前納授業料の返還問題
2006.11.28
新年度が開始前に入学を辞退した場合、
入学金や前納受領料が返還されるかどうかが争われていた訴訟で、
最高裁の判断が出ました。
学則では、「既納の学費はいかなる理由があっても返還しない」とされており、
その有効性が問題となりました。
判決では、
①「入学金」は、その納付により、大学に入学できる地位を取得するので、
その後、在学契約が解除され、
あるいは失効したとしても、大学は返還義務を負わない、
②「不返還特約」のうち、授業料に関する部分は、在学契約の解除に伴う
損害賠償の予定または違約金の性質を持つ、
③3月31日以前に入学辞退の申し入れがなされた場合は、
授業料を返還する義務を負う、
と判断しました。
平成13年に施行された消費者契約法は、
消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項のうち、
事業者側に生じる平均的な損害を超えるものは、
その超える部分について無効とする規定をおいています。
この規定を適用し、
在学契約が大学の入学年度の開始前である3月31日以前に解除された場合は、
大学に生ずべき平均的な損害はないとし、授業料を返還しないという特約の
全部を無効としました。
ただし、推薦入学など、他の受験者よりも有利な条件で入学できる地位にある場合は、
その学生が入学する蓋然性が相当程度高いため、
特段の事情がない限りは、授業料の返還を請求できないということです。


