりと考えて書くこと、
調停途中でも、調停の進み具合に応じて、弁護士に相談すること、
なども、お勧めした方がよさそうだと感じる次第です。
日々いただくご質問の中で、共有できそうなものを
公開してみることを思い立ちましたので、早速実行してみます。
【Q】財産分与は離婚成立後でも可能なのですか?
【A】はい。可能です。
離婚から2年間は、財産分与の請求ができます(民法768条)。
【Q】相手方(夫又は妻)に対して、慰謝料を請求しようとする場合、
相手方の不法行為の証明はどのように行うのですか?
【A】あらゆるものが証拠になり得ますが、
不法行為の内容が不貞行為だ、というのであれば、
メールなどから状況がうかがえれば証拠になりますし、
費用をかけて、まず興信所に調査を依頼される方もおられます。
その他にも、暴力だ、というのであれば、診断書や写真、
浪費だ、というのであれば、クレジットカードの明細など、
できるだけ客観的なものが収集できればいいと思います。
財団法人日本マネジメントスクール発行の「経営教育」誌で
「やさしい法律教室」を担当させていただいて、数年になります。
日本マネジメントスクール→http://www.jms.or.jp/index.html
今回のテーマは「高齢社会」
最終ページのイラスト、
「おじいちゃん&小太郎」は家族にも好評です↓
http://www.kojima-lawoffice.com/02.pdf
結婚したときに、相手方配偶者の姓に変わった場合、
民法上は、離婚によって結婚前の姓に戻ります(「復氏」)。
ただし、離婚後に旧姓を名乗るのは不便なことも多く、
その場合は、戸籍法の規定による「婚氏続称」の届出を行います。
この届出は、離婚の日から3か月以内に行わなければなりませんので、
離婚届出と同時にこの届出を出しておくのがスムーズといえます。
3ヶ月を経過してしまった場合は、家庭裁判所の許可に基づく
「氏の変更」の手続が必要となります。
例えば、両親が離婚して、母が親権者になったが、
その後、父が亡くなったために、
未成年の子どもが父の不動産を相続したときのように、
子どもが財産を取得することがあります。
親権の一内容として、母は財産管理権を持っていますので、
財産を管理し、財産に関する法律行為について、子どもを代理する
ことができます。
しかし、時に、親権者の利益と子の利益が相反することもあります。
このような利益相反行為に当たる場合は、
子に代わり取引に同意する「特別代理人」を、家庭裁判所で
選任してもらうことが必要です。
子の不動産を親権者自身が買い受けたり、
親権者の借入先への売却するなど、利益相反の状況が生じる
場合には、特別代理人の選任が必要となってきます。
5月22日付日経新聞によれば、4月に開始した年金分割制度の
請求・受理件数が1ヶ月間で293件だったとのこと。
大阪は27件(全国2番目)。ゼロの地域もあるようですが、
年金分割の前提として行う情報請求は前月の1.5倍に急増したのだそうです。
先日初めて、年金分割の請求を受けて、
これを取り込んだ事案を担当しましたが、
今後は、離婚時に年金分割について協議するのが一般化していくのでしょうね。
遺産が能面と衣装。その分割方法が争われていた訴訟で、
「能面と衣装を組み合わせて分割することは可能」という
判断が出されたことが報道されています。
相続人間で遺産分割協議ができる場合はよいのですが、
話し合いがつかず、審判に移行することもあります。
審判では一切の事情を考慮して判断され、分割の態様はさまざまです。
現物分割、換価分割、代償分割、あるいはこれらを組み合わせるなどして、
相続人間の公平を図ることになります。
概して言えば、
現物分割は、遺産の状態を変えないまま各相続人に取得させること
換価分割は、遺産を金銭に換価して、その価値を分けること
代償分割は、遺産を特定の人に取得させる代わりに、その取得者に
他の相続人に対して金銭を支払わせること
この紛争では、能面と衣装を分割することはできないとして、
これらを競売し、得られた現金を分割するように命じた下級審の判断に対し、
最高裁が「能面と衣装の組み合わせで分割することは可能」と判断したため、
再度審理が行われた結果、現物分割を認める判断が出されたものです。
成年後見制度は、判断能力が十分でない人のために援助者を付ける制度です。
成年後見制度には、法定後見と任意後見があり、
任意後見は、本人の判断能力があるうちに、
予め後見人やその権限を決めておく制度です。
これは「任意後見契約」という形で決められますが、
その重要性から、必ず公正証書でしなければならないとされています。
この契約を締結する時点では、本人の判断能力が十分であることが前提です。
その後、本人の判断能力が十分でなくなった場合に、
家庭裁判所が「任意後見監督人」を選任したときから任意後見の効力が生じます。
それまでの間、将来後見人になるとされた人は、任意後見受任者と呼ばれ、
本人の判断能力が十分でなくなり、任意後見の効力を生じさせる必要が出てきたとき
には、家庭裁判所に「任意後見監督人」の選任を申し立てなければなりません。


